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死者の魂を弔って灯籠やお盆の供え物を海や川に流す行事 ウィキペディアから
灯籠流し(とうろうながし, Water lantern)は、死者の魂を弔って灯籠(灯篭)を海や川に流す行事。とうろう流しや灯篭流しとも表記する。
灯籠流しは一説には中国で始まったと言われており、アジアの国々を中心に行われている行事である[1]。中国の華南地方には「放活燈」と呼ばれる風習があり、東南アジアには「放水燈」と呼ばれる風習がある[2]。
中国の華南地方には中元(中元節)に「放活燈」と呼ばれる風習があった[2]。
中元節には祖霊を迎えて供養を行い、再び祖霊を送り出す(送亡という)[2]。この送亡の後に色紙で「蓮華燈」と呼ばれるものを作って、夜には灯をともして路傍に置いたり水面に浮かべる行事が「放活燈」である[2]。
このような風習は雲南省だけでなく浙江省でもみられた[2]。杭州では中元節だけでなく観音大士の誕生日とされる6月19日の前夜にも行われ、西湖では蓮華燈を湖面に浮かべる灯籠流しが行われた[2]。
日本においては、一般的にはお盆の行事送り火の一種であり、夏祭りや花火大会などと合同で行われることが多い。しかしながら「お盆」時期についての解釈が地方によって異なることや、特別の追悼行事として行う場合もあり、日本全国で一斉に行われるわけではない。また、灯籠流しを行わない地域も多い。雛祭りの原型とされる流し雛の行事との類似性が指摘される。
広島や長崎のように戦死者の霊を弔う為に第二次世界大戦後に灯籠流しを始めた地域も多かったが、1970年代に入ると海や川の汚染が問題になり、灯籠をそのまま流すことを中止する地域も現れた。1972年には琵琶湖で中止になったほか、1973年には静岡市の巴川で中止となった[3]。自治体が放流を禁じている例もあり、その場合は川の下流などで灯籠を回収したり、河川敷や海岸に集め回収することになる。しかし費用の問題から狭い範囲で実施することで回収を容易にしたり、回収せずにそのまま流したりする例もある。
2018年6月1日夜に、石川県金沢市の金沢百万石まつりの一環で行われた灯籠流しで、約1200個の灯籠を川に流したところ、密集した灯篭に火が燃え広がり、約600個の灯篭が燃える事態が発生した。消防によって10分後に消し止められ、けが人はいなかったという[4]。
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