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(きたやま たけくに、1979年8月9日[1] -)は、日本の小説家・推理作家。岩手県盛岡市出身[2]。岩手県の高校、大阪府の大学を卒業[2]。獅子座、血液型O型。
2002年、『「クロック城」殺人事件』で第24回メフィスト賞を受賞してデビュー。
中学3年生のとき、江戸川乱歩『吸血鬼』を読み読書の面白さを知る[2]。高校時代はテニス部に所属[2]。この頃は主に村上春樹を読んでいた[2]。図書委員になったことをきっかけに北村薫『スキップ』『空飛ぶ馬』を読み、日常の謎に出会う。北村薫がエッセイで紹介していたことから興味を持ち、大学生の夏休みに綾辻行人『十角館の殺人』を読み本格ミステリに夢中になる[3]。島田荘司『斜め屋敷の犯罪』を読んで、物理トリックの面白さを知る[3]。
1999年夏、ワープロ専用機を購入し小説を書き始める[4]。「月の探査衛星に死体を隠して宇宙に飛ばす」という話だった[5]。2000年、「失われたきみ」を執筆しメフィスト賞に投稿[4]。2001年4月、『メフィスト』誌に掲載された「原稿募集座談会第18回」でメフィスト賞候補となる[6]。2001年夏、「失われたきみ」を改稿・改題した『「クロック城」殺人事件』で第24回メフィスト賞の受賞が決定[4]。
2002年3月、『「クロック城」殺人事件』が講談社ノベルスから刊行され小説家デビューする。宇山日出臣によるメフィスト賞としては最後の受賞者となった。同月、大学を卒業し岩手県にある実家に引っ越す[4]。7月に刊行された第二長編『「瑠璃城」殺人事件』は、デビュー前に「天使の例外」というタイトルでメフィスト賞に投稿した作品である[7][8]。
2004年10月、『ファウスト』の企画で乙一、佐藤友哉、滝本竜彦、西尾維新と文芸合宿を行う。短編「こころの最後の距離」とリレー小説「誰にも続かない」を執筆したが単行本化されていない。2005年10月、笠井潔、辻村深月、米澤穂信と座談会を行う。この模様は『ミステリマガジン』2006年2月号に掲載された。2008年6月頃より東京都在住[8]。2013年3月に刊行された『人魚姫 探偵グリムの手稿』が初のハードカバーである。
デビュー前の「原稿募集座談会第18回」において、選考を担当する編集者から「どうしようもなく「新本格」!と叫びたくなるような作品」「面白い新本格ですよ」と評されており[6]、世代的に新本格ミステリ作家に含めるかどうかは諸説あるものの、新本格ミステリの衣鉢を継ぐ作風とみなされている。
作風としては物理トリックに大きなこだわりを見せており、活字メディアで「物理の北山」の二つ名を冠されることもある。「本格ミステリー・ワールド2008」では、「やりすぎれば、あり得ない。控えれば、つまらない。それが物理トリックです。」と語っている[9]。
また殆どの作品において世紀末的・終末的イメージの横溢する独特の世界が構築されており、(かつて新本格作家に浴びせられた批判と同じく)対照的に登場人物は人間性が希薄で傀儡的なものとして描かれる。そうした特徴を指して(後述のメフィスト賞の先発らほど恣意的ではないにせよ)安直な世代論的に漫画やアニメの影響が指摘される[10]。こうした独特の世界に拘るミステリーはピーター・ディキンスンに始まり、国内でも山口雅也や麻耶雄嵩、西澤保彦などが存在するが、北山の場合はそうした異常世界とミステリとしてのプロットが意図的に断絶されているところに特徴がある。
同年代デビューである佐藤友哉や西尾維新らとともに、本格ミステリの作家に対して脱格系[10]などとされていたが、曲がりなりにもミステリであった初期の作風からそれぞれ純文学・ライトノベルへと比重を移した二者とは異なり、あくまでストレートなミステリにこだわりを見せる新時代の本格推理作家である。
話が繋がっているわけではなく、作品ごとに完全に独立したものとなっている。
「」内が北山猛邦の作品
ファウスト掲載シリーズ
その他
鶴山文化社『파우스트』(韓国版『ファウスト』)に掲載。
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