福岡県久留米市に生まれ、福岡市で育つ。旧制第八高等学校卒業後、1935年、東京帝国大学英文科卒業[1]、大学院に進む。1937年、助手に採用される。1940年、旧制新潟高等学校教授、東大教授斎藤勇の女婿となる。1948年、東大英文科助教授を経て教授、1969年から1971年まで文学部学部長、1972年定年退官後は武蔵大学教授。日本英文学会会長を務めた。東京大学名誉教授。日本学士院会員。
ジョン・ミルトン、T・S・エリオットなど英文学の正統的研究者として、小泉八雲、夏目金之助、斎藤勇に継いで東大英文科講座を担った。
高橋康也、丸谷才一、宮崎雄行、冨山太佳夫、山内久明など、数多くの優秀な教え子を輩出した。
1977年に篠田一士・高松雄一らによる『ルネサンスの文学と思想 平井正穂教授還暦記念論文集』(筑摩書房)が刊行された。
- 『ルネサンスの人間像』新月社, 1948年
- 『John Milton』研究社出版, 1958年 (新英米文学評伝叢書)
- 『イギリス文学試論集』研究社出版, 1965年
- 『イギリス文学史 人間像の展開』筑摩書房, 1968年、筑摩叢書, 1980年
- 『ミルトンとその時代』研究社出版, 1974年
- 『イギリス文学ノート 思索と体験』八潮出版社, 1982年
- 『イギリス文学論集』研究社出版, 1998年
- 『イギリス文学史』海老池俊治と共著、明治書院, 1980年
- 編『エリオット 20世紀英米文学案内』研究社出版[2], 1967年
翻訳
- トマス・モア『ユートピア』新月社, 1948年/岩波文庫, 1958年、改版2011年、ワイド版1994年
- ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー/ペスト』筑摩書房〈世界文学大系 デフォー[3] スウィフト〉, 1959年、新版(筑摩世界文学大系), 1974年
- ジョージ・ギッシング『ヘンリ・ライクロフトの私記』岩波文庫, 1961年、ワイド版1991年
- オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの画像』筑摩書房〈世界文学大系 近代小説集〉, 1964年、新版「筑摩世界文学大系 名作集」, 1975年
- シェイクスピア『夏の夜の夢』『尺には尺を』- 筑摩書房(世界古典文学全集), 1964年。別版「全集」筑摩書房
- ウィリアム・ゴールディング『蝿の王』集英社(世界文学全集), 1965年、新版1973年ほか。のち新潮文庫、集英社文庫(各・改版)
- スティーヴンソン『新アラビアンナイト』[5]集英社(世界文学全集), 1970年。復刻「スティーヴンソン作品集」文泉堂, 1999年
- シェイクスピア『ロミオとジューリエット』集英社(世界文学全集), 1973年、新版1979年/岩波文庫, 1988年
- クリストファー・マーロウ『フォースタス博士の悲劇』-「筑摩世界文学大系18 古典劇集」筑摩書房, 1975年
- チャールズ・ラム『エリア随筆』八潮出版社, 1978年/グーテンベルク21・電子出版, 2013年。抜粋訳
- ジョン・ミルトン『失楽園』筑摩書房, 1979年/岩波文庫(上下), 1981年/講談社(世界文学全集), 1986年
- ジョナサン・スウィフト『ガリヴァー旅行記』岩波文庫, 1980年、岩波クラシックス, 1982年、ワイド版1993年
- 『イギリス名詩選』岩波文庫, 1990年、ワイド版1991年、岩波書店, 1997年。編訳
“平井正穂”. 新潮社. 2023年11月2日閲覧。 エリオットは「全集」中央公論社、「筑摩世界文学大系」などに翻訳がある。
「ロビンソン・クルーソー」は、集英社と筑摩書房(世界文学全集)にも収録。スウィフトは、中野好夫訳「ガリヴァー旅行記」 別版に、中央公論社(デフォー 世界の文学)1971年、新版1994年。他は平野敬一訳「ロビンソン・クルーソー」