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1997年から2012年にかけて制作されたフジテレビ系列のテレビドラマ及びその劇場版映画作品である『踊る大捜査線』シリーズで柳葉敏郎が演じる人気キャラクター・室井慎次を主人公に描く映画2部作の前編[1][2]。
事実上の前作にあたる『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』から12年ぶりのシリーズ復活となった。また室井を主人公とする作品は2005年公開の『容疑者 室井慎次』以来19年ぶりとなる。
本作では新規キャストに加え、筧利夫・真矢ミキ・甲本雅裕・遠山俊也などかつて『踊る』シリーズでレギュラーを務めた俳優が複数出演している。
またエンドロールでは、編集技師として『踊る』シリーズの制作に長年携わり2024年4月25日に死去した田口拓也への追悼として『田口拓也さんの思い出とともに』の文字が挿入されている。
後編は『室井慎次 生き続ける者』で、2024年11月15日に公開された。
警察組織を変えるという約束を青島俊作と交わした室井慎次は、警察庁組織改革審議委員会の委員長を5年間務めた。しかし、組織を変える事は出来ず、委員会の解散を警察庁長官補佐である坂村正之から聞く。室井は警察庁長官官房審議官である沖田仁美に秋田県警本部長のポストを用意されたが、辞退。定年前に警察を辞めた。その後、室井は地元秋田の山奥にある三ツ池のほとりにある民家に移住し、地元住民の石津百男や長部音松らと仲良くできないまま、3年前に母親を殺された高校生・森貴仁(タカ)と、父親が犯罪者である柳町凛久(リク)を引き取り、里親として暮らし始めていた。
ある日、三ツ池の一部の草花が不自然に枯れており、異臭もすることから、北大仙署地域課の警官・乃木真守に調査を依頼した。そこを掘り返すと、腐乱死体と洋梨が地中に埋まっていた。その死体の調査のため、警視庁と秋田県警は合同調査を始め、室井は捜査一課の刑事となった緒方薫と再会する。捜査が進み、死体の正体はレインボーブリッジの事件の犯人グループの一員・瀬川吉雄だと判明した。瀬川はレインボーブリッジの事件後18年間服役し、出所後は同じグループで特殊詐欺を行っていた。
そんな中、室井は家の離れで女の子が倒れているのを発見する。室井やリク、タカは彼女を看病した。彼女はすぐに具合が良くなり、一緒に暮らすようになった。だが、室井は彼女に何か引っかかりを感じた。そこで、室井は捜査資料管理センターの明石幸男に連絡し、彼女の身元を調べてもらった。彼女の名前は日向杏。凶悪殺人犯・日向真奈美の娘だった。真奈美は14年前に獄中出産しており、それについては隠蔽されていた。そして、杏はタカとリクに「室井さんに殴られた」と嘘をつき、二人を不安にするのだった。
またある日、新人弁護士・奈良育美が尋ねてきた。彼女は、タカの母・森麻絵を殺害した犯人の弁護を担当しており、タカに犯人に有利な証言をして欲しいと頼みに来たのだ。タカは室井と共に、拘置所へ犯人の面会に行った。そこで、刑務官となった森下孝治とも再会する。森下の立ち会いのもと、タカと室井は暴力団員の犯人と面会する。タカは犯人に自分と母が暴力団員と共同生活を送っていた時のことを話し、犯人は何も言えなくなる。その後、犯人は罪を認め、奈良は自分のタカや室井にとった態度を謝るのだった。
家に戻ると、室井は自分が辞退した秋田県警本部長となった新城賢太郎に呼び出され、捜査協力を要請される。室井と新城は室井の家に戻り、二人で酒を飲んだ。
次の日、室井が捜査本部を尋ねると、捜査一課の刑事・桜章太郎が興奮した様子で室井に話しかけてくる。一方その頃、リクの父親・柳町明楽が出所していた。室井は家に帰り、離れにいるリクを迎えに行くと、家の隣の小屋が管理官時代に着ていた服などと共に燃えているのだった。
警察での役職は公式HP、劇場パンフレット等にて確認されているものについてのみ記す。
大川紗耶香役で出演する丹生明里のキャスティングの経緯は、『有吉ぃぃeeeee!そうだ!今からお前んチでゲームしない?』(テレビ東京)に丹生がゲスト出演していた回を脚本の君塚良一とプロデューサーの亀山千広が観ていて、丹生が『フォートナイト』をプレイする姿が面白く、紗耶香役を誰にしようかと決めた時に丹生の名前が出たという[6]。また、本広克行監督も撮影に接し「すごい逸材だなと思いました」などと丹生の才能を絶賛している[6]。
撮影は2024年2月から6月にかけて、柳葉の故郷である秋田県大仙市をはじめ、仙北市田沢湖[7]、新潟県十日町市[8]、千葉県柏市[9]などで行われた。
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