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日本の実業家 (1933-)。株式会社ローヤル(現 イエローハット)の創業者、NPO法人「日本を美しくする会」の創唱者 ウィキペディアから
鍵山 秀三郎(かぎやま ひでさぶろう、1933年8月18日 - )は、株式会社ローヤル(現 イエローハット)の創業者。創業以来続けている「掃除」運動が内外に広がった。NPO法人「日本を美しくする会」(「日本を美しくする会・掃除に学ぶ会」)の創唱者で相談役でもある[1][2]。
1953年(昭和28年)に自動車業界に入る。当時の自動車業界は、職場や社員なども含め業界全体が粗野な面があり、鍵山が就職した自動車部品販売店でも一般ユーザーの来店などは期待できない状態であった。鍵山は就職した職場でこうした環境を変える必要を感じ、トイレ掃除を始める。このため当初は、社内ハラスメントにもあったが、職場や店舗が清潔になったことで客層がよくなり、ディック・ミネ、森繁久彌などの有名人も来店するほどとなる。同時に従業員のモラルも向上した。当時の自動車用品業界は降雪期にはタイヤチェーンの価格を10倍、20倍にするなどの不透明な販売方法が主流であったが、鍵山はそうした体質に疑問を感じ、 1961年に独立すると、イエローハットの前身であるローヤルを始める[1][3]。
高度成長期の当時は人手不足が深刻で、自動車業界の就業者には、渡り鳥的な荒らくれ者が多かった。鍵山はそうした社員の心を穏やかにする目的で、自ら態度で示す方法としてトイレ掃除を取り入れた。平日の掃除は業務時間外の深夜か早朝になるため、夜中に泥棒と間違えられ警察に踏み込まれる経験をしたり、日曜には家族4人総出で洗車を行ったりした。それでも簡単に社員の意識が変わったわけではなく、むしろ社員からはあてつけがましいと批判されることもあり、自発的に社員が手伝うようになるのは10年以上を要した。12年が経ったころにようやく社員が自発的に掃除や洗車を始めるようになる。その後、掃除に参加する社員が少しずつ増えていく。さらに10年後には、ほとんどの社員が早朝から洗車をしたり、会社と近隣の道路の清掃を始め、周囲からも評判がよくなる[1][3]。
この経験から鍵山は「凡事徹底」を提唱し始め「物を整理し掃除することは頭を掃除することでもあり、ムダや汚れに気づくようになる」との考えを抱くにいたる。社員の掃除活動はその後、社外にまで広がりを見せ、会社から半径2.5㎞の道路、公園のごみ拾いに始まり、10種類以上に及ぶ資源ごみに細かく分類する作業にまで及んだ。さらに、ごみ専用倉庫の建設、企業収益の一部を社会へ還元する動きにまで発展させる。1991年(平成3年)には、鍵山とその賛同者35名による「日本を美しくする会」が発足。掃除実践隊である「掃除に学ぶ会」はその後、全国122か所のほか、中国、台湾、ブラジル、ニューヨークなど海外にまで広がり、マスメディアの取材も盛んになる[1]。
鍵山がトイレ掃除をする際には必ず素手で行うが、鍵山によれば、その理由は素手が最も合理的に便器を磨き上げられためである[4]。どろどろの汚水も一度触ってしまえばうそのように躊躇は消えるという。広島では暴走族の若者に「なんだ、勇気ないな」と呟いたところ、負けず嫌いの彼らが競って茶色く汚れた便器を掴み、ピカピカになるまで磨きだしたというエピソードを残す。ホテル宿泊時にも洗面用具一式は持参し、備品は使わず私生活でもリサイクルを実践し、ごみの排出を抑え、ボールペンは替え芯を使い1本のみであるという[1]。
掃除はイエローハットの社風に大きな影響を与えた。鍵山は、会社には職務規定や就業規定があっても、それらをしっかり読む社員などいない。社員は職務規定に従って仕事をするのではなく、社風に従って仕事をするのであって、社風が向上すれば自然と行動もよくなり、それが顧客への信頼につながると考えている。事実、イエローハットでは設立15年目くらいから客の認知度は向上し、評価されるとともに社員が自信を持ち発展の基盤が固まったとされる[3]。
2014年(平成26年)10月1日、日本会議の主導の下、憲法改正を目指す団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の設立総会が永田町の憲政記念館で開かれた[5][6]。鍵山は日本会議副会長の田中恆清らとともに代表発起人に名を連ねた[7]。
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