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ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(University of London The School of Oriental and African Studies、通称: SOAS[2]〈ソアス〉)は、ロンドン市中心部ラッセル・スクウェアに本部を持つロンドン大学に所属する名門大学の1つ。
モットー | Knowledge is Power |
---|---|
種別 | 公立 |
設立年 | 1916年 |
学長 | Baroness Valerie Amos |
学部生 | 2,344[1] |
大学院生 | 4,144[1] |
所在地 |
Thornhaugh Street Russell Square WC1H 0XG |
キャンパス | 都市 |
公式サイト | http://www.soas.ac.uk |
英国で唯一の地域研究に特化した教育・研究機関である。ロンドン大学を構成する他の教育・研究機関同様、個別の大学として扱われる場合が多い。長らくロンドン大学連合に共通の学位を授与してきたが、2016-17年度の百周年を機に以前から保持していた独自の学位を授与する権利を行使するようになった。SOASはイギリスの大学連合1994グループに加盟していたが、同グループは2013年に解体した。
歴史的にSOASは大英帝国の植民地に派遣する行政官を育成するという役割を担っていた。そのため現在でもSOASは、 アジア、アフリカおよび中近東の地域を研究対象とする世界最高[3]の教育・研究機関となっている。また、SOASは研究対象の地域から多数の留学生や研究者を受け入れており、結果として100以上の国と地域から留学生が集まり、正規課程の学生40%以上が留学生という国際色豊かな大学[4]としても知られている。 SOASはその歴史的背景と国際性の豊かさから、後述するアウンサンスーチーを始め、多くの政府機関の元首、国際機関の要人、NGO関係者を輩出している。
QS World University Rankings by Subject 2023によると、SOASは世界の開発学において2位、人類学において12位、政治学と国際学において17位にランクインしている。また、地理学、古典・古代史、歴史学、神学・神学・宗教学、言語学、英語・英文学、社会学、現代言語学等の分野においても上位100位にランクインしている。
SOASは2009年現在、2つのキャンパスをロンドン市内に構えている。 メインキャンパスがあるラッセル・スクウェア (Russell Square) キャンパスと キングス・クロス駅にほど近いヴァーノン・スクウェア (Vernon Square)キャンパスである。
ラッセル・スクウェア・キャンパスはロンドンの文教地区とでも言うべき ブルームスベリー地区にあり、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンやロンドン大学本部 (Senate House)などのロンドン大学関連施設、大英博物館や大英図書館などの文化施設が至近距離に点在している。ラッセル・スクウェア・キャンパス内にもSOAS付属のブルネイ・ギャラリーがあり、様々な展示会が行われている。
ラッセル・スクウェア・キャンパスにはSir Denys Lasdun設計で1973年にオープンした図書館があり、アジア・中近東・アフリカ関連の書籍を中心に、120万冊以上の蔵書数[5]を誇っている。
ヴァーノン・スクウェア・キャンパスはイズリントン地区 (Islington)に 2001年にオープンしたキャンパスで、ペントンビル・ロード (Pentonville Road)にあるSOASの2つの学生寮からすぐ近くにある。ヴァーノン・スクウェア・キャンパス周辺では昨年のユーロスターのセント・パンクラス駅の乗り入れを契機とした大規模な再開発が進行中[6]である。
2016/17年度からヴァーノン・スクエア・キャンパスを閉鎖し、Senate Houseの北棟を利用開始した。これによってSOASの全ての施設はラッセル・スクウェア・キャンパスに集結することとなった。
SOASは三つの学部 (Faculty)で構成されている。学部には数個の学科 (Department)が所属している。 またSOASには学部所属または学際的な研究所が40以上存在し、そのうち幾つかは学科とほぼ同様の役割を担っている。
SOASは国立・私立問わず多くの日本の大学と交流協定を結んでおり、多くの日本人学生がSOASのキャンパスで学んでいる。特に東京外国語大学および上智大学とは関係が深く、前者のロンドン事務所がSOASの施設内に、また後者においてはデュアル・ディグリーマスタープログラム協定が締結されており、双方に1年間ずつ在籍することによって、SOAS・上智それぞれの機関から学位が授与される[7][8]。
以下、SOASと交流協定を結んでいる日本の大学である[9]。
正規課程の日本人学生や日本の大学からの留学生に加え、SOASにはIFCELS (International Foundation Courses and English Language Studies)があり、 ここではイギリスの大学の学部課程への入学資格取得を希望する高卒者やイギリスの大学院に進学予定者など多数の日本人が在籍している。
日本はSOASの研究対象である。 そのためSOASでは社会科学系の学部で日本の政治・経済の研究を行っている他、日本の言語・文化を研究する学部を擁している。 さらに日本を研究するための専門研究所The Japan Research Centre (JRC)[10]があり、40名以上の研究者が日本学研究に従事している。 また日本の芸術および文化研究のための研究所Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures[11]もある。その他、語学に関する生涯学習を担う言語センター(Language Centre)では、一般向けに日本語のクラスが提供されている。
なお、第32代駐日英国大使であるデイビッド・ウォーレンもSOASの関係者である。 日本でのSOAS同窓会の名誉総裁は三笠宮崇仁親王であった。
SOASは'the School of Oriental and African Studies'の略称として知られており、以前にはSOAS, University of London(コンマあり)として表記されることが多かった。独自の学位を授与し始めた2016/2017年度にSOAS University of London(コンマなし)を正式名として採用したが、翌年には正式名ではなくは通名として使用するようになった。理由はOrientalが特にアメリカでは差別的な意味合いを持つこととされている。また、地元の人は従来からSOAS Universityと呼んでいた。
SOASは前述のようにイギリスでは類を見ない地域研究に特化した大学である。故に他の大学との比較は困難であるが、イギリス政府の公式調査および新聞社が提供する指標を見ると、イギリスに119校ある大学のなかで、また世界におけるSOASの位置づけが見えてくる。
QS世界大学ランキングは、タイムズ・ハイアー・エデュケーションと教育情報の専門会社Quacquarelli Symondsが2005年から毎年発表している世界大学ランキングである。なお、このランキングは2007年に大幅に査定方法が変更され、理系学部のないSOASのような大学には不利なランキングとなっていること、そもそも査定者がイギリスとアメリカの研究者や企業関係者に偏っていることに留意する必要がある。
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