2000年のワールドシリーズ

メジャーリーグベースボールの第96回優勝決定シリーズ ウィキペディアから

2000年のワールドシリーズ

2000年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第96回ワールドシリーズ(だい96かいワールドシリーズ、96th World Series)は、10月21日から26日にかけて計5試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキースアメリカンリーグ)がニューヨーク・メッツナショナルリーグ)を4勝1敗で下し、3年連続26回目の優勝を果たした。

概要
2000年ワールドシリーズ
ニューヨーク州ニューヨーク市における両球団本拠地球場の位置と、地下鉄の路線網
チーム 勝数
ニューヨーク・ヤンキースAL 4
ニューヨーク・メッツNL 1
シリーズ情報
試合日程 10月21日–26日
観客動員 5試合合計:27万7853人
1試合平均:05万5571人
MVP デレク・ジーター(NYY)
ALCS NYY 4–2 SEA
NLCS NYM 4–1 STL
殿堂表彰者 ジョー・トーリ(NYY監督)
デレク・ジーター(NYY内野手)
マリアノ・リベラ(NYY投手)
マイク・ピアッツァ(NYM捕手)
チーム情報
ニューヨーク・ヤンキース(NYY)
シリーズ出場 03年連続37回目
GM ブライアン・キャッシュマン
監督 ジョー・トーリ
シーズン成績 87勝74敗・勝率.540
AL東地区優勝
分配金 選手1人あたり29万4783.41ドル[1]

ニューヨーク・メッツ(NYM)
シリーズ出場 14年ぶり04回目
GM スティーブ・フィリップス
監督 ボビー・バレンタイン
シーズン成績 94勝68敗・勝率.580
NL東地区2位=ワイルドカード
分配金 選手1人あたり23万8653.80ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 FOX
実況 ジョー・バック
解説 ティム・マッカーバー
ボブ・ブレンリー
平均視聴率 12.4%(前年比3.6ポイント下降)[2]
ワールドシリーズ
 < 1999 2001 > 
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ニューヨーク州ニューヨーク市を本拠地とする球団どうしの対戦は、お互いの本拠地球場をニューヨーク市地下鉄(New York City Subway)で行き来できることから "サブウェイ・シリーズ"(Subway Series)と呼ばれている。ワールドシリーズにおいてサブウェイ・シリーズが実現するのは、ヤンキースとブルックリン・ドジャースが対戦した1956年以来44年ぶりであり[3]、ヤンキースとメッツの顔合わせでは初めてである。ヤンキースは初戦から2連勝のあと第3戦に敗れ、1996年第3戦から続けていた連勝記録を歴代最長の14試合で止められたものの、続く第4戦と第5戦を制して優勝した[4]。また、シリーズ3連覇は1936年1939年および1949年1953年のヤンキースと、1972年1974年オークランド・アスレチックスに次ぎ、史上4例目である[5]シリーズMVPには、連勝記録を止められた翌日の第4戦で初回表に初球先頭打者本塁打を放つなど、5試合で打率.409・2本塁打・2打点OPS 1.344という成績を残したヤンキースのデレク・ジーターが選出された。

両チームの過去の対戦

1997年から始まったレギュラーシーズン中のインターリーグでは、4年間で計18試合が組まれており、ヤンキースが11勝7敗で勝ち越している[6]。この年は6月9日からの2日間で2試合と、7月7日からの3日間で4試合の計6試合が行われ[注 1]、ヤンキースが4勝2敗で勝ち越した。

メッツのマイク・ピアッツァ1998年5月にフロリダ・マーリンズから、ヤンキースのロジャー・クレメンス1999年2月にトロント・ブルージェイズから、それぞれトレードで加入した。1999年以降のサブウェイ・シリーズにおいて、ピアッツァはクレメンスとの対戦を得意としており、1999年6月6日に2点本塁打→同年7月9日に3点本塁打→2000年6月9日に満塁本塁打、と3対戦試合連続で本塁打を放っていた[7]。すると2000年7月8日、4度目の対戦試合でクレメンスは、ピアッツァの第1打席に頭部死球をぶつけた。クレメンスは過去にも故意に死球を与えたことがあるため、今回の頭部死球も狙ってやった "ビーンボール" ではないか、という疑いが浮上した[8]。クレメンスは「必要に応じて内角を突くつもりではいたけど、頭にぶつかるのは望んでいなかった」と否定したが[9]、ピアッツァは「あいつに敬意があるなんてとてもじゃないが言えない」「あれは明らかにわざとだと思う。内角攻め、あるいは体にぶつけるくらいなら尊重もできるが」と怒りを露わにした[10]

今シリーズでメッツとヤンキースの対戦が決まると、ヤンキースはクレメンスを第2戦の先発投手にすると決めた。第2戦はヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアムで開催されるため、指名打者制度が採用され、クレメンスが打席に立つことはない。これに対し、メッツのターク・ウェンデルは「なんであいつはシェイ・スタジアムで投げないんだ? 報復死球が怖いのか?」と挑発した[11]

試合結果

要約
視点

2000年のワールドシリーズは10月21日に開幕し、途中に移動日を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

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日付試合ビジター球団(先攻)スコアホーム球団(後攻)開催球場
10月21日(土)第1戦ニューヨーク・メッツ3-4xニューヨーク・ヤンキースヤンキー・スタジアム
10月22日(日)第2戦ニューヨーク・メッツ5-6ニューヨーク・ヤンキース
10月23日(月)移動日
10月24日(火)第3戦ニューヨーク・ヤンキース2-4ニューヨーク・メッツシェイ・スタジアム
10月25日(水)第4戦ニューヨーク・ヤンキース3-2ニューヨーク・メッツ
10月26日(木)第5戦ニューヨーク・ヤンキース4-2ニューヨーク・メッツ
優勝:ニューヨーク・ヤンキース(4勝1敗 / 3年連続26度目)
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第1戦 10月21日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 R H E
ニューヨーク・メッツ 0 0 0 0 0 0 3 0 0 0 0 0 3 10 0
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 2 0 0 1 0 0 1x 4 12 0
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  1. 勝利マイク・スタントン(1勝)  
  2. 敗戦ターク・ウェンデル(1敗)  
  3. 審判
    [球審]エド・モンタギュー
    [塁審]一塁: チャーリー・レリフォード、二塁: ジェフ・ケロッグ、三塁: ティム・ウェルキー
    [外審]左翼: ティム・マクレランド、右翼: ジェリー・クロフォード
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時13分 試合時間: 4時間51分 観客: 5万5913人 気温: 68°F(20°C)
    詳細: Baseball-Reference.com

第2戦 10月22日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・メッツ 0 0 0 0 0 0 0 0 5 5 7 3
ニューヨーク・ヤンキース 2 1 0 0 1 0 1 1 X 6 12 1
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  1. 勝利ロジャー・クレメンス(1勝)  
  2. 敗戦マイク・ハンプトン(1敗)  
  3. 本塁打
    NYM:マイク・ピアッツァ1号2ラン、ジェイ・ペイトン1号3ラン
    NYY:スコット・ブロシアス1号ソロ
  4. 審判
    [球審]チャーリー・レリフォード
    [塁審]一塁: ジェフ・ケロッグ、二塁: ティム・ウェルキー、三塁: ティム・マクレランド
    [外審]左翼: ジェリー・クロフォード、右翼: エド・モンタギュー
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時5分 試合時間: 3時間30分 観客: 5万6059人 気温: 49°F(9.4°C)
    詳細: Baseball-Reference.com

第3戦 10月24日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 1 1 0 0 0 0 0 2 8 0
ニューヨーク・メッツ 0 1 0 0 0 1 0 2 X 4 9 0
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  1. 勝利ジョン・フランコ(1勝)  
  2. セーブアーマンド・ベニテス(1S)  
  3. 敗戦オーランド・ヘルナンデス(1敗)  
  4. 本塁打
    NYM:ロビン・ベンチュラ1号ソロ
  5. 審判
    [球審]ジェフ・ケロッグ
    [塁審]一塁: ティム・ウェルキー、二塁: ティム・マクレランド、三塁: ジェリー・クロフォード
    [外審]左翼: エド・モンタギュー、右翼: チャーリー・レリフォード
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時37分 試合時間: 3時間39分 観客: 5万5299人 気温: 62°F(16.7°C)
    詳細: Baseball-Reference.com

第4戦 10月25日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 1 1 1 0 0 0 0 0 0 3 8 0
ニューヨーク・メッツ 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 6 1
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  1. 勝利ジェフ・ネルソン(1勝)  
  2. セーブマリアノ・リベラ(1S)  
  3. 敗戦ボビー・ジョーンズ(1敗)  
  4. 本塁打
    NYY:デレク・ジーター1号ソロ
    NYM:マイク・ピアッツァ2号2ラン
  5. 審判
    [球審]ティム・ウェルキー
    [塁審]一塁: ティム・マクレランド、二塁: ジェリー・クロフォード、三塁: エド・モンタギュー
    [外審]左翼: チャーリー・レリフォード、右翼: ジェフ・ケロッグ
  6. 夜間試合 試合時間: 3時間20分 観客: 5万5290人 気温: 61°F(16.1°C)
    詳細: Baseball-Reference.com

第5戦 10月26日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 1 0 0 0 1 0 0 2 4 7 1
ニューヨーク・メッツ 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 8 1
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  1. 勝利マイク・スタントン(2勝)  
  2. セーブマリアノ・リベラ(2S)  
  3. 敗戦アル・ライター(1敗)  
  4. 本塁打
    NYY:バーニー・ウィリアムス1号ソロ、デレク・ジーター2号ソロ
  5. 審判
    [球審]ティム・マクレランド
    [塁審]一塁: ジェリー・クロフォード、二塁: エド・モンタギュー、三塁: チャーリー・レリフォード
    [外審]左翼: ジェフ・ケロッグ、右翼: ティム・ウェルキー
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時28分 試合時間: 3時間32分 観客: 5万5292人 気温: 61°F(16.1°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
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脚注

外部リンク

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