Loading AI tools
ウィキペディアから
平成19年台風第9号(へいせい19ねんたいふうだい9ごう、アジア名:フィートウ〔Fitow、命名国:ミクロネシア、意味:花の名前〕)は、2007年9月に首都圏を直撃し、東日本を縦断した台風である。
8月29日9時に南鳥島の南東海上で発生した台風9号は、9月4日に小笠原諸島の北海上を西進した後に、6日には伊豆諸島の西海上を北上した。台風は7日0時前に、強い勢力で静岡県伊豆半島南部に上陸。最盛期の勢力は中心気圧965hPaだったが、この最盛期に近い勢力で上陸した。その後神奈川県西部を通過すると、次第に勢力を弱めながら関東地方から東北地方を縦断し、8日1時前に北海道の函館市付近に、3時半頃に北海道胆振支庁西部にそれぞれ再上陸した。台風は同日9時に、石狩湾付近の海上で温帯低気圧に変わった[1]。
この台風は、1949年のキティ台風と発生時期・発生海域・上陸地点・進路などが類似していたという指摘もある[2]。また、この台風の特徴として、 東経140度の本土にかなり近い地点で最盛期勢力に発達し、上陸直前まで勢力がほとんど衰えなかったことや、上陸後も台風としての形を大きく崩すことなく北上したこと、自転車並みの遅い進行速度で本土に接近したため、台風の影響を受けた地域は長時間暴風雨にさらされたことや、関東・中日本に接近する台風は、通常ならば首都圏を通らずに東方に去るものが少なくないものの、この台風は首都圏をまっすぐ北上し、東日本を縦断したことなどが挙げられる。
この台風の影響で、関東甲信地方から北海道にかけての各地と東海地方、北陸地方の一部で大雨となった。降り始めからの総雨量は、関東甲信地方と東海地方の一部で600mmを超え、東京都や埼玉県、群馬県などでは9月の月間平均雨量の2倍を超える記録的な大雨になった。24時間雨量は7日に静岡県伊豆市湯ヶ島で627mmに達するなど、東海地方の一部と関東甲信地方の各地では観測史上最大となった。また、東海地方から北海道の各地で暴風が吹き、台風の通過した小笠原諸島や伊豆諸島から北海道の太平洋側では波の高さが6mを超え、大しけとなった[1]。
この台風により、関東甲信地方で死者1名、行方不明者2名となり、大雨となった各地で住家損壊、土砂災害、浸水害等が相次いだ。また、農業・林業・水産業被害や鉄道の運休、航空機・フェリーの欠航等による交通障害も発生した。
首都圏の公共交通機関では9月6日夕刻と7日朝のラッシュ時を中心に影響が出た。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.