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『福澤全集』(ふくざわぜんしゅう)は福澤諭吉の作品の全集。4種類の『福澤全集』が発行されている[1]。
また、福澤諭吉の主な選集としては以下の3種類が発行されている[1]。
1898年(明治31年)に発行されたもの。福澤諭吉自身によって編纂された。全5巻。時事新報社刊。第1巻の最初に主要な作品を解説した『福澤全集緒言』を収録し、それ以後は年代順に作品を配列している。なお、『日本婦人論』は『時事新報』に掲載された後、単行本化されなかったが、明治版全集の第5巻に収録された[注釈 1]。全集発行前後に発表された作品(『福翁百話』、『福翁自伝』、『修業立志編』など)は含まれていない。国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる[3]。
1925年(大正14年)から1926年(大正15年)に発行されたもの。石河幹明によって編纂された。全10巻。国民図書刊。第1巻から第6巻の途中までを明治版と同じ構成で収録、さらに明治版に収録されなかった作品(主に『実業論』より後に発行された作品)を収録した。さらに、第8巻から第10巻に『時事新報』掲載の社説や漫言などを「時事論集」として収録した。なお、『旧藩情』は『時事新報』に掲載された後、単行本化されなかったが、大正版全集の第6巻に収録された。また、『国会論』は1879年(明治12年)に『郵便報知新聞』紙上に藤田茂吉・箕浦勝人の名義で掲載されて単行本化されたもので、明治版全集の発行時には福澤が執筆したものとは公表されていなかったため、明治版全集には収録されず、大正版全集の第8巻に「時事論集」の一つとして初めて収録された[注釈 2]。国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる[13]。
1933年(昭和8年)から1934年(昭和9年)に発行されたもの。石河幹明によって編纂された。全7巻。岩波書店刊。大正版から洩れていた「時事論集」と書翰集、諸文集からなる。そのため、大正版と重複する作品は収録されていない。国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる[24]。
初版は1958年(昭和33年)から1964年(昭和39年)に、富田正文と土橋俊一によって編纂され、岩波書店で全21巻が発行された。
再版は1969年(昭和44年)から1971年(昭和46年)にかけ、初版以降に発見された文章をまとめた別巻1冊が加わり、全22巻が発行。大正版と昭和版を合わせ、さらに洩れていた作品(第2巻収録の『兵士懐中便覧』、第3巻収録の『日本地図草紙』など)が集成された。なお『国会論』は、大正版全集では「時事論集」の一部として収録されたが、現行版全集では第5巻に独立した形で収録された。その結果、現行版全集の第8巻から第16巻を占める「時事論集」収録の論説は全て『時事新報』に掲載されたもののみになったため、「時事論集」は「時事新報論集」に改名された。
第16巻には、福澤諭吉が1901年(明治34年)2月3日に亡くなってから後に掲載された社説が6篇収録されている。これらは『時事新報』主筆の石河幹明が執筆したものである[56]。
1951年(昭和26年)-1952年(昭和27年)に発行されたもの。福澤諭吉著作編纂会によって編纂された。全8巻、岩波書店刊。旧字旧仮名。テキストは明治版『福澤全集』に作品が収録されている場合は明治版『福澤全集』収録の作品を底本として使用し、それ以外の場合は各作品の初版本および初出掲載紙、自筆草稿等を底本とした。
1980年(昭和55年)-1981年(昭和56年)に発行されたもの。富田正文と土橋俊一によって編纂された。全14巻、岩波書店刊。本文は新字旧仮名、振り仮名は新仮名。テキストは現行版『福澤諭吉全集』(再版)を底本としている[57]。
2002年(平成14年)-2003年(平成15年)に発行された選集。全12巻、慶應義塾大学出版会刊。新字新仮名。テキストは明治版『福澤全集』に作品が収録されている場合は明治版『福澤全集』収録の作品を底本として使用し、それ以外の場合は各作品の初版本および初出掲載紙、自筆草稿等を底本とした。ただし、『福澤全集緒言』は明治版『福澤全集』第1巻に収録された「緒言」ではなく単行本(初版)を底本とした。底本に題名がない場合や編集者により題名が変更された場合は〔〕に題名を入れて表示している。全巻を予約すると特製CD-ROM「福澤諭吉資料館」が特典として進呈された。※は2009年に選書普及版「コンパクト版で読む福澤諭吉の本」が刊行した。
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