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レミントンアームズ社のボルトアクション式狙撃銃 ウィキペディアから
レミントンM700 (Remington Model 700) は、アメリカ合衆国の銃器メーカー、レミントン・アームズ社が1962年に開発した、ボルトアクション方式のライフル[1]。
M700ADL | |
レミントンM700 | |
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種類 | ハンティングライフル |
製造国 | アメリカ合衆国 |
設計・製造 | レミントン・アームズ |
仕様 | |
種別 | ハンティングライフル |
口径 | バリエーション多数 |
銃身長 | 20–26インチ (510–660 mm) |
ライフリング | 右転 |
使用弾薬 | 最小:17レミントンから最大:458 Win Magまで各種あり |
装弾数 | 単発 - 6発[注釈 1] |
作動方式 | ボルトアクション方式 |
全長 | 1,006.4 - 1,181.1 mm[注釈 2] |
重量 | 3,180 - 4,250 g |
銃口初速 | 口径により異なる |
有効射程 | 口径により異なる |
歴史 |
ボルトアクションライフルの利点である高い命中精度、単純で堅牢な構造、信頼性などにより、警察や軍隊で狙撃銃としても多数採用されている。
1962年に発売[2]されて以来、現在でも販売が続けられているボルトアクションライフルの代名詞。狩猟用や競技用として広く使われ、レミントン社のベストセラーとなっている[1]。現在までに様々な口径、銃身長、各種用途に特化したバリエーションモデルが製造されている。
ベトナム戦争では海兵隊狙撃チームがウィンチェスターM70に代わり採用、現在でもアメリカ全軍で使用されている他、SWATやFBI、各国対テロ部隊で使用されている。
数十種の弾薬(2010年までに製造された口径は47種類におよび、普及したライフルカートリッジをほとんど網羅する)、各種バレル長、ストックの材質や形状、マガジン形式などの違いにより、装飾を施した狩猟用高級ライフルから、競技用ライフル、警察など法執行機関向け狙撃銃まで様々なバリエーション展開を行っている。
異なるカートリッジの収納を可能にするため、機関部はロングアクションとショートアクションの2種類が製造されている。2本のラグが対称に向かい合って備えられた回転ボルトにて、弾薬の装填・排出を行う。
M700ロングアクションをベースに製作されたM24は、アメリカ陸軍を始め陸上自衛隊など、各国の軍隊でも採用されている。アメリカ海兵隊ではM700ショートアクションをベースに独自の仕様によりM40を自製している。
レミントンカスタムショップ(熟練工の手加工による別ライン)ではカスタムオーダーによる高品質モデルの受注生産を行っている[3]。また、ベストセラー商品であるため各種アクセサリー、チューニングパーツがサードパーティーより豊富に販売され、自分で好みの改造をすることも容易である[4]。
カスタムライフルメーカーの製品の中にもストック、トリガーの取り付け寸法等をM700と共通化してそれらを流用できるモデルが多くラインナップされている。
日本国内でも狩猟用、競技用として許可が下りるため所持者は多い。
レミントンがM700をベースに同社カスタムショップにて製造する競技用ライフル。最近では法執行機関向けのバリエーションもラインナップされている。
M24 SWS。アメリカ陸軍用狙撃銃。レミントンがM700ロングアクション(.300ウィンチェスターマグナムの使用を想定したため)をベースに製作した狙撃銃。アメリカ陸軍の他、陸上自衛隊でも採用されている。アクセサリー類をセットしてM24 SWS (Sniper Weapon System) として法執行機関向けに販売されている。
M40。アメリカ海兵隊用狙撃銃。アメリカ海兵隊がレミントンM700ショートアクションをベースに改良、開発した狙撃銃。
レミントン・カスタムショップにて40X(M700ベースの競技用ライフル)をベースに製作されたごく初期のもの以降は、レミントンより調達したアクションをベースに海兵隊内で製作している内部モデルなので、基本的に外部流通はない。
なお、陸軍のM24シリーズはレミントン社が制作しているので、公的機関がオーダーすることは可能である。陸上自衛隊でも採用されている。
レミントン社の2007年のカタログに M40 USMC Vietnam Era Rifle というモデルが掲載されたが、これはM40の雰囲気を楽しむためのマニア向けモデルで、海兵隊使用のM40とは別のものである。
アメリカ内外のミリタリーマニアにとって垂涎のモデルであるため、外部コンストラクター、カスタムビルダーによってレプリカが多く製作されている。
初期タイプのM40は、レミントンM700 (40X) のレシーバーに弾薬装填用のクリップスロットを追加工、バーミントバレル(レミントン製10-1ツイスト)を組み合わせ、スポータータイプ木製ストック、レッドフィールド社製3 - 9倍率のスコープを搭載していた。
その後、M40A1、M40A3、M40A5等の改良型を経て、2010年代前半に海兵隊内でアトキンソン社製25インチステンレスバレル(12-1ツイスト)、レミントン社製RACSストック/シャーシ、シュアファイア社製マズルブレーキ、M70用スチール製トリガーガードと着脱式10連マガジンとハリス社製バイポッドなどの改修を受けM40A6となる。A6モデルではスコープが、Schmidt and Bender社製PM II 3–12×50スコープに変更される。
同じレミントン社製RACSストック/シャーシを使用するアメリカ陸軍のM24E1 ESR (XM2010) と外見は似ているものの、機関部は異なり使用弾丸は7.62x51mm NATO弾であるが、より精度を高めたM118やM852などのマッチ・アモ(競技用弾)が使用される。
現在ではさらにマイナーチェンジが進み、現在ではM40A7というモデルも存在する。
ケースは携行時には専用のキャリング・ケースに収められるのが一般である。
アメリカ特殊作戦軍 (USSOCOM) は、.300ウィンチェスターマグナム弾を使用する長距離狙撃銃として、Mk 13狙撃銃を2001年に導入している。現在のMk 13 Mod 5は、M700/M24用レシーバーのロングアクションボルトを利用し、銃床としてAccuracy International社のAICSシャーシシステムの折り畳み式後部銃床モデルを使用、Mk 11サプレッサーを取り付け可能な精密バレルを備えている。上部に光学部品を装備し両側にピカティニーレール用アクセサリーを装備するための3面モジュラーアクセサリーレールシステム (MARS)、折り畳み式バイポッドを持つ。
米海兵隊は2018年4月、M40狙撃銃をMk 13 Mod 7狙撃銃に置き換えると発表した。M40は1966年から海兵隊に配備されており、最新のM40A6は2014年にアップグレードされているが、.300ウィンチェスターマグナム弾を使用するMk 13は、M40で1,000メートルの有効射程範囲を1,300メートルに増加させ、米陸軍のM2010 ESR狙撃銃と同様の能力を海兵隊狙撃手に与えることになった。
なお、2021年予算において米陸軍および米海兵隊は、.338ノルマ・マグナムを使用するMk 22 ASR(バレットMRAD) を今後の正式なボルトアクション方式狙撃銃として予算申請している。
エアソフトガンは、クラフトアップル製エアコッキングガンやタナカワークス製ガスガン、サン・プロジェクト製エアコッキングガンなどが発売されている。
また、東京マルイのVSR-10シリーズはオリジナルデザインながら、レシーバー形状などにM700の面影を見ることができる。変わった機構を持つものでは、過去に国際産業・スーパーウェポンシリーズ第3弾のM700BDLがあった。このモデルは、発火式モデルガンとして機能する箇所とエアコッキングガンとして機能する箇所を持ち、エアソフトガンでありながら火薬の破裂音を楽しむことができた。もちろんエアソフトガンとしての部分とモデルガンとしての部分は完全に分離しており、銃刀法には抵触しない。
尚、2016年12月22日に東京マルイよりM40A5 O.Dモデル、2017年1月27日にブラックモデルが発売されている。
かつてアサヒファイアーアームズから発売された旧M40/M700シリーズは蓄気式カートの前方のバルブを後退式バレルで解放する方式であったが、警察庁により実銃であるとの認定を受け、販売中止、回収となった(遊戯銃の事件参照)。現在このモデルを所持することは銃刀法違反となる(後に発売されたアサヒファイアーアームズブランドのコッキング式M40は別機構の合法品)。
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