高橋葉介
日本の漫画家 (1956-) ウィキペディアから
日本の漫画家 (1956-) ウィキペディアから
高橋 葉介(たかはし ようすけ、1956年(昭和31年)3月15日[3] - )は、日本の漫画家[3]、漫画原作者。本名は高橋 庸介[3]。代表作に怪奇幻想マンガ『夢幻紳士』シリーズや学園ホラーマンガ『学校怪談』や『もののけ草紙』などがある[2]。
母の実家のある長野県で出生し、幼少期は東京都青梅市で育ち、建築業の父とともに、武蔵野市武蔵境、豊島区池袋、神奈川県相模原市に移る。小学生の頃からマンガを描き始め[4]、高校時代から集英社や小学館に投稿を始める[5]。
駒澤大学時代に水野流転が主宰する同人誌『楽書館』に参加[5]、秋田書店の『少年チャンピオン』編集部にストーリー漫画を書いて持ち込んだが、担当編集者の綿引勝美が辞めたため[6]、朝日ソノラマに『無題』『ここに愛の手を』を持ち込み、担当編集者の原田利康に認められ、1977年大学4年の時に『マンガ少年』8月号掲載の「
デビュー当時は毛筆とGペンを併用した特徴的な線と絵柄で知られ、『マンガ少年』に連載中はそのスタイルを通していた[3]が、『マンガ少年』休刊後は意識的に作風を変えていった[8]。1980年前後には漫画界のニューウェーブの旗手と目され[9]、従来の少年漫画や少女漫画の影響を受けつつ、それらのいずれとも異なる独特な表現で漫画ファンの注目を集めた[要出典]。
作品は、基本的に猟奇要素の強い幻想怪奇漫画が多いが、「明朗怪奇」(吾妻ひでお[3])とも言われ、シニカルなブラックジョーク、コメディ、冒険活劇など多岐にわたる。独特なグロテスク描写について米澤嘉博は、「筆、あるいはGペンのタッチの強弱を強調した独自のスタイルは、ぬめぬめとした光沢をもちながらもドライ」なことで生理的嫌悪感を生まず、「リアルさ、あるいは世界の中のリアリティを求めて動いてきたマンガとは逆のベクトルを持つ高橋のマンガは、あくまで絵を基調とした異世界として、形状の面白さを求めていく。」と評している[10]。藤田和日郎も、高橋作品に強い影響を受けたと語っている[11]。
『マンガ少年』休刊後は、後継誌『Duo』に初のラブコメ『真琴♥グッドバイ』を連載。筑紫女学園大学非常勤講師の竹内美帆は「高橋マンガ独特の線描を特徴づける筆ではなく、サインペンを主線に使用し、人物や背景も描き込みが少なくポップで明るい雰囲気を印章づけている」と解説している[12]。1983年からは『夢幻紳士』冒険活劇編を連載。次いで『メディウム』誌で1984年から『夢幻紳士』怪奇編、『ネムキ』で1992年から『夢幻外伝』を掲載、この作品はライフワーク的位置付けとなる[要出典]。
荒俣宏『帝都物語』映画化の第2弾『帝都大戦』公開の1989年にマンガ版『帝都物語』を書き下ろし。1995年からは「学校の怪談」ブームを背景に『週刊少年チャンピオン』で『学校怪談』を2000年まで連載。この登場人物達も夢幻一族の子孫という設定になっている。
2006年、近藤豪志の作画による『私は
2005年、怪奇篇の流れを汲む『夢幻紳士』幻想篇を『ミステリマガジン』に連載し、幻想篇のカバー用にカラーを描く時からパステル調の淡いタッチの絵柄を使い始めた[13]。2007年に逢魔篇のスピンオフとなる『もののけ草紙』を『ホラーM』に連載。以降は早川書房とぶんか社での執筆が多くなっている。
2021年7月、『夢幻紳士』40周年を記念して、高橋初の画集『にぎやかな悪夢』を刊行[14]。その刊行と高橋のデビュー45周年を記念して、東京にあるリベストギャラリー創にて原画展が開催された[14][1]。2022年2月から福岡県にて、その巡回展が行われる[1]。同年8月、その凱旋展として行われた「デビュー45周年 高橋葉介原画展 〜『にぎやかな悪夢』(河出書房新社)出版記念〜」では、伊藤潤二とコラボレートし、作品が描きおろされている[15]。
各巻の収録作品については高橋葉介ウヱブサイトの高橋葉介著作リスト[16][17]を参照。書誌情報に関しては穴沢 編 2021, pp. 331–366, 367–373を参照。
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