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『鬼子母の末裔』(きしものまつえい)は、森村誠一による短編推理小説、またそれを表題作とした短編小説集。またそれをもとにしたテレビドラマ。
本作は短編集『魚葬』(角川文庫、1985年刊)、上述の短編集『鬼子母の末裔』(光文社文庫、2011年刊)、短編集『盗まれた密室』(立風書房、1993年刊)に収録された。
短編集『鬼子母の末裔』は表題作をはじめ、「蜜葬」「禁じられた墓標」「高燥の墳墓」「神風の殉愛」「ラストファミリー」の6作品が収録されている。
亡き夫と始めたクリーニング店数店舗を経営する根本景子は、一人息子の根本圭一を育ててきたシングルマザーである。景子はかつて3人を殺しているが、警察には一度も捕まらなかった。1度目は太平洋戦争を中国大陸で迎え、日本に帰る船の上でデッキに一緒にいた子供を海に突き落とした。2度目は圭一の1歳年上で近所のガキ大将の源太に石を落として殺した。3度目は酒と女にハマり、自分と圭一に暴力を振るうようになった夫の首を絞め、道路に放置し車に轢かせた。大人になった圭一は尾形佳枝と結婚し、1年ほどは3人で生活してたが、佳枝の希望で別居することになった。嫁姑関係がギクシャクし、佳枝に殺意を抱くようになる。ある日、圭一と佳枝が夫婦喧嘩をし、圭一がついうっかり佳枝を殴ると、佳枝は打ち所が悪くて気を失ってしまい、圭一は愛人の家に逃げてしまう。その後、家にやってきた景子は、佳枝がだらしなく寝てるからちょうどよいと思い絞殺するが、その時使った凶器は索条痕が残らない材質でできたもので、3度目の殺人・夫の殺害に使ったものだった。圭一は警察に出頭して、「佳枝を殴って死なせた時は気が動転していて前後のことを覚えていない」と言う。景子は自分が首を絞めて死なせたことを話すが、それは息子を庇ってのことだと警察は解釈して相手にせず、結局圭一が自分の罪を背負うことになる。そんな景子は、無傷で生き残った自分こそ鬼子母の末裔だと思うようになる。
1985年9月20日、フジテレビ「金曜女のドラマスペシャル」にて放送。
2003年9月10日、テレビ東京「女と愛とミステリー」にて放送。
2019年11月3日、テレビ朝日「日曜プライム」にて放送。終着駅シリーズ35作目。
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