室井慎次 敗れざる者
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『室井慎次 敗れざる者』(むろいしんじ やぶれざるもの、英題: NOT DEFEATED)は、『踊る大捜査線』シリーズのスピンオフ映画。2024年10月11日に『THE ODORU LEGEND CONTINUES』として公開された。
概要
1997年から2012年にかけて制作されたフジテレビ系列のテレビドラマ及びその劇場版映画作品である『踊る大捜査線』シリーズで柳葉敏郎が演じる人気キャラクター・室井慎次を主人公に描く映画2部作の前編[2][3]。
事実上の前作にあたる『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』から12年ぶりのシリーズ復活となった。また室井を主人公とする作品は2005年公開の『容疑者 室井慎次』以来19年ぶりとなる。
本作では新規キャストに加え、筧利夫・真矢ミキ・甲本雅裕・遠山俊也などかつて『踊る』シリーズでレギュラーを務めた俳優が複数出演している。
またエンドロールでは、編集技師として『踊る』シリーズの制作に長年携わり2024年4月25日に死去した田口拓也への追悼として『田口拓也さんの思い出とともに』の文字が挿入されている。
後編は『室井慎次 生き続ける者』で、2024年11月15日に公開された。
ストーリー
要約
視点
警察組織を変えるという約束を青島俊作(織田裕二)と交わした室井慎次(柳葉敏郎)は、警察庁組織改革審議委員会の委員長を5年間務めた。しかし、組織を変える事は出来ず、委員会の解散を警察庁長官補佐である坂村正之から聞く。室井は警察庁長官官房審議官である沖田仁美(真矢みき)に秋田県警本部長のポストを用意されたが、辞退。定年前に警察を辞めた。その後、室井は地元秋田の山奥にある三ツ池のほとりにある民家に移住し、地元住民の石津百男(小沢仁志)や長部音松らと仲良くできないまま、3年前に母親を殺された高校生・森貴仁(タカ)と、父親が犯罪者である柳町凛久(リク)を引き取り、里親として暮らし始めていた。
ある日、三ツ池の一部の草花が不自然に枯れており、異臭もすることから、北大仙署地域課の警官・乃木真守に調査を依頼した。そこを掘り返すと、腐乱死体と洋梨が地中に埋まっていた。その死体の調査のため、警視庁と秋田県警は合同調査を始め、室井は捜査一課の刑事となった緒方薫(甲本雅裕)と再会する。捜査が進み、死体の正体はレインボーブリッジの事件の犯人グループの一員・瀬川吉雄だと判明した。瀬川はレインボーブリッジの事件後18年間服役し、出所後は同じグループで特殊詐欺を行っていた。
そんな中、室井は家の離れで女の子が倒れているのを発見する。室井やリク、タカは彼女を看病した。彼女はすぐに具合が良くなり、一緒に暮らすようになった。だが、室井は彼女に何か引っかかりを感じた。そこで、室井は捜査資料管理センターの明石幸男に連絡し、彼女の身元を調べてもらった。彼女の名前は日向杏(福本莉子)。凶悪殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘だった。真奈美は14年前に獄中出産しており、それについては隠蔽されていた。そして、杏はタカとリクに「室井さんに殴られた」と嘘をつき、二人を不安にするのだった。
またある日、新人弁護士・奈良育美が尋ねてきた。彼女は、タカの母・森麻絵を殺害した犯人の弁護を担当しており、タカに犯人に有利な証言をして欲しいと頼みに来たのだ。タカは室井と共に、拘置所へ犯人の面会に行った。そこで、刑務官となった森下孝治とも再会する。森下の立ち会いのもと、タカと室井は暴力団員の犯人と面会する。タカは犯人に自分と母が暴力団員と共同生活を送っていた時のことを話し、犯人は何も言えなくなる。その後、犯人は罪を認め、奈良は自分のタカや室井にとった態度を謝るのだった。
家に戻ると、室井は自分が辞退した秋田県警本部長となった新城賢太郎(筧利夫)から高級料亭に無理矢理呼び出され、捜査協力を要請される。しかし主導権を新城に握られた場所での回答を避けた室井からの進言で両者は室井の家に戻り、二人で酒を飲んだ。
次の日、室井が捜査本部を尋ねると、捜査一課の刑事・桜章太郎が興奮した様子で室井に話しかけてくる。一方その頃、リクの父親・柳町明楽が出所していた。室井は家に帰り、離れにいるリクを迎えに行くと、家の隣の小屋が警察官時代に着ていた服などと共に燃えているのだった。
登場人物
→詳細は「踊る大捜査線シリーズの登場人物一覧」を参照
- 室井家
- 警視庁
- 秋田県警
- 警察庁
- 里子達に関わる人物
- 街の人々
- 秋田刑務所
- その他
- ラジオパーソナリティの声、料亭の女将:相場詩織[9]
- ラジオパーソナリティの声、商店の客:シャバ駄馬男[10]
- ラジオパーソナリティの声、商店の客:バリトン伊藤[10]
- ラジオパーソナリティの声:笠井信輔[11]
- 青島俊作 - 織田裕二(クレジットなし、ライブラリ出演)
- 恩田すみれ - 深津絵里(クレジットなし、ライブラリ出演)
- 日向真奈美 - 小泉今日子(クレジットなし、ライブラリ出演)
- 小原久美子 - 田中麗奈(クレジットなし、ライブラリ出演)
- 国見昇 - マギー(クレジットなし、写真出演)
- 高橋健三 - 入江雅人(クレジットなし、写真出演)
- 三島龍也 - 森下能幸(クレジットなし、写真出演)
- 中島高志 - 木村靖司(クレジットなし、写真出演)
- 瀬川吉雄 - 三宅弘城(クレジットなし、写真出演)
- 役名不詳 - 石澤友規、守敦也、森本竜馬、曽我一耀、斉木としや、たべひろのぶ[12]
スタッフ
- 監督:本広克行
- 脚本:君塚良一
- 製作:亀山千広、矢延隆生、小川泰、市川南
- 製作総指揮:臼井裕詞
- プロデューサー:根本圭、上原寿一、古郡真也
- 音楽:武部聡志
- シリーズ音楽:松本晃彦
- 撮影:川越一成
- 照明:加瀬弘行、木村伸
- 録音:武進
- 美術:相馬直樹、吉本幸人
- 編集:岸野由佳子
- 美術プロデューサー:福田のり
- 装飾:田中宏
- 衣裳統括:岡田敦之
- ヘアメイク:丸谷亜由美
- VFXスーパーバイザー:高栁優斗
- 記録:赤星元子
- 選曲:藤村義孝
- 音響効果:大河原将
- 宣伝プロデューサー:江上智彦
- アソシエイトプロデューサー:大坪加奈
- 監督補:三橋利行
- 助監督:尾﨑隼樹
- 制作担当:武田旭弘
- 製作:フジテレビジョン、BSフジ、東宝
- 制作プロダクション:FILM
- 配給:東宝
製作
キャスティング
大川紗耶香役で出演する丹生明里のキャスティングの経緯は、『有吉ぃぃeeeee!そうだ!今からお前んチでゲームしない?』(テレビ東京)に丹生がゲスト出演していた回を脚本の君塚良一とプロデューサーの亀山千広が観ていて、丹生が『フォートナイト』をプレイする姿が面白く、紗耶香役を誰にしようかと決めた時に丹生の名前が出たという[8]。また、本広克行監督も撮影に接し「すごい逸材だなと思いました」などと丹生の才能を絶賛している[8]。
乃木真守役で出演する矢本悠馬もまた、『千鳥のクセスゴ!』(フジテレビ)に矢本がゲスト出演した回(2024年1月14日放送回)をプロデューサーの亀山が観たのをキッカケに、オファーされた。矢本に合わせて、脚本の役柄も書き換えられたという[13]。
撮影
撮影は2024年2月から6月にかけて、柳葉の故郷である秋田県大仙市をはじめ、仙北市田沢湖[14]、新潟県十日町市[15]、千葉県柏市[16]などで行われた。
エピソード
下記参照 映画『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者 シナリオ・ガイドブック』より
脚注
参考資料
外部リンク
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