専門紙
特定のコミュニティや業界を対象とする新聞 ウィキペディアから
専門紙(せんもんし)とは、特定の産業や業界の話題に特化した記事を掲載している新聞。専門新聞(せんもんしんぶん)や業界紙(ぎょうかいし)とも呼ばれる。対概念は「一般紙」。
日本における専門紙
要約
視点
日本における専門紙は、大きく三つに分けられる。読売新聞記者としてマルチメディアの報道に長く従事したマスコミ向け広報の専門家である高橋真人は、三つを下記のように説明している。経済を中心に世事全般を広く扱う「経済紙」、すべての産業分野をカバーし、経済紙に漏れた企業動向を掲載する「産業紙」、もっと細かく、業界内部で働く人々だけを読者層として想定し、業界の詳細情報を掲載する「専門紙」である[1]。経済紙と産業紙は一般紙中心の日本新聞協会加盟社が多く、専門紙は日本専門新聞協会加盟社が多い。ただ、『日本農業新聞』や『日本海事新聞』のように専門紙でありながら日本新聞協会に加盟している場合も稀にある。
各分野における人事、法制、技術、新製品、展示会などのイベント、業界人インタビューなど、業界動向に関する情報が豊富に掲載され、一般的な報道記事は少ないかほとんどない。専門紙は、読者としてその業界に属している人を想定しているので、特化して個人での購読は少なく、法人や事業者による購読比率が高いものが多い(これらは一般的に業界紙と呼ばれる)が、経済紙や産業紙は個人向けに駅売店などでも販売しているケースも多い。最近ではインターネット専業の専門紙も増えている。独自取材というよりは、事実上のプレスリリース転載になっている媒体も少なくない。
発行部数は数百部程度のものから数十万部のものまで様々である。また、発行形態も日刊・隔日刊・週刊・旬刊・月刊、紙面もブランケット判・タブロイド判・B3判・B5判・A4変形など、多岐にわたる。冊子のものは専門雑誌に分類され、多く業界誌と言われるが、その種別は曖昧である。
戦後、数多くの専門紙が出来、そして消えていった。専門紙『日本加工食品新聞』の執筆・編集に長く従事し、編集長を務めた藤沢周平(小菅留治)の回想によれば、昭和30年代に藤沢が初めて勤めた新聞社は社員が極めて少なく、4ページの新聞が刷り上がると社長自ら広告取りをして歩いており、新聞は短期間で消滅したという[2]。大手の日本繊維新聞が2010 年に休刊・破産するなど、専門紙を取り巻く環境は厳しさを増している。
通常は経済若しくはビジネスに関する記事を中心に掲載している新聞を指すが、広義に於いては小・中学生新聞や英字新聞、スポーツ新聞、予想紙などを含む。また、政党、労働組合、職能団体、人権団体、環境団体、文化団体、宗教団体などの機関紙も専門紙に含める事がある。
経済紙
ビジネス(経済)全般に関する話題を広く扱う新聞。産業情報紙とも呼ばれる(日本経済新聞は購読者数の多さ・紙面の内容から一般紙として扱われる事が殆どである)。
産業紙
すべての産業分野をカバーし、経済紙に漏れた企業動向を掲載する新聞。日経産業、日経MJは経済紙の日本経済新聞、専門紙の日経金融新聞(現・日経ヴェリタス)と合わせて日経4紙と呼ばれている。
業界紙
特定業種の記事に特化した新聞。業界新聞とも呼ばれる。単に専門紙と言った場合は業界紙を指す場合が多い。多くは一業種一紙。
マーケット・金融・投資
証券専門紙も参照されたい。
保険
- 保険毎日新聞(保険毎日新聞社)
- 新日本保険新聞 (新日本保険新聞)
- 保険銀行日報 (保険銀行日報社)
- インシュアランス(保険研究所)
労働・人権
税務
農林漁業
- 日本農業新聞(日本農業新聞)
- 全国農業新聞(全国農業会議所)
- 農業共済新聞(全国農業共済協会)
- 日本農民新聞(日本農民新聞社)
- 食肉通信(食肉通信社)
- 米穀商業新聞(全国米穀販売事業共済協同組合)
- 米穀新聞
- 酪農経済通信
- 酪農乳業速報
- 全酪新報(全国酪農協会)
- 食肉通信
- 農経しんぽう
- 農村ニュース(国際農業社)
- 農機新聞(新農林社)
- 農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
- 林材新聞(林材新聞社)
- 日刊木材新聞(日刊木材新聞社)
- 林経新聞(林経新聞社)
- 林業新聞(林業新聞社)
- みなと新聞(みなと山口合同新聞社)
- 日刊水産経済新聞(水産経済新聞社)
- 水産タイムス(水産タイムス社)
- 日刊水産通信(水産通信社)
- 日刊シーフーズ・ニュース(水産通信社)
- 水産新聞(水産新聞社)
- 日本種苗新聞(日本種苗新聞)
電機・通信
新聞・出版
鉱工業
海運
繊維
交通・自動車
運輸
化学・薬剤
食品
電気・ガス・水道
建設
不動産
住宅
医療・衛生・福祉
- 日本歯科新聞(日本歯科新聞社)
- 全国保険医新聞(全国保険医団体連合会)
- 薬事日報(薬事日報社)
- 薬事ニュース(薬事ニュース社)
- 福祉新聞(福祉新聞社)
- シルバー新報(環境新聞社)
- 介護新聞・北海道医療新聞(北海道医療新聞社)
教育
製紙
- 板紙・段ボール新聞
- 段ボール事報
環境
自営業・中小企業
観光
スポーツ紙
→詳細は「スポーツ新聞」を参照
サッカー
→詳細は「サッカー専門誌」を参照
- エル・ゴラッソ(株式会社スクワッド)
公営競技
政党紙・宗教紙
→詳細は「機関紙」を参照
政党や宗教団体が発行する新聞。
子供向け新聞
小・中学生を対象とした新聞。
- 朝日小学生新聞(朝日学生新聞社)
- 朝日中高生新聞(同上)
- 毎日小学生新聞(毎日新聞社)
- 読売KODOMO新聞(読売新聞社)
- 小学生文化新聞(聖教新聞社)
- 中学生文化新聞(同上)
外国語新聞
英語などで書かれた新聞。通信社の英文記事に加え、ザ・デイリー読売は読売新聞の記事の英訳、ジャパンタイムズは英語で書き起こされた記事からなる。
英字新聞
日本初の英字新聞は、1861年創刊の「ナガサキ・シッピング・リスト・アンド・アドバタイザー」とされる。同年10月までに28号を発行したのち廃刊し、同じ発行者により、同年11月から横浜外国人居留地で横浜初の英字新聞「ジャパン・ヘラルド(The Japan Herald)」が創刊[8]。日本人による最初の英字新聞は頭本元貞主筆で1897年に創刊したジャパンタイムズ。
- 日刊紙
- The Japan Times(ジャパンタイムズ)
- The Japan News(読売新聞社、旧称「デイリー・ヨミウリ」)
- International Herald Tribune/The Asahi Shimbun(朝日新聞社)※廃刊
- Mainichi Daily News(毎日新聞社)※廃刊
- 週刊紙
- The Japan Times Weekly(ジャパンタイムズ)
- Weekly ST(同上、旧称「スチューデント・タイムズ」)
- Asahi Weekly(朝日新聞社)
- MAINICHI Weekly(毎日新聞社)
- THE NIKKEI WEEKLY(日本経済新聞社)※廃刊
- Nikkei Asian Review(同上)
- Japan Press Weekly(ジャパンプレスサービス)
アメリカにおける専門紙
政治
経済
- ウォール・ストリート・ジャーナル
- インサイドUSトレード
軍事
- ディフェンス・ニューズ
イギリスにおける専門紙
経済
教育
- タイムズ・ハイヤー・エデュケーション
広告
- パブリック・アドヴァタイザー
中国における専門紙
経済
- 経済日報
財政
- 中国財政報
注釈
関連項目
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