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日本の山形県鶴岡市にある博物館 ウィキペディアから
致道博物館(ちどうはくぶつかん)は、山形県鶴岡市にある山形県の登録博物館である。名称は旧庄内藩の藩校「致道館」に由来し、同藩校で使用されていた文物や用具に加え庄内地方の民俗資料が収蔵・展示されている。運営は公益財団法人致道博物館。また近隣の歴史的建造物も敷地内に移設保存している。
致道博物館 | |
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旧鶴岡警察署庁舎(重要文化財)
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施設情報 | |
館長 | 酒井忠久 |
管理運営 | 公益財団法人致道博物館 |
所在地 |
〒997-0036 山形県鶴岡市家中新町10-18 |
位置 | 北緯38度43分42.05秒 東経139度49分16.6秒 |
アクセス | JR鶴岡駅よりバスで約10分 |
外部リンク | 公式サイト |
プロジェクト:GLAM |
本記事では関連施設である松ヶ岡開墾場についても後述する。
博物館のある鶴岡市中心部一帯は旧庄内藩の藩庁が置かれた鶴ヶ岡城の域内にあたり、旧藩主家当主酒井忠良が土地建物を所有していた。1950年(昭和25年)、酒井から土地建物及び文化財等を寄付され財団法人以文会が設立された。その後、1952年(昭和27年)に財団法人以文会立致道博物館、1957年(昭和32年)に財団法人致道博物館と改称、2012年(平成24年)度から公益財団法人に移行、公益法人改革を機に松ケ岡の開墾記念館、農具館も運営、2013年(平成25年)度からは藩校致道館の管理(指定管理)をおこなう。
当地は鶴ヶ岡城三の丸跡地であり、かつては藩主の御用屋敷があった。現在は、御隠殿と呼ばれる藩主の隠居所の一部と酒井氏庭園に加え、広大な敷地を利用して旧西田川郡役所、旧鶴岡警察署庁舎、旧渋谷家住宅が移築され、さらに収蔵庫・民具の蔵がそれぞれ独立して配置されている。庄内藩校致道館の資料、書院造の庭園、民具など、重要有形民俗文化財8種5,350点を収蔵・展示している。
御隠殿(ごいんでん)は1863年(文久3年)に庄内藩江戸柳原および下谷の御殿を解体・移築したもので、致仕・帰郷した九代藩主酒井忠発が隠居所とした。現在は玄関と奥の座敷(関雎堂)が残り、関雎堂からは酒井氏庭園(後述)を望むことができる。致道館の文物や酒井氏ゆかりの文化財(庄内竿など)を展示。関雎堂から続く茶室・三餘室(さんよしつ)は、後述する松ヶ岡開墾にあたった菅実秀(臥牛と号す)の庵。
棟梁・高橋兼吉と石井竹次郎の設計になる木造二階・両翼一階建、二階屋根上に時計台を有する建造物。1881年(明治14年)竣工、1972年(昭和47年)に当地へ移築。国の重要文化財に指定。明治天皇の東北巡幸の際に宿舎となった。
高橋兼吉の設計になる木造二階・入母屋造の建造物。1884年(明治17年)竣工、1957年(昭和32年)に当地へ移築。2009年(平成21年)に国の重要文化財に指定。2013年(平成25年)から2017年(平成29年)にかけて解体修復工事がおこなわれた。
鶴岡市田麦俣の多層民家を移築したもので、一重三階寄棟造茅葺き。1822年(文政5年)に建てられ、1965年(昭和40年)に当地へ移築。国の重要文化財に指定。寄棟造の建物に蚕室を設けるため、妻の部分の屋根を切り上げた独特の形状(かぶと造)を成す。茅葺屋根の防虫を目的とした火焚き(囲炉裏に火を入れ、煙で燻す作業)が毎年1月から3月頃までの期間で行われている(開始日・終了日はその年によって異なる)。
松ヶ岡開墾場(まつがおかかいこんじょう)は、明治初期に旧庄内藩士多数が参加して開墾した松ヶ岡開墾地(明治新政府の生糸立国という殖産興業政策に応じる形で月山麓の原生林を切りひらいて始められた開拓地[1])の中心施設で、当時建設された大蚕室10棟のうち5棟が現存する。現在の鶴岡市羽黒町松ヶ岡にある。
1870年(明治3年)、戊辰戦争後、明治政府による藩兵解体・秩禄処分への流れが強まる中、養蚕業による藩士救済を企図した酒田県権大参事・菅実秀(すげ さねひで、1830年(天保元年) - 1903年(明治36年))、戊辰戦争時の庄内藩中老)の指導の下で旧藩士およそ3,000人が参加して1872年(明治5年)から月山山麓の開墾が行われた。1874年(明治7年)までに300ヘクタール以上の桑園が造成され、旧西田川郡役所や旧鶴岡警察署等の建設にあたったのと同じ高橋兼吉の手により大規模桑園に見合う養蚕施設として大蚕室10棟が1877年(明治10年)までに建設され、松ヶ岡開墾場となった。開墾場の運営は地縁団体松ケ岡開墾場、農事組合法人松ヶ岡農場は地区内に約55ヘクタールの農地を所有して農場経営を継続している。
1989年(平成元年)に国の史跡に指定。1993年(平成5年)、明治初期に建築された大蚕室10棟のうち5棟が現存、うち4棟が一般公開されている。公益財団法人致道博物館は松ケ岡開墾記念館、庄内農具館、米づくり用具収蔵庫を運営している。
2016年(平成28年)2月、鶴岡市が致道博物館と松岡物産および開拓者の子孫らで組織する地縁団体らから老朽化が進み、維持管理が困難な状態にある松ヶ岡開墾場の施設等を買い取って保全する方針を明らかとした。市は買取によって文化庁の日本遺産への認定を前提として修復整備を進め、地域振興策であるシルクタウン・プロジェクトの中核施設として活用していきたいとしている[2][3]。
以下、主要な建築物とその概要。特に呼称がある場合は括弧内に示す。
山形県鶴岡市家中新町10-18
山形県鶴岡市羽黒町大字松ヶ岡字松ヶ岡29
鶴岡ICから車で約30分、庄内あさひICから車で約20分
庄内空港とJR鶴岡駅との間を約30分で結ぶリムジンバスが出ている。
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