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仮面ライダーシリーズの登場キャラクター ウィキペディアから
仮面ライダーV3(かめんライダーブイスリー)は、特撮テレビドラマ『仮面ライダーV3』に登場する架空のキャラクター。以降の「仮面ライダーシリーズ」での作品に登場した内容や、その正体となる風見志郎(かざみ しろう)についても記述する。
『仮面ライダーV3』の主役ライダー。歴代ライダーの中でも客演数が多く[注釈 1]、新旧ライダーの「橋渡し」としての活躍も多い。多くの作品に素顔の風見志郎の姿で登場し、変身後のみの登場だった『仮面ライダー (スカイライダー)』第23話や劇場版『仮面ライダースーパー1』、映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』でも宮内洋が声を充てている。
映画『仮面ライダー THE NEXT』ではリメイク版が登場した。
名前の由来は、「勝利(Victory)」を意味する「V」と、ライダー3号としての「3」を合わせている。
1号ライダーの技と2号ライダーの力を象徴するダブルタイフーンを装備し、ダブルライダーの変身ポーズを組み合わせたポーズと「変身!V3!」の掛け声で[注釈 2]ベルト中央の風車が回転し[1][注釈 3]、風力を吸収することでベルト横のエナージ・コンバーターによってエネルギーに転換・蓄積され、人工筋肉を通じて供給され、各機能を起動させ、変身が完了する。変身所要時間は4秒[1]。ただし、第1・2話ではポーズを取った後に胸の前で手を交差するアクションが加えられていた[2]。戦闘開始時は左右の指先でそれぞれVと3の字を作りながら、右前腕を地面と垂直に立てつつ右手の甲を敵に向け、左手指先は右肘に当てながら左前腕を胸の前で水平に組んで、左右の前腕同士で90度に交差したラインを作るという独特のファイティング・ポーズを決めるのが通例であった。
仮面ライダーV3 | |
---|---|
身長 | 190 cm |
体重 | 78 kg |
パンチ力 | 4 t |
キック力 | 12 t |
ジャンプ力 | 一跳び18.00 m |
走力 | 100 mを4.0秒で走る |
ショッカーのナノロボットによって改造された風見志郎が変身する仮面ライダー。能力は1号および2号を遥かに上回っており、劇中では苦戦の描写すらない圧倒的な強さを誇り、まともに戦える相手もほとんど存在しなかった。高熱の火炎に対する耐性や銃弾をも跳ね返す頑強さが付与された特殊強化服となっており、最大の特徴であるベルトのダブルタイフーンは、中央部分の2つのダイナモに風圧を受けることで変身し、周囲の風や熱のエネルギーを吸収し、V3自体の力に変換させる[25]。また、炎をタイフーンの風車に吸収させることで、体に纏わせて攻撃することも可能[26]。なお、本作品でのV3の意味は、旧『仮面ライダーV3』における「勝利(Victory)」と「仮面ライダー3号」を組み合わせたものとは異なり、「仮面ライダー1号・2号を凌駕した力を与えられた第3世代のホッパー型改造人間Version 3」という意味になっている[27][25][注釈 4]。そのため、公式設定ではトンボがモチーフとされているが敢えてそれを意識せず、「1号・2号からショッカーライダーを経てV3に至る」という系譜を想定したデザインになっている[注釈 5][注釈 6][29]。ホッパーとは1号および2号のショッカー内でのコードネームを指す(前作を参照)。カラーリングは基本的に往年のV3に準じるが、全体的に原作より暗めのダークトーン[注釈 7]になっており、また襟とマフラーが緑に、グローブが濃い金色(ショッカーライダーの物と同じグローブ)になっている。ベルトには原作と同様にV3ホッパーが装備されているが、劇中未使用のため機能は不明[注釈 8]。劇中明確な「V3」の呼称はなく、1号、2号より強力な改造人間という扱いである。
本郷と初めて対峙した際、配下のチェーンソーリザードとショッカーライダーと共に劣勢に追い込み、圧倒的強さを印象付けた。しかし中盤で打倒1号・2号を豪語するも、琴美から妹の一件を聞かされ心が揺らぐ。やがて自身を改造したナノロボットが、妹の身を冒したことを知り、ショッカーへの不信感と恐怖心を募らせる。ナノロボットを日本中に散布するというショッカーに一人立ち向かう本郷を止めるよう一文字に頼むも、その一文字もまた本郷と共にショッカーに攻勢をとってしまう。そして自身もまたショッカーに反旗を翻し、1号・2号と共にショッカーに立ち向かう。多勢に無勢の1号、2号であったが、V3の加入により形勢が逆転した。
なお、V3はナノロボットに改造された改造人間であるため、リジェクションによる拒絶反応が起こらず、傷を負っても軽微なものであれば瞬時に修復される[26]。
これらは児童誌などの設定によるものもあり、本編未使用の能力も少なくない。
1950年5月5日生まれ[57]、東京都練馬区の出身。身長180センチメートル、体重78キログラム。家族構成は自動車修理工場を経営する父・達治、母・綾、妹・雪子。城南大学[57][注釈 19]・生物学部の学生であり、本郷猛(仮面ライダー1号)の後輩で、生化学研究室で細菌の研究をしていた。ヨットやサッカーなどのスポーツが得意で、器械体操では「マットの白い豹」という異名を持ち、またモトクロスの全日本選手権で優勝した実績があり、猛に並びバイクの国際A級のライセンスを持つほどのライディングテクニックを持ち[59]、空手3段、柔道2段、剣道初段の実力を持つ。仮面ライダー1号・2号から蘇生改造手術を受け、仮面ライダーV3となった。当初は家族を惨殺したデストロンへの復讐として戦っていたが、ダブルライダーの自己犠牲を目撃し、人類の平和のために戦う。
本来は陽気な青年で周囲にも明るく接するが、改造人間の宿命や自分以外に不幸になる人を増やしたくないと考え、自分に思いを寄せる珠純子には冷たく接するなど、他人と距離を置こうとする態度もしばしば見せた。しかし、戦いの中で人間的成長を見せ、結城丈二(ライダーマン)が復讐心を捨てて正義の戦士となるに際しても、大きな役割を果たす。少年仮面ライダー隊の子供たちに対しても、良き兄貴分として接していた。家族を殺された身である設定を生かし、親のいない子供やデストロンによって親と離れ離れになってしまった子供への強い思い入れを描いたエピソードが散見される(『V3』第38話や第39話など)。ハーモニカが得意で、雪子との思い出がある「埴生の宿」や「赤とんぼ」[60]を好む。
ホッパー・Version 3=仮面ライダーV3に変身する男。IT企業「エクサストリーム」を立ち上げてトップ企業に押し上げ、若くして時代の寵児に上り詰めた青年だったが、2カ月前に発生したエクサストリームの社員失踪事件の直後から社会との関わりを絶って別荘に篭り、ワインのデカンタージュに興じるなど退廃的な日々を過ごしていた。
実は失踪事件はシザーズジャガー率いるショッカーの実験によるものであり、無差別テロ同様のナノロボット散布実験に適合して生き残り、強靭な新型改造人間となった。そして裏切り者の本郷猛と一文字隼人を抹殺する命を受け、本郷たちと敵対。初戦では「年代物のワインが若かったから」という私的な理由をつけて本郷に襲いかかり、自身の正体=V3であることを明かした。
若くして一流IT企業の社長になったエリートである。他人に対しての物腰、言葉遣いは丁寧で、常に冷静に振舞う。一人称は「私」。
『仮面ライダー THE FIRST』の一文字と同じく、自分が生き残る道はショッカーに従属することを悟っていた。改造によって与えられた強大な能力に心酔し、疑いを持っていなかったが、琴美の訴えによって最愛の妹であるちはるの身に何かが起こったことを知り、徐々にその心は揺らいでいくことになる。後日、久々の再会も兼ねてちはるの楽屋を訪れ、彼女が以前彼に送ってきた好きなブランドの時計を“プレゼント”と称して渡すという冗談半分のカマをかけるが、素直に贈り物と思い込んで受け取ろうとしたChiharu(表舞台に立っていた谷口由加里)の言動から別人であることに気付き、動揺する。そして偽のChiharuから、ちはるに起こった悲劇を聞くにおよび、居合わせた琴美や本郷と共に大きなショックを受ける。その時、ちはるの時計が突如として不可解な動きを見せたことで、それが翌日に予定されたショッカーの大規模なナノロボットの輸送および日本全国への散布作戦を表していることに気付くが、組織の強大さに恐れを抱き、阻止を説く本郷についていくことはできなかった。本郷の身を案じ、酒場で飲んでいた一文字に本郷を止めるよう要請するが、一文字は迷うことなく本郷の加勢に飛び出し、残された彼は苦悩する。
作戦決行当日、ショッカーの基地であるレストランで、本郷と一文字は数に勝る怪人たちに抑え込まれ、彼らの命も風前の灯火であったが、ちはるが遺した「ショッカーの野望を止めて」という思いに応えるために本郷たちに加勢、戦況は逆転した。戦闘員、ショッカーライダーを蹴散らすと、かつての自分の秘書であり、純粋にショッカーに仕えているチェーンソーリザードをV3反転キックで倒し、ナノロボットの散布計画を阻止した。だがその直後、醜悪な怪物と化したちはるが目の前に現れる。変わり果てた妹の姿にショックを隠せない風見だったが、ちはるの悲痛な最期の希望を受け入れ、最愛の妹をその手にかけた。
炎上する現場で立ち竦み、妹の後を追おうとするが、1号・2号に救出され、本郷たちのようにショッカーと戦っていくことを決意した。
立花藤兵衛のもとでオートレーサーを目指していた矢先にデストロンの犯行を偶然目撃し、口封じのために何度も命を狙われたうえ、自分同様にデストロンの犯行を偶然目撃した珠純子を自宅に匿ったことから、デストロンの怪人ハサミジャガーによって両親と妹を目の前で殺害される。仮面ライダー1号に変身する本郷を目撃したことから、両親と妹の復讐のために改造人間にしてほしいとダブルライダーに志願するが、一度は断られる。しかし、デストロンのアジトに潜入して罠に落ちたダブルライダーを救おうとした際、浴びてしまった改造人間分解光線によって瀕死の重傷を負ったため、ダブルライダーから緊急改造手術を施されて仮面ライダーV3として蘇る。
東京爆破を阻止するも消息不明となったダブルライダーに代わってデストロンと戦い、やがて生還したダブルライダーやライダーマンの助けもあってデストロンを壊滅させる。戦い終えた後は誰にも会わず、バイクに乗って走り去っていった。
第27・28話、第33・34話、劇場版『五人ライダー対キングダーク』に登場。
第5話では回想として[注釈 20]、第9話では本郷(1号ライダー)や一文字隼人(仮面ライダー2号)ともども名前のみ登場。
藤兵衛が講談で語る歴代仮面ライダーの回想を聞きに来て、神敬介と出会う。クモナポレオンに敗れたXライダーにマーキュリー回路を組み込む強化改造を施した。この際、敬介に自身の血液を輸血したため、通常の戦闘能力が発揮できずクモナポレオンに遅れを取ってしまう。
第35話、第37話、第39話(最終回)、テレビスペシャル『全員集合!7人の仮面ライダー!!』に登場。今作からシリーズごとに変身音が異なるようになった(1号を除くほかのライダーも同様)。
歴代ライダーの中で最初に登場し、第35話から合流。マシーン大元帥を追ってエジプトから空路で大阪国際空港[注釈 22]に入り、マシーン大元帥の上陸した神戸港[注釈 23]に向かった。上陸直後のマシーン大元帥と互角以上に渡り合い、必殺のV3キックで敗走させ、ヘビ女に電気パワーを吸収されて窮地に陥っていたストロンガーを助けた。
第37話では、互いを知らずに対立状態になっていたストロンガーとライダーマンの仲裁役に回った。その後、ライダーマンと富士ダム破壊の阻止に向かった際、地震発生装置の地割れに落ちて彼とともに捕まってしまうが、Xライダーとアマゾンに救われて戦線復帰した。
V3の専用オートバイ。志郎が常用するオートバイが、V3への変身に伴って高性能オートバイに変形する[37]。ライダー1号が新サイクロン号を元に設計し[37][71]、2号が部品を集めて開発したもので、元来はダブルライダーが自分たちで使う予定だったが、V3が誕生したために譲ることになったとされる[72]。第2話で初登場した。原子力エンジンを搭載している。
フロントカウルの空中滑空用の伸縮式の二段式のグライディング用ウイングの下にロケットブースターが装着され、10時間以上の推進飛行が可能[37]。オフロードの機動性も高く、地上戦でも威力を発揮した。フロントカウル前部に仮面ライダーの変身ベルトと同じタイフーンを装備し、風力エネルギーを吸収しながら走行することが可能。風車の色はスピードに応じて、青から黄色、赤へと変化する[37]。さらにV3の脳波と連動して変身前後問わず遠隔操作され、無人走行するハリケーン・オートコントロールが使用可能[50][55]。新サイクロン号同様、緊急制動用にパラシュートを内蔵している[37][55]。必殺技はハリケーンダッシュとハリケーンラストダッシュ[31][37]。
風見の常用バイクはGT750。水冷2サイクル3気筒の大型車。
V3専用としてカスタムアップされたオートバイ。1号・2号のサイクロンが立花レーシング製なのに対し、こちらはショッカーの手によるものである。他の戦闘員をはるかに凌駕する身体能力を持つV3に合わせてチューンナップされたため、ショッカー戦闘員のオートバイはおろか、1号・2号のサイクロンをも上回る驚異的スペックを誇る[80]。
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