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アメリカ合衆国の映画作品 (1951) ウィキペディアから
『探偵物語』(原題: Detective Story)は、ウィリアム・ワイラー監督、製作による1951年のアメリカ映画である。シドニー・キングスレーの同名の舞台を原作としている。
日本での邦題は「detective」を「探偵」と直訳したことによるものであるが、作品の内容を踏まえれば「刑事物語」と訳す方が適切であり、誤訳の一種と言える。
ニューヨーク21分署の刑事部屋を舞台に、様々な人間模様を描く。
ジム・マクラウド刑事(カーク・ダグラス)は犯罪を一切許さない非情な男である。担当する事件の捜査の過程で、彼は自分の新婚の妻メアリー(エリノア・パーカー)が、彼が憎んでいる容疑者、シュナイダー医師によって堕胎の手術を受けていた事実を知ることとなる。
心優しく、美しい妻を許したいと思いつつも、生来の厳格な性格から、心から許すことができないマクラウドは苦悩する。そのことを悟った妻は身を引くように、彼のもとを去ってゆく。
ブロディ刑事は会社の金を使い込んだ青年アーサーと話をし、海軍の事故で亡くなった自分の息子に似ている彼を、なんとか立ち直らせたいとの想いを抱く。その想いは面会に刑事部屋に来ていたアーサーの幼なじみのスーザンも同じだった。ブロディはアーサーを担当しているマクラウドに「公判請求を取り下げてもらえないか」と頼むが、厳格なマクラウドは受け入れない。
取調べが済み、拘留待ちの強盗犯チャーリーとルイスの二人組みは手錠をされて、椅子に座っていた。自暴自棄になったチャーリーは目の前を通った刑事の腰から拳銃を奪い、周囲の警官を下がらせ立てこもろうとする。しかし、その場にいたマクラウドはチャーリーの警告を無視し、彼に近づき腹に三発の銃弾を受ける。同時にチャーリーはその場で取り押さえられる。
救急車を呼ぼうとするが、マクラウドは死を覚悟し牧師を呼べと言う。死を目前にしてマクラウドはブロディにアーサーの調書を持ってくるように言う。マクラウドは目の前でそれを破らせる。そして、分署長に告訴は取り下げだと告げ、メアリーの名を呼び、神に救いを祈りながら息を引き取る。
ブロディ刑事はアーサーに二度と馬鹿なことをするな、と厳しく言い聞かせて彼を釈放する。アーサーとスーザンは手をとりあって21分署を去ってゆく。
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
---|---|---|---|
NHK版 | フジテレビ版 | ||
ジム | カーク・ダグラス | 草薙幸二郎 | 宮部昭夫 |
メアリー | エリノア・パーカー | 中西妙子 | 平井道子 |
ブロディ刑事 | ウィリアム・ベンディックス | 武内文平 | 塩見竜介 |
スーザン | キャシー・オドネル | 塚田恵美子 | |
カール | ジョージ・マクレディ | 高田竜二 | |
モナハン | ホレイス・マクマホン | 吉沢久嘉 | |
ミス・ハッチ | グラディス・ジョージ | ||
チャーリー | ジョセフ・ワイズマン | 山田康雄 | |
万引き犯 | リー・グラント | 島木綿子 | |
タミ・ジャコペッティ | ジェラルド・モーア | ||
ギャラガー | フランク・フェイレン | 清川元夢 | |
アーサー | クレイグ・ヒル | 野島昭生 | |
ルイス | マイケル・ストロング | ||
ジョー | ルイス・ヴァン・ロッテン | 島宇志夫 | |
ダーキス | バート・フリード | 藤本譲 | |
シムズ | ワーナー・アンダーソン | 北村弘一 | |
オブライエン | グランドン・ローデス | ||
キャラハン | ウィリアム・フィリップス | 藤本譲 | |
バーンズ | ラッセル・エヴァンズ | ||
不明 その他 | — | 立壁和也 上田敏也 仲木隆司 石森達幸 遠藤晴 宮下勝 | |
演出 | 春日正伸 | ||
翻訳 | 飯嶋永昭 | ||
調整 | 山田太平 | ||
制作 | 東北新社 | ||
賞・映画祭 | 部門 | 候補 | 結果 |
---|---|---|---|
アカデミー賞[3] | 主演女優賞 | エリノア・パーカー | ノミネート |
助演女優賞 | リー・グラント | ||
監督賞 | ウィリアム・ワイラー | ||
脚色賞 | フィリップ・ヨーダン、ロバート・ワイラー | ||
ゴールデングローブ賞[4] | 作品賞(ドラマ部門) | ノミネート | |
主演男優賞(ドラマ部門) | カーク・ダグラス | ||
助演女優賞 | リー・グラント | ||
英国アカデミー賞[5] | 総合作品賞 | ノミネート | |
カンヌ国際映画祭[6] | グランプリ | ウィリアム・ワイラー | ノミネート |
女優賞[7] | リー・グラント | 受賞 | |
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