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弁論、ディベートを活動内容としたサークル ウィキペディアから
弁論部(べんろんぶ)は、弁論、ディベートを活動内容とした大学、高等学校、中学校のサークル。本項では主に大学弁論部に関して解説する。
弁論部の名称には、学校ごとに独自性があり、弁論部、雄弁会、辞達学会、雄弁部、講演部、言道部など様々である。
マスコミ研究、政治研究、文化的研究発表などの活動をする新設の団体が雄弁会を呼称する例もある。また法政大学の志雄会のように弁論部・雄弁会を連想させる名称の団体もあるが、これらは次項で解説する弁論部とは異なる活動をしている。
弁論・ディベートは、古代ギリシア・ローマ以来、欧米では民主主義の素養をなす重要な教育手段と考えられており、日本では、明治維新以後の自由民権運動とともに発達し、関東を中心とした各教育機関において、相次いで弁論部が設立された。この中には、塾祖・福澤諭吉の1874年6月27日に「三田演説会」を発会させたことに遡るをはじめ、1876年創設の慶應義塾大学辯論部(協議社以後は慶應義塾内に弁論団体が複数存在した)、1885年創設の法政大学弁論部、1889年創設の第一高等学校・東京大学弁論部、1901年創設の中央大学辞達学会、1902年創設の早稲田大学雄弁会などのように、100年以上の伝統を持つ大学弁論部もある。
ちなみに、これら弁論部の演説原稿が散逸するのを防ぐため、当時東京帝国大学首席書記であった野間清治は、1909年に大日本雄辯會を設立し、翌年には弁論雑誌である「雄辯」を出版した。この大日本雄辯會は、後に日本最大の出版社「講談社」となる。
弁論部は、1960年代頃までは、ほとんどの有名大学に存在する有力な学生サークルであった。多くの著名人を輩出し、とりわけ政治分野では、一勢力を築いた早稲田大学雄弁会に見られるように政治家を多く輩出した。当時の弁論部は、ひとつのサークルというよりは、サークル集合体ともいえるものであり、政治・経済・法律・歴史・思想・哲学・マスコミなど、現在では独立したサークルとして存在する各種の研究会が組織に組み込まれていた例もあった。そのため大学によっては弁論部の構成員は100名を越えていた例も珍しくなかった。
1960年後半の学園紛争の影響で多くの弁論部が消滅した。ただし、消滅した弁論部の一部にはその後に再興された例もある。1990年代後半から現在にかけては、平成以降の世相や学生の志向性の変質、さらにはサークル集合体であった弁論部から各種研究会が独立していくなどの傾向により、弁論部の人口は減少していった。また2001年以降には後述する全関東学生雄弁連盟の停会も影響し、現在までに多くの弁論部が廃部や休部することとなった。
現在、従前通りの活動を行うサークルがある反面、活動の内容をディベートに特化したサークルや、弁論大会などの活動から撤退して、ジャーナリズム研究や学術研究に方向性を変質するサークルもある。その活動の変化にともない団体の名称を弁論部からディベートや学術系のサークルの名称に変更する例もある。その一方で、そのため活動内容の中心が旧来の弁論部とは異なるサークルもあるが、各種の都合上、名称を変更しない例もある。
2015年現在、「弁論部」などの名称で活動しているサークルは概ね以下の通り。ただし、このほかにも現在活動中のサークルは存在すると思われる。その反面で大学のホームページなどの記載が存在しても、事情により休部の場合もある。なお休部の場合は、大学の登録上では組織が存続しているため、有志により復活する例もある。
2015年現在活動が確認されている大学弁論部
2015年現在活動確認されていないが登録上存在している弁論部
2015年現在異なる活動をしている大学弁論部
2015年現在活動実態が不明な大学弁論部
※参照:各大学ホームページ、各団体ホームページなど。
高等学校や中学校にも部活動の一つとして弁論部はある。
高等学校の弁論部と大学の弁論部の弁論大会での発表のあり方は大きく異なる。大学の弁論部では、社会提言型で論旨を重視するのに対して、高等学校の弁論部では、主張やその動機・発表技術を重視する傾向がある。この傾向の差異は、弁論大会そのものの目的の差として現れていて、高等学校と大学の勉学の目的と方法の差によるものといわれる。これらは大学弁論部と高等学校弁論部との相互連絡・人材交流の隔たりの一因となっている。
現在、高等学校や中学校の弁論部はその部活動の数や構成員の数の両面で減少傾向にある。その一方、全国高等学校文化連盟(高文連)の各都道府県の高等学校文化連盟によっては、弁論の専門部会の活動が盛んな地域もある。また、校内行事として弁論大会を主催している高等学校もある。高等学校や中学校の関係者の一部でこれらの弁論大会が熱心に行われている理由として、進学の際の推薦入試への影響を指摘する声もある。また、高等学校の弁論大会に弁論部の存在しない学校の生徒が出場する例がある。それは高等学校型の弁論教育に熱心な公立校の教諭が定期的に人事異動することによって実現しているものと思われる。
近年、高等学校で弁論部や雄弁会を呼称する部活が新設される傾向がある。しかしそれは、ディベートに特化したものや時事問題の研究会である例が多い。
2009年現在活動している高等学校の弁論部(一部)
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