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大鳴門橋桁下部にある遊歩道 ウィキペディアから
渦の道(うずのみち)は、鳴門海峡に架かる大鳴門橋の橋桁下部に設置された、延長約450mの遊歩道および展望台である。2000年(平成12年)4月22日に開業した。徳島県を代表する観光地のひとつであり、展望台から鳴門の渦潮を間近に見下ろすことができる。四国八十八景1番「海上45mより見下ろす迫力の渦潮」に選定されている。
徳島県立の観光施設であり、鳴門公園の一部である。関西から四国への経路上にあることもあり、年間の入場者数は約60万人にも上る(2007年度で59万7,660人[1])。
大毛島の北端、大鳴門橋の徳島県側アンカレイジの上部が入場口となっており、そこから橋桁下層部分に約450mの遊歩道が伸びており、ちょうど渦潮の発生する場所の真上まで行くことが出来る。遊歩道の終端は展望台になっており、渦潮を直上から見下ろせる。海面からの高さは約45m。
展望台からは南東(太平洋)と北西(瀬戸内海)が見渡せるほか、床の一部がガラス張りになっており渦潮を真上から観察できる。遊歩道の床も数ヶ所ガラス張りになっている。強風が吊り橋の構造に悪影響を与えないようにするため[2][3]外部との仕切りはほとんどが金属の網となっており、風がそのまま施設内に入ってくる。遊歩道には休憩所やトイレが設置されている。
「渦の道」は大鳴門橋の途中で途切れているため、これを使って大鳴門橋を渡り切って兵庫県の淡路島へ行くことはできない。大鳴門橋自体も自動車専用道路であるため、鳴門海峡を徒歩・自転車・原付で渡ることは2021年現在不可能である(航路も存在しない)。淡路交通が鳴門海峡を渡る路線バスを運行しているが、本数は1日6本程度と少ない。現在、桁下空間に渦の道を残した形で淡路島へ渡ることのできる自転車歩行者専用道路「大鳴門橋自転車道」を整備する計画が進んでおり、2023年度に事業化[4]2024年7月22日に起工式が行われた[5]。2027年度の完成を目指している。
明石海峡と鳴門海峡に架橋し、淡路島を経由して本州と四国を鉄道で直結する構想は古くから存在しており、1953年には鉄道敷設法別表に架橋区間が追加されている。この構想は「本四淡路線」と呼ばれていた。一方、1969年に制定された新全国総合開発計画(新全総)には「逐次、計画、実施すべき事業の構想」として「本州、四国および九州を連絡する新幹線鉄道の建設」がうたわれ、このルートに新幹線を通す計画が浮上した。その後、1972年に就任した田中角栄首相の日本列島改造論の反映もあり、1973年に四国新幹線(大阪市〜徳島市〜高松市〜松山市〜大分市)の基本計画が決定され、大鳴門橋における鉄道空間の設置が計画に盛り込まれた。そのため大鳴門橋は、下層部に標準軌・複線の鉄道線路が敷設できる空間が確保され、また列車の荷重に耐えられる構造で建設された[7]。そして日本初の二層構造の鉄道道路併用橋(ただし鉄道は未開通)として1985年6月8日に開通した。
ところが、大鳴門橋開通から僅か80日後の1985年8月27日に、明石海峡大橋を道路単独橋として建設することが決定され、結局、明石海峡大橋は鉄道空間を設けることなく1998年に開通した。このため、二つの海峡を橋を経由して鉄道で本州と四国を連絡するという構想は実現不可能となった。加えて、四国新幹線の建設は整備新幹線よりも優先度の低い基本計画線でもあるため、大鳴門橋の鉄道空間は当面使われる見込みがない空間と化した。そこで2000年4月、その鉄道用の空間を活用して開業したのが、渦の道施設である。
明石海峡大橋に代えて、明石海峡や紀淡海峡にトンネルを掘削して淡路島経由で四国まで新幹線を通す構想も提唱されているが、いずれも建設には至っていない。
下記はいずれも2024年2月現在のものである。
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