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1977年に公開された日本の映画 ウィキペディアから
『江戸川乱歩の陰獣』(えどがわらんぽのいんじゅう)は、1977年公開の日本映画。
1976年に公開された横溝正史原作、角川春樹事務所製作、東宝配給による『犬神家の一族』の大ヒットで、出版界、映画界に興ったミステリ・ブームにより[1][2]、松竹が横溝に対抗して江戸川乱歩に着目して製作した便乗映画[1][3]。
時代劇や任侠映画の巨匠として知られる加藤泰監督であるが[4]、1970年当時、東映ポルノを推進していた岡田茂東映製作本部長の企画で、岡田から「"ピンク映画ができるまで"をやらんか」といわれ[5]、「おもしろいですね」と製作意欲を見せており、これは製作されなかったが、潜在的にはセックス表現を描く映画に興味を持っていた[5]。
蓮實重彦は称賛したが[6]、興行は失敗に終わった[1][7]。
中井英夫は「万事現代風に安直な出来でがっかりさせられた」と酷評しており、同文で、試写で同席した横溝正史も、作家がホテルに缶詰めになるなどということは戦前には絶対になかったと漏らしていたと書いている[8]。
ただし、その横溝は毎日新聞には好意的な一文を寄せた、原作が広く読まれていることから、監督は結末の意外性より、そこへ至るまでの男と女の心理的葛藤に重点を置き替え、そこにひとつの恐怖を演出してみせたという意味で、この映画は十分成功していると書いている[9]。松竹発行のプログラムにも寄稿を依頼されていた事情も考えられるが、ドラマ核心部分に絞った賛辞となっている。
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