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『番頭はんと丁稚どん』(ばんとうはんとでっちどん)は、1959年3月9日から1961年4月まで毎日放送にて毎週月曜19時30分より30分枠にて放映されていたコメディドラマ、またこれを元にした映画作品。毎日放送テレビの開局(1959年3月1日)から間もない頃に始まったテレビ番組の一つである。
便秘薬「七ふく」で知られる七ふく製薬[2]の一社提供番組[3]。
脚本家・花登筐はフランク永井のショーで全編に番頭と丁稚を登場させる喜劇作品を上演し、これが好評だったことから「番頭と丁稚」が登場する公開収録方式のテレビ番組を思いついた。収録は難波にあった東宝系の「南街会館」にて行われた。番組が公開番組となった背景には、当時の毎日放送にはテレビスタジオが2つしかなく、スタジオ不足で番組収録がままならない状況という事情もあったという[4]。キャストでは当初「小番頭」役には佐々十郎がキャスティングされていたが、『やりくりアパート』で確立した明朗なイメージと人気が「いびり役・悪役」である番頭役で覆る事を怖れ、番組開始早々に降板している。その後、小番頭役には芦屋雁之助が抜擢され、その後の人気の足掛かりとなっている。
オープニングでは幕が閉まったままの状態で、一松・崑松・小松の3丁稚が登場、「おいでやす」とご挨拶をした後、鶴田浩二のヒット曲『好きだった』の替え歌であるテーマソングを歌ってから始めた。
開局したばかり(1959年3月1日開局)の毎日放送にて放映されるとすぐに評判となり、大阪地区では最高視聴率82%(60%や62.3%[5]という説もある)という「お化け番組」となった。
関東地区においても日本教育テレビ(NETテレビ。現在のテレビ朝日)にて1959年6月から1961年3月(一部資料では1960年4月とも)にて放映されている。
その後、花登が専属契約を結んでいた東宝との間で、『やりくりアパート』にレギュラー出演していた子役・中山千夏を東京の舞台公演[6]へ出演させたい、とする東宝側の要請を花登が固辞したことから関係が悪化[7]。結局、話し合いの末、本作品の東宝での制作を打ち切ることとなり、花登は松竹の支援で「劇団・笑いの王国」を結成、主要キャストは花登に同調し、1960年4月からは松竹製作で番組は継続された。ただし、南街会館は使用できなくなったため、梅田の松竹系映画館が収録場所となった。また茶川一郎が東宝に残留し降板したことから、穴埋めに芦屋雁平を「昇格」させたが、その演技力は茶川には遠く及ばず、番組自体も次第に低迷し始め、1961年4月18日に終了となった。
翌週の1961年4月25日からは「新・番頭はんと丁稚どん」というタイトルで新シリーズが放映されている。舞台をレストランに替え、現代的なアレンジが加味され、レギュラー陣にはトニー谷が新加入したが、人気を盛り返すことなく、12月で打ち切りとなっている。
その後、1972年4月 - 12月には、舞台を薬問屋から呉服屋に替え、旧作で丁稚・崑松を演じた大村崑(演出も担当)を番頭役に、当時売り出し中だったレツゴー三匹を丁稚役に配したリメイク版「新・番頭はんと丁稚どん」(MBS系列・NET系列、MBS・松竹芸能制作)が、水曜19:30 - 20:00に放送された。
大阪・船場(道修町)にある薬問屋「毎宝堂」を舞台に、丁稚奉公に励む3人の丁稚と彼らの「親」ともいうべき番頭、そして彼らを取り巻く人々が引き起こす悲喜交々をコミカルに描く人情喜劇である。
ほか
テレビでの人気と1960年4月から製作元が松竹に変わった事を受け、松竹配給で映画シリーズが制作された。基本的にストーリーその他はテレビ版を踏襲するが、薬問屋の名前は後期版の「七ふく堂」(テレビ版前期の「毎宝堂」は「毎日」と「東宝」が由来のため)となっている。ただ、レギュラー陣にとっては、舞台と映画の双方で拘束される事となり「地獄の日々」だった、という。
なおこれ以前にも、1959年12月26日に東宝系で公開の「サザエさんの脱線奥様」(宝塚映画作品。原作:長谷川町子、監督:青柳信雄、主演:江利チエミ)に、崑・小雁・茶川・雁之助が同役でゲスト出演している。
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