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日本の静岡県富士市の地名 ウィキペディアから
比奈(ひな)は、静岡県富士市の大字。丁番を持たない単独町名である。住居表示は実施されていない[4]。郵便番号は417-0847[2]。東部ブロック・吉永地区に属する[5]。
富士市東部に位置し、南北に長い町域を有する。北部は山野部であり、南部の平地には製紙工場が蝟集している。
古くは富士郡比奈村であった。この地名については、古代の姫名郷の遺称地名であるとみられている。地名を示す古い資料として、慶長14年(1609年)の『富士之郡下方比奈村寺領御縄打水帳』(玉泉寺文書)が残されている[6]。
市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[8]。
町丁 | 町内会 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|---|
比奈 | 中比奈町1・2・3、西比奈町1・2・3 | 富士市立吉永第一小学校 | 富士市立吉原第三中学校 |
上記を除く町内会 | 富士市立吉原東中学校 |
富士地区(富士宮市・富士市)にはかぐや姫説話が伝わっており[9]、比奈はその由緒地とされている[10]。
現在も「籠畑」「赫夜姫」という小字や「見返坂」という坂が地域内に存在するほか、吉原第三中学校東側の竹藪の中に「竹採塚」と呼ばれる塚が存在する[11]。
「竹採塚」は大正年間に編纂された『吉永村誌』に「苔結ンデ其ノ頗ル古代碑タルヲ知ル」と記されており、ここが竹取翁や姫のいたところと伝えられている[12]。塚の周辺は近年「竹採公園」として整備され、毎年中秋の名月の頃に「姫名の里まつり」が開催されている[13]。
比奈の竹藪がかぐや姫の生れたところと伝えられてきた理由として、郷土史家の鈴木富男は、「倭明抄」にこの付近を「姫名郷」としていること、「古今為家抄」「古今和歌集序聞書」に「欽明天皇御宇駿河国の浅間の郡に竹取翁といふ老人あり」と記していることなどが大きな原因ではないかとしている[11]。
比奈には田植え女性「お菊」にまつわる「お菊田」の伝承があり、主に民俗学の分野で取り上げられてきた[14]。初見は山中共古『吉居雑話』であり[15]、内容は以下の通りである[注釈 1]。
富士郡須津村比奈には「お菊田」と呼ばれる1町6反の田がある。その昔、その田の地主に強欲な者がおり、お菊という田植え女性にその広大な面積の田植えを1日で終えるよう命じた。するとお菊は過労のあまり死んでしまった。以後、その田を耕すと不幸があり、現在でも恐れられているという。
このような田植えの日に女性が死するという伝承が各地に存在し[16]、民俗学者である柳田國男や中山太郎が比奈のお菊田の伝承を取り上げている[17][18][19][注釈 2]。
現在はこの伝承から派生ないし改変された話が、当地では紹介されている[注釈 3]。富士市立昭和幼稚園の片隅に「お菊塚」があり、毎年6月上旬に「お菊まつり」が行われている。
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