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『不夜城』(ふやじょう、SLEEPLESS TOWN)は、馳星周による日本の小説、及びそれを原作とした1998年の日本の映画作品。
それまで文芸評論家として活動していた作者の小説家デビュー作である。1996年に第18回吉川英治文学新人賞を受賞した作品であり、1996年度のこのミステリーがすごい!及び週刊文春ミステリーベスト10で共に第1位となった。
単行本の発行部数は30万部程度[1]。2015年12月時点で、角川文庫では32版を重ね、累計では95万部を発行している[2]。
翌1997年に続編『鎮魂歌 不夜城II』が、2004年に完結編となる『長恨歌 不夜城完結編』が出版され、シリーズは完結した。
また、1998年にリー・チーガイ監督、金城武主演で映画化され、作者がビラ配りの男役で出演している。映画化に伴い、山本貴嗣が書き下ろしでコミカライズした。角川コミックス・エースから全1巻。
東京都新宿区歌舞伎町。日本一の歓楽街として知られる街は今や、中国人たちが勢力争いを繰り広げる街と化していた。
日本と台湾のハーフ・劉健一は、歌舞伎町で故買屋をしながら、中国人の裏社会を器用に渡り歩いていた。そんなある日、かつての仕事のパートナー・呉富春が歌舞伎町に現れた、と聞かされる。
富春は、歌舞伎町を仕切る上海マフィアのボス・元成貴の右腕と称された男を殺し逃げていた。富春の帰還を知った元成貴は、富春は元相棒の健一を頼る筈と睨み、健一に、3日以内に富春を連れて来いと命じる。
そんな健一の元へ、“夏美”と名乗る女が『買って欲しいものがある』と持ちかけてくる。富春のことで手一杯の健一は、そんなことに構っていられないが、“夏美”が売りたいものこそ、呉富春その人であり、そもそも富春が歌舞伎町へ帰ってきた理由は、夏美が助けを求めたからだった。富春を差し出しても自分が助かる見込みはないと感じた健一は、夏美の存在を利用し、富春に元成貴を、別の勢力に富春を殺させようと企む。だが、わずか3日という短期間で企てた計画が完璧に遂行されるはずもなく……二重三重の嘘と裏切り、マフィア同士の牽制、健一が辿り着く結末とは……。
主なキャストについては#登場人物を参照。
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