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日本の映画作品 ウィキペディアから
『武士の献立』(ぶしのこんだて)は、2013年12月14日に公開された日本映画。監督は朝原雄三。松竹・北國新聞共同製作。北國新聞創刊120周年作品。
上戸彩が『あずみ2 Death or Love』以来8年ぶりに映画主演を務めた[2]。
キャッチコピーは「家族の歴史は、毎日の献立とともにあった――」。
2010年に公開された『武士の家計簿』に続き、江戸時代の加賀藩に仕えた武士をユニークな切り口で描いた時代劇。実在の包丁侍、舟木伝内と安信親子とその家族を描いたヒューマンドラマである。脚本の柏田道夫は『武士の家計簿』の脚本も手がけている。
「包丁侍」とは、剣術ではなく料理で将軍家や大名家に仕える武士を揶揄する呼び名である。武士としては足軽に近い低い身分であるが、大名家の人々の健康を守るとともに、対外的には「饗応料理」をつくり藩の威信を示すなど重要な働きをする。舟木伝内は四條流の「幕府台所人」に師事し、1707年(宝永4年)より加賀藩の「御料理人」となり活躍、『ちから草』『料理無言抄(安信との共著)』他優れたレシピ集を著した人物である。舟木家は以来明治に至るまで7代にわたり加賀藩御料理人を務めた。
時は加賀騒動の前後。加賀藩6代藩主・前田吉徳の側室・お貞の方に仕える女中の春は、江戸屋敷で出会った加賀藩台所方・舟木伝内から、彼の息子・安信の嫁にと望まれる。春は一度は断ったが、伝内の熱意に心を打たれ、お貞の方からの助言もあり舟木家への嫁入りを決意する。
兄の急死で跡取りとなった安信は、料理の腕はからっきし駄目であり、御料理人の務めにも身が入らなかった。親戚を招いての試食会で出した料理を身内からも批判される姿を目の当たりにした春は、汁物の味付けをこっそり替えて出す。その行為に立腹した安信であったが、「包丁侍なぞつまらぬ」との暴言に怒った春から「離婚か料理指導か」を賭けた料理勝負を挑まれ敗北、改めて彼女の実力を知る。春のスパルタ料理指導の甲斐あって、安信は徐々に腕も上達し出世していく。安信の昇進を家族はもちろん、親友の今井定之進・佐代夫妻も喜ぶが、春は姑・満との会話から、かつて安信と佐代が恋仲だったことを知ってしまう。
1年後、安信は定之進の推挙で改革派の集まりに参加し、改革派の中心人物である大槻伝蔵と出会う。しかし藩主吉徳が急死、保守派の重臣・前田土佐守直躬らの讒言もあって大槻は失脚する。定之進をはじめとする改革派の面々は改易となるものの下士の身分であった安信には何の咎めもない。時を経て、藩主・前田重煕の暗殺未遂事件が発生する。出家していたお貞の方が首謀者とされて幽閉されたことを知った春は動揺を隠せず、安信の助力を得てお貞の方と再会したが、大槻が自害した後にお貞の方も後を追うことになる。
その後、藩主重煕の国許入りを祝って徳川家や近隣の大名を集めて饗応料理を振舞うことになり、伝内が頭取、安信が頭取補佐を勤めることになる。大槻らを追い込んだ土佐守の指示ということに納得いかない安信は、定之進に誘われ土佐守の暗殺計画に加わろうとする。安信から事情を聞いた春は一瞬の隙をついて安信の刀を奪って逃走し、安信が暗殺に加わることを阻止し、定之進ら残党は全員討たれた。その夜に帰宅した春を手討ちにしようとした安信だったが、春と母の思いを知り断念。挙句に父が倒れ、代わりに春と二人で能登へ食材探しの旅に出る。道中春への思いを新たにする安信だったが、春はある決意を固めていた。
饗応当日、安信は台所方の中心となって料理を振舞い、加賀騒動で地に落ちた加賀藩の面目を保つ。その頃、春は「自分の役目は終わった。舟木家にもっとふさわしい嫁を」と舟木家を去る。役目を終えて帰宅した安信は、春が失踪したことを知らされて藩内を探し回り、能登の海女が集まる店で働いていた彼女に再会し、ようやく二人は分かり合うことが出来たのだった。
公開に先立ち、日本映画としては初めてスペイン第61回サン・セバスティアン国際映画祭キュリナリー・シネマ部門(料理映画部門)に正式招待され、2013年9月25日(現地時間)にワールド・プレミアが行われた[4]。また、同年10月には、第26回東京国際映画祭で本作のジャパンプレミアが開催された[5]。
石川県内では、全国に先駆けて12月7日から6映画館で封切られ、舞台挨拶も行われた。日本での全国公開は261スクリーンで開始され、初週の全国映画動員ランキング(興行通信社調べ)では7位、土日2日間の成績は動員7万1,494人、興収7,982万5,800円を記録している[6]。
2014年9月12日から14日にかけてハリウッドで開催される映画祭「LA EigaFest 2014」で公式上映された[7]。
「舞台版『武士の献立』」のタイトルで2024年11月9日から17日に草月ホールで上演予定[9]。
キャスト名は「醤油版 / 味噌版」で記載する。
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