押見修造
日本の漫画家 ウィキペディアから
概要
群馬県桐生市出身[5]。桐生市立南小学校、桐生市立南中学校、群馬県立桐生高等学校卒業[6]。早稲田大学第一文学部中退[6]。
大学在学中の2002年に『夢の花園』でちばてつや賞ヤング部門優秀新人賞受賞[1][7]。同年、コミック焦燥(太田出版)に掲載された「真夜中のパラノイアスター」でデビュー。2003年、別冊ヤングマガジンで『アバンギャルド夢子』の連載を開始[1]。
『漂流ネットカフェ』はテレビドラマ化され、『惡の華』はテレビアニメ化された。また2014年には『スイートプールサイド』、2018年には『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』が映画化されている[8]。
2017年より、『ビッグコミックスペリオール』にて『血の轍』を連載[9]。
来歴
要約
視点
生い立ち
幼稚園では隅で絵を描いているような内気な子供だったという。その頃はキャラクターの顔が非常に独特であり、両目の黒目を重ねることで、一つ目のように描いていたが、当時愛読していたガモウひろしの絵を見て、目は2つにしたほうが良いと思うようになった[10]。
その後、小学校ではギャグ漫画を描いていたが、小学3年生の時にロッテリアで、女性が階段を登っている所でパンツを目撃し、性の目覚めが訪れる。それが今の作風に影響されているという[10]。
中学1年生の時、父親にルドンの絵や萩原朔太郎の詩などを教えられ、『ドグラ・マグラ』や『ガロ』を愛読し[11]、音楽・本・詩などに没頭して漫画を描かなくなった。中学時代は、小学生の頃から片思いしている女の子がソフトボール部にいたことから、隣のテニス部に所属して監視していたという。その子とはお付き合いするようになったが、色々あって付き合いは失敗し、それ以来「自分は恋愛ができない人間」だという劣等感を持つようになる[10]。
中学2年生の頃より吃音を患っており、この事から後に、吃音を題材とした作品『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』や、吃音を持つ主人公の『血の轍』などを発表している[12]。押見は、前者の単行本あとがきに、吃音が故に普段より人の表情や仕草から感情を読み取る能力が発達し、これが漫画の登場人物の表情を描く時に生かせているのかも知れないといい、また、吃音のせいで言いたいことが言えなかったという心に封じ込められていた物事を、漫画という形で爆発させることができた、自身が吃音でなければ漫画家にはなれなかったかも知れないなる旨を記している[12]。
漫画家として
大学に入学して、山本直樹の『フラグメンツ』を見て、再び漫画を描き始める[13]。その後、自伝漫画[14][15]によれば、20歳くらいの頃に講談社週刊ヤングマガジン編集部に持ち込み、2人の編集者に「ひどいが、おもしろい」といった評価を受ける。その作品は同誌の月間賞奨励賞を受賞し、賞金5万円を得た。
その後、同誌で「ちんこ」を見たがる女子高生の漫画『アバンギャルド夢子』や、サキュバスが風俗経営をして精を搾り取ったあげく世界滅亡する漫画『デビルエクスタシー』などを連載する。押見はこのような漫画をよく載せてもらえたものだと述懐している。
2008年9月より、「漂流ネットカフェ」を連載開始し、後にテレビドラマ化される。2009年から連載開始された「惡の華」は、テレビアニメ化・実写映画化などヒット作となり、この頃より押見の名と作品が広く知られるようになる。[独自研究?]
続いて、2011年から短期連載された『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』、2012年から長期連載された『ぼくは麻理のなか』も実写ドラマ化されるなど、メディアミックスを連発する作家として著名である。[独自研究?]
人物
漫画家デビューして22歳で結婚し、大学中退している[10]。
作品リスト
連載
- アバンギャルド夢子(『別冊ヤングマガジン』2003年44号 - 49号、講談社、全1巻)
- スイートプールサイド(『週刊ヤングマガジン』2004年→『別冊少年マガジン』2011年5月号 - 2011年8月号再掲載、全1巻)
- デビルエクスタシー(『週刊ヤングマガジン』2005年31号 - 2006年18号→『別冊ヤングマガジン』2006年15号 - 17号、全4巻)
- ユウタイノヴァ(『週刊ヤングマガジン』2007年28号 - 2008年19号、全2巻)
- 漂流ネットカフェ(『漫画アクション』2008年18号 - 2011年8号、双葉社、全7巻)
- 惡の華(『別冊少年マガジン』2009年10月号〈創刊号〉 - 2014年6月号、講談社、全11巻)
- 志乃ちゃんは自分の名前が言えない(『ぽこぽこ』2011年12月21日 - 2012年10月17日、太田出版、全1巻)
- ぼくは麻理のなか(『漫画アクション』2012年6号 - 2016年18号、全9巻)
- ハピネス(『別冊少年マガジン』2015年3月号 - 2019年4月号、全10巻)
- 血の轍(『ビッグコミックスペリオール』2017年6号[9] - 2023年19号[17]、全17巻)
- おかえりアリス(『別冊少年マガジン』2020年5月号 - 2023年9月号、全40話、全7巻)
- ちーちゃん(原案協力:内藤瑛亮・「毒娘」製作委員会、『週刊ヤングマガジン』2024年7号[18] - 2024年15号[19])
- 瞬きの音(『ビッグコミックスペリオール』2025年1号[20] - )
読み切り
- 真夜中のパラノイアスター(『コミック焦燥』2002年) - 単体で電子書籍として発売されている[21]。
- スーパーフライ(『別冊ヤングマガジン』2003年41号) - 単行本『アバンギャルド夢子』に収録。
- 超常眼球 沢田[注 1](『別冊ヤングマガジン』2003年12月25日号) - 単行本『スイートプールサイド』に収録。
- ワルツ(『フィール・ヤング』2017年2月号、祥伝社) - 単体で電子書籍として発売されている[22]。
- 日下部さん(『webアクション』2020年3月25日)[23] - 単体で電子書籍として発売されている[24]。
- りり(『週刊ヤングマガジン』2021年31号[25])
- 罪悪読切シリーズ[26]
イラスト
画集
- ファムファタル 押見修造画集(2017年9月11日、双葉社)[32]
その他
出演
- 浦沢直樹の漫勉 neo(NHK Eテレ 2021年6月23日) - 『血の轍』および『おかえりアリス』の製作過程を収録した画像を見ながら浦沢と対談。
脚注
外部リンク
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