小さな恋のメロディ

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小さな恋のメロディ』(ちいさなこいのメロディ、原題: Melody, または S.W.A.L.K )は1971年イギリスロマンティック・コメディ映画。後にハリウッドで監督として成功したアラン・パーカーの脚本である。少年少女の恋を瑞々しく描く。

概要 小さな恋のメロディ, 監督 ...
小さな恋のメロディ
Melody
監督 ワリス・フセイン
脚本 アラン・パーカー
製作 デヴィッド・パットナム
デヴィッド・ヘミングス
出演者 ジャック・ワイルド
マーク・レスター
トレイシー・ハイド
音楽 リチャード・ヒューソン
ビージーズ
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング
撮影 ピーター・サシツキー
編集 ジョン・ヴィクター・スミス
配給 ブリティッシュ・ライオン・フィルム
ヘラルド
公開 1971年4月21日
1971年6月26日
上映時間 106分
製作国 イギリス
言語 英語
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イギリスとアメリカではヒットしなかったが、同年に公開された日本アルゼンチンチリなどラテンアメリカ諸国では大ヒットした。

原題「メロディ」はヒロインの名前でもある。

題名

"Melody" の名で製作されたが、恋愛物としては不十分であるとして "S.W.A.L.K." (Sealed with A Loving Kiss)に変更される。イギリスの児童の慣用的表現として「愛情の証のキスで封印された告白のメッセージ」の意。「アメリカ合衆国では"S.W.A.L.K."は普及していない」として"Melody" に戻されてから公開されている。

スタッフ

プロダクション・ノート

Thumb
The Marine Society (MSSC), 202 Lambeth Rd. (ロケ地の一つ、ランベス・ロードにある海事・海軍士候生協会及び海事協会学校)
  • 本作が初めて書いた脚本であったアラン・パーカーは、第2班の監督もしており、休憩時間や運動会のシーンなどは彼が撮影したものである。
  • 1952年生まれのジャック・ワイルドは、撮影時は既に17歳であった。
  • トロッコに乗り彼方へと去るラストシーンでは、マーク・レスターは他の映画の撮影スケジュールの都合のため参加できずコーネリアスという少年が代役を務めている[1]
  • このトロッコは重くて子供2人だけでは漕ぐ事が出来ず、撮影では事前にスタッフに押してもらってから漕いでいる[2]
  • 主なロケ地は、ハマースミスランベス界隈。レコーディングトゥイッケナム撮影所。

音楽

サウンドトラック

ビー・ジーズの歌が全編を流れ、とりわけテーマ曲「メロディ・フェア」を含むサウンドトラック盤は日本で大ヒットした。サウンドトラックがCD化されているのは日本、香港、アルゼンチンのみであり、ブラジルでは映画本編のDVDとセットのみでCD化されている[3]

  • メロディー(サウンドトラック)英語版

出演

さらに見る 登場人物, 俳優 ...
登場人物 俳優 日本語吹替
テレビ朝日LDソフト版
ダニエル・ラティマーマーク・レスター内海敏彦菊池英博ラヴェルヌ知輝
メロディ・パーキンストレイシー・ハイド杉田かおる冨永みーな佐々木りお
トム・オーンショージャック・ワイルド永久勲雄ラヴェルヌ拓海
ミセス・ラティマー

(ダニエルの母)

シェイラ・スティーフェル英語版富田恵子加藤みどり小林優子
校長先生ジェームズ・コシンズ英語版川久保潔大木民夫
ディックス先生ケン・ジョーンズ英語版穂積隆信多田野曜平
ミセス・パーキンス

(メロディの母)

ケイト・ウィリアムス英語版瀬能礼子喜多道枝槇原千夏
ミスター・パーキンス

(メロディの父)

ロイ・キニア滝口順平山田浩貴
メロディの祖母ヒルダ・バリー麻生美代子
チェンバースコリン・バリー
バージェスビリー・フランクス坂本雄太
ステイシーアシュリー・ナイト英語版
ダッズクレイグ・マリオット岩田光央雨澤祐貴
オリアリーウィリアム・ヴァンデルパイエ英語版神谷亮
フェンチャムピーター・ウォルトン
ミュリエルカミーユ・デイビス矢尾幸子
モリーンドーン・ホープ
ペギーケイス・キナー
ローダレスリー・ローチ花園愛美
フェアファックス先生ジャン・ジャゴ英語版
ディムキンス先生ジュエル・エリス
フェローズ先生ティム・ワイトン英語版
少年旅団キャプテンジョン・ゴーマン英語版増岡弘多田野曜平
ベティペタル・ヤング出演シーンカット
ジョージロビン・ハンター英語版
ミスター・ラティマーキース・バーロン英語版
(クレジットなし)
羽佐間道夫星野充昭
演出山田悦司吉田啓介
翻訳山田小枝子平田勝茂
効果赤塚不二夫
調整栗林秀年 
制作ザック・プロモーショングロービジョン
解説淀川長治 
初回放送1976年5月2日
日曜洋画劇場
1981年発売
LDに収録
2015年12月22日
角川書店より発売の
DVD/BDに収録
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※2015年12月22日発売の角川書店盤DVD/ブルーレイには上記全3種類の日本語吹替を収録。

あらすじ

舞台はロンドン。公立学校ながら、厳しい教師と生徒たちの間でささやかな対立がはじまっていた。厳格な教えを説く教師たちや子供に過干渉な親たちと、それらに従うことなくそれぞれの目的や楽しみを見つけようとする子供たち。

気が弱く大人しい11歳のダニエルもそんな生徒の一人だったが、同じ学校に通うメロディという少女と出会う。2人はいつしか互いに惹かれあい、悩みを打ち明け、初めて心を許す相手を見つけたと感じた。純粋ゆえに恐れを知らない2人は、学校をさぼって海水浴場へデートに出かけたことから校長先生に叱られ、クラスメートたちにも散々笑い者にされる。ダニエルは悪友オーンショーにしつこくからかわれ、殴り合いの喧嘩まで繰り広げてしまう。

事情を聴くこともなく押さえつけようとする大人たちに対し、2人は一つの望みを口にする。それは「結婚したい」という驚くべきものだった。「どうして結婚できないのか」と問うが、当然親も教師もとりあわない。ある日、教師が授業を始めようとすると、教室はほとんどもぬけの空であった。自分たちの手で2人の結婚式を挙げようと、クラスの生徒が集団脱走したのである。教師たちはあわてて彼らを探しに行く。

廃線脇の隠れ場所で、オーンショーが牧師を務める結婚式においてダニエルとメロディが誓いの言葉を唱えようとしている時に教師たちに見つかってしまい子供たちは散り散りに逃げていく。暖かい日差しの中で大人と子供の乱闘が繰り広げられ、発明狂の男の子が作った自家製爆弾が車を見事に爆破すると、大人たちは恐れをなして一目散に逃げて行く。子供たちはやんやの喝采を挙げる。その頃、ダニエルとメロディの2人はオーンショーの助けで追手を振り切り、線路上に在るトロッコに乗って野原をどこまでも走って行くのであった。

作品解説

この映画には「大人社会からの独立戦争」という趣がある。「結婚式」を取り締まるべく現れた教師たちであったが、爆弾マニアの少年が作った初めての成功作によって総崩れになり、少年少女2人が一緒にトロッコを漕いで出発していくラストは、"Don't trust over thirty"(30歳以上は信用するな)の時代の雰囲気を伝えている。また一方で、明らかに中産階級のマダムの一人息子であるダニエルと、労働階級の娘であるメロディの出会い、労働階級出身とみえるオーンショーとの友情という、イギリスの階級格差が少年少女の恋愛というセッティングの中で無視されているという面白さもある。

公開・反響

アメリカでの公開は英国公開に先立つが、ヒットにはならなかった。イギリスでは散々叩かれた。[要出典]本作を日本に輸入した日本ヘラルド原正人は「『小さな恋のメロディ』はイギリスでは劇場公開されず、テレビのみで放映された」と述べている[4]。デビッドとアランを救ったのは、『小さな恋のメロディ』と題された日本での大ヒットだった(この他に南米諸国、特にアルゼンチン、チリでもヒットしている)。日本での人気は非常に根強く、定期的にオリジナル・サウンドトラック盤が欠かさず生産され続けている。

リバイバル上映も繰り返し行われており、1974年、1976年、1978年と隔年に上映され、2019年には「卒業(4K版)」とともにデジタルリマスター版でリバイバル上映されている[5]。また、2010年開催の「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」上映作品選定の参考のため、前年2009年10月に一般から募った投票では、第8位となる人気をみせ[6]、2015年開催の「第三回 新・午前十時の映画祭」では、ラインナップに加えられた。

2022年10月、コロナ禍により1年遅れの公開50周年イベントがマーク・レスタートレーシー・ハイドを迎えて、10月15日 - 30日の間、京都みなみ会館、横浜シネマノヴェチェント、10月25日にはヒューマントラストシネマ渋谷で、それぞれイベント上映され、舞台挨拶やサイン会、懇親会など日本のファンとの交流会が行なわれた[7][8][9]

影響

脚注

関連項目

外部リンク

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