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『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』(せいけんでんせつ ファイナルファンタジーがいでん)は、1991年6月28日にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)より発売されたゲームボーイ用ソフト。
『聖剣伝説』シリーズの第1作。「聖剣伝説1」、「聖剣1」、「FF外伝」などの通称や、後述の『新約 聖剣伝説』(2003年)との対比で「旧約聖剣(伝説)」などとも呼ばれる。販売本数約45万本。
この第1作目のみファイナルファンタジーシリーズ(以下、FFシリーズ)のシリーズ作品としてもリリースされた。これは、当初はFFシリーズとしての発売は考えていなかったが、途中からこのシリーズとして発売した方がゲーム問屋から発注本数と取扱店が増え、FFシリーズのファンからの関心も獲得できるということが石井浩一とのインタビューで語られている[1]。チョコボや飛空艇等が登場し、魔法もケアル、ファイア、ブリザド、スリプルなどFFシリーズの魔法が使用できる。
ゲームシステムとしては見下ろし型画面、画面から別画面への移動方式となっており、パズル的要素などがある。なお、アメリカでは "Final Fantasy Adventure" 、ヨーロッパでは "Mystic Quest" の名で発売されていた。これはアメリカ、日本での『ミスティッククエスト』(1992年)とは別物である。主人公は剣闘士奴隷で、序盤から登場人物の死が描かれるなど物語はハードだが、ゲームを進めていくうちにおちゃらけ要素が登場する[2]。
伊藤賢治、石井浩一、北瀬佳範など、後のスクウェアの大作シリーズに関わるスタッフが参加している。開発当初は「テニスゲーム」として企画されていたという逸話がある。
2003年8月29日には大幅なリメイクを施した『新約 聖剣伝説』がゲームボーイアドバンスで発売され、2006年には携帯電話アプリとして原作をほぼそのままカラーリメイクした携帯電話アプリ版が発売され、2016年2月4日には原作をほぼそのまま3DでフルリメイクされたPlayStation Vita/iOS/Android版が発売された。なお、リメイク版の欧米でのタイトルはそれぞれ異なり、『新約』は "Sword of Mana" 、3Dリメイク版は "Adventures of Mana" に変更されている。
2017年6月1日にはNintendo Switch用ソフト『聖剣伝説コレクション』が発売され、ゲームボーイ版が『聖剣伝説2』『聖剣伝説3』と共に収録された(M2による移植)。「デフォルトモード」(モノクロ4階調)、「スーパーゲームボーイモード」(マイカラーの選択は任意に出来ない)、「GAMEBOYモード」(初代ゲームボーイの液晶画面の色味を再現した緑系4階調)の3種類に、それぞれ画面サイズ「大」「小」の計6種類のモードをボタン一つで切り替えられるほか[3]、サウンドモードも搭載。
武器での攻撃は武器ごとに固有の動作が設定されており、特定の設置物を破壊することもできる。ただし、剣のみ「斬り」と「突き」の2種類あり、必殺技も同様である。また、武器ごとに必殺技が設定されており、画面下部のゲージが満タンになったときに武器で攻撃すると通常とは違う動作を行う。ゲージの溜まるスピードは精神の数値によって決まり、数値が高いほど速く溜まる。
魔法での攻撃は攻撃魔法ごとに設定された動作を行う。中には近くの敵を自動追尾したり、十字キーの入力で方向を指示したりするものもある。
防具を装備することで防御力を高めたり特定の攻撃に強くなったりするのはRPGと同じである。盾を装備している時には、主人公が向いている方向から来た攻撃を無効化することができる。ただし、装備している盾によっては無効化できないものもある。
プレイ感覚は『ゼルダの伝説』に似ている、というムックの評価もある[4]。
レベルアップの際に戦士、モンク、魔道士、賢者の4つから選択することができ、パラメータの上がり方が変化する。
主人公は、グランス公国で奴隷剣士としてモンスターと戦う日々を過ごしていた。次々と仲間の奴隷戦士たちが戦いで倒れていく中で、主人公は隙を見てモンスターの出入り口から脱出する。
脱出には成功した主人公だったが、城の近くにある滝の見える崖の上でシャドウナイトとジュリアスの密談を偶然盗み聞きしてしまい、そこを見られて滝壷に落とされて気を失ってしまう。
目を覚ました主人公は見知らぬ土地をさまよい、モンスターに襲われている少女を助ける。彼女はボガードという男を探しているらしく、二人でボガードを探す。
こうして、主人公は大きな運命の波に飲まれていく。
担当声優は、アプリゲーム『聖剣伝説 ECHOES of MANA』での配役[5]。『新約 聖剣伝説』の設定についても記載する。
『新約 聖剣伝説』のみ登場。同じ聖剣伝説シリーズからのゲストだが、同一人物ではなく性格や立場が変更されている。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 新約 聖剣伝説 | 2003年8月29日 |
ゲームボーイアドバンス | ブラウニーブラウン | スクウェア・エニックス | ロムカセット | - | 大幅なリメイク版、後述 |
2 | 聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝- | 2006年8月16日 |
SoftBank 3G端末以降 | ウインズ スクリプトアーツ |
スクウェア・エニックス | ダウンロード (S!アプリ) |
- | カラーリメイク版 |
3 | 聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝- | 2006年11月6日 |
FOMA903i、703iシリーズ以降 | ウインズ スクリプトアーツ |
スクウェア・エニックス | ダウンロード (iアプリ) |
- | カラーリメイク版 S!アプリ版の再移植 |
4 | 聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝- | 2007年2月5日 |
WIN BREW対応端末 | ウインズ スクリプトアーツ |
スクウェア・エニックス | ダウンロード (EZアプリ) |
- | カラーリメイク版 S!アプリ版の再移植 |
5 | 聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝- | 2016年2月4日 |
PlayStation Vita iOS Android |
MCF | スクウェア・エニックス | ダウンロード | - | 3Dリメイク版 プロデューサー:小山田将 キャラクターデザイン:HACCAN |
6 | 聖剣伝説コレクション | 2017年6月1日 |
Nintendo Switch | M2 | スクウェア・エニックス | ゲームカード ダウンロード |
- | ゲームボーイからの移植版 『2』と『3』も収録 |
2006年8月16日に、携帯電話のSoftBank 3G端末用S!アプリとして本作のリメイク作品『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』が配信された。『新約 聖剣伝説』とは違い原作ゲームボーイ版からの変更点は少なく、当時のイメージを元に再現した移植になっているが、モノクロだった画面はフルカラーで作り直されている。
2006年8月30日には、SoftBank 3G 905SH用S!アプリも配信開始。2006年11月6日からはFOMA903i向けメガiアプリとしても登場した。2007年2月5日からはEZアプリとしても配信開始。EZアプリの対応端末は、WIN BREW対応端末。2011年3月3日をもって『聖剣伝説モバイル』のサイトサービスが終了したことに伴い、一時期配信停止していたが、その後2011年5月18日にiアプリ版とS!アプリ版が、翌日の19日にはEZアプリ版が『スクエニMOBILE』で配信再開した。それ以降は対応機種の更新は停止している。
なお、体験版と製品版で同じファイルを使用しており、起動毎に購入情報の認証を行う事で製品版として機能する。
キャラクターデザインはHACCANが担当し、絵柄はかなり異なるが下記の3Dリメイク版でも10年振りに再び担当している。
内容自体は原作GB版や携帯電話版をベースにしている[8]が、ひらがなを漢字にする、現在の倫理基準に合わせて語句を変えるといった変更があるほか、GB版では容量の問題などから省略された演出を再現している[9]。
これまでとは違いグラフィックは新たに3D化されている[8]。元々は2Dでの移植も検討されていたが、スマートフォンでのタッチ操作は3Dの方がやりやすいことや、『聖剣伝説4』や『聖剣伝説 RISE of MANA』でシリーズが3Dに移行していることから議論になり、『聖剣伝説2』や『聖剣伝説3』もリメイクするのなら3Dがいいのではないかという話になったという[8]。3Dグラフィックの『聖剣伝説 RISE of MANA』の素材も生かせ、『2』や『3』のリメイクを行いやすくなるだろうという狙いもあった[8]。
欧米版でのタイトルは『Adventures of Mana』と改題されており、『ファイナルファンタジー』シリーズ扱いではなくなっている。
GBA版『新約 聖剣伝説』の要素については、『聖剣伝説』と『新約』を別物と考えるユーザーが多いことから取り入れられていない[8]。ただし、一部のBGMには『新約』で追加された箇所が反映されている楽曲があったり、システムは異なるがリングコマンドが本作にも採用されているなど、共通する部分もある。
PlayStation 4版も予定されているが、細かい調整が必要なため後の発売になる[8]。
作中のBGMは伊藤賢治が担当。
1991年7月15日、オリジナル音源を収録した『オリジナル・サウンド・ヴァージョン』発売。同年9月30日、服部隆之によるオーケストラアレンジ盤『想いは調べにのせて』がともにNTT出版より発売。
1995年8月25日、上記2枚のCDをまとめた『サウンドコレクションズ』発売(2004年10月1日に再発売)。
2003年8月27日、デジキューブより『新約聖剣伝説 プレミアム・サウンドトラック』発売(2004年10月20日にスクウェア・エニックスより再発売)。
2016年3月30日、スクウェア・エニックスより3Dリメイク版の楽曲を収録した『オリジナル・サウンドトラック』発売。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.4 | 4.2 | 4.1 | 4.2 | 4.4 | 4.1 | 25.4 |
『新約 聖剣伝説』(しんやく せいけんでんせつ)は、2003年8月29日にスクウェア・エニックスより発売されたゲームボーイアドバンス用ソフト。欧米では任天堂より発売され、タイトルは 『Sword of Mana』となっている。
日本のスクウェア・エニックスからとしては初となるゲームボーイアドバンス専用ソフト(それ以前は合併前のスクウェア発売の『ファイナルファンタジータクティクスアドバンス』、およびエニックス発売の『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』)。
ゲームボーイ版の『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』を原作としてストーリーやキャラクターを作っているためリメイク版という位置付けになるが、ストーリーを始めとする様々な部分に変更が加えられているなどゲームボーイ版とは大幅に異なる点が多く、プロデューサーの石井浩一は「聖剣を大事に思ってくれたユーザーさんのために出すんですから、いまの自分たちで作れる精一杯のものを提示しないと失礼」と語っている[18]。
「FF外伝」を銘打っていた旧作とは異なり、作中の用語なども後期の聖剣シリーズのものに合わせられ、FFシリーズとの関連性はほとんど無くなった。本作のタイトルである「新約」を『旧約聖書』と『新約聖書』の関係になぞらえ、旧作が「旧約 聖剣伝説」と呼ばれることもある。
ゲームボーイ版の設定に加えて、ストーリー設定の追加とキャラクターの生い立ちなどに変更が加わっている。
主人公はヒーローとヒロインを選択する方式となっており、選択した主人公によって仲間となるキャラなどが異なる。ヒーローは原作同様に奴隷剣士となるが、グランス公国の大臣の息子という設定に変更されている。また、ヒロインが単純なNPCでなくなっていて、原作とはかけ離れた行動派として描かれている。しかし、性格が大幅に変わっているもののラストは原作通りのままとなっている。
他にも、ゲームボーイ版でストーリー上死亡するキャラが生存していることや追加で与えられている設定も数多くある。
インターフェース面では、『聖剣伝説2』以降のシステムであるリングコマンドを採用した。
戦闘システムでは必殺技ゲージをヒット数でカウントするタイプに変更した。また、シリーズでお馴染みとなっている精霊を登場させ、特定の魔法を作らず、武器ごとに異なる動きをするように変更した。また、ゲームボーイ版では自動で行動していたNPCを操ることができるようになっており、パーティ人数は主人公として選んだキャラを含めて最大二人までとなっている。
ステータスには武器・魔法(精霊)の種類に応じた熟練度レベルを追加。武器レベルの上昇は必殺技ゲージのたまりやすさに直結するようになった。魔法(精霊)レベルの上昇は、魔法攻撃の威力上昇などに直結するようになった。また、レベルアップの時には、5つの職業タイプおよびランダム上昇タイプから選択することになるように変更となった。選択によって、ステータスの上がり方が変わってくるのは同じであるが、タイプの選択の回数によって得ることができる称号を追加したりしている(称号の中には『3』に登場したクラス名も多く含まれている)。
新たな要素として、『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』からあった武器・防具を作成したり強化したりする工房、種を植えて果実を作る果樹園を追加。また、サボテン君のぼやきを聞くことができるサボテンハウスを追加。工房と果樹園はサボテンハウス内にある。
同社開発の『マジカルバケーション』から引き継がれたシステムとして、ゲームボーイアドバンス専用通信ケーブルを使用することで、他のカートリッジと通信(アミーゴシステム)を行うことができる。これにより、七賢者を用いた召喚魔法などができるようになった。
ゲームボーイ版と同じく、BGMは伊藤賢治が担当。ソニー・ミュージックエンタテインメントより2003年8月27日、『プレミアム・サウンドトラック』とタイトルされた3枚組のサウンドトラックが発売されている。Disc1にはゲームオリジナル音源・全40曲を、Disc2にはオリジナルBGMをピアノアレンジしたバージョンを、ボーナスCDとなるDisc3にもアレンジ・バージョンを収録。
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