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2000年の日本のホラー映画 ウィキペディアから
『リング0 バースデイ』は、2000年1月22日に公開された日本映画。原作は、鈴木光司の短編小説集『バースデイ』の一編「レモンハート」。鈴木光司の小説を原作とする、映画版『リング』シリーズの完結編であり『リング』の前日譚。同時上映は『ISOLA 多重人格少女』PG-12。
『リング』『らせん』『リング2』に続く映画『リング』シリーズの完結編。生前の貞子の悲恋と、悲劇的な最期までを描いた物語。
鈴木光司の短編集『バースデイ』に収録された「レモンハート」の映画化で、「バースデイ」のタイトルは、もともと原作『リング』シリーズの完結編『ループ』の後日談を描いた短編「ハッピー・バースデイ」(レモン・ハートと同じく短編集『バースデイ』に収録)に由来するものだが、本映画版では『忌まわしい怪物貞子の誕生編』という意味合いで「バースデイ」の名を冠した。
前作『リング』の呪いのビデオ事件から遡ること30年前の昭和43年(1968年)。18歳の山村貞子は、東京の劇団「飛翔」に入団していた。劇団が次の公演「仮面」の上演を控えていた頃、団員全員が奇妙な井戸の夢に悩まされるといったことが起こった。そんな中、折しも公演内容の練習中に、主演女優の葉月愛子が謎の死を遂げる。貞子は疑いの目を向けられるが、音効係の遠山博は貞子を気遣い、庇おうとする。衣装係の立原悦子は、貞子と遠山の接近を懸念する。
一方、12年前の山村志津子の公開実験で婚約者を亡くした新聞記者の宮地彰子は、婚約者の死が志津子の娘・貞子の超能力によるものであると考え、貞子の過去を追ううち、貞子の入学していた小学校の教師の話から、「もう一人の貞子」の存在に気づく。
劇団「飛翔」は、演出家の重森勇作の指導のもと、山村貞子を新たな主演女優に据え、「仮面」の上演を強行する。しかし復讐に燃える宮地の策略により、貞子が公開実験で人を呪殺した過去が大勢の観客の眼前で暴かれてしまう。貞子を守るため、遠山が揉み合いの末殺害した重森の死体も見つかりパニックになり、その力に恐怖した劇団員たちは貞子を殺害する。
続いて彰子と劇団員たちは、貞子の父親とされる伊熊平八郎の元へと向かい、伊熊が匿っていた、かつて貞子から分離された「もう一人の貞子」の殺害を試みる。しかし殺したはずの貞子は蘇生しており、劇団員たちは向かってきた2人の貞子によって返り討ちにされ、次々と呪殺されていく。一連の事態を引き起こした彰子も、貞子と好意を寄せ合った遠山も、制御のできない貞子の超能力により犠牲となる。貞子に追い詰められた宮地と悦子は拳銃で自殺する。伊熊は暴走する貞子を止めるため、嘆き悲しむ貞子を井戸へと突き落とし、井戸に蓋をする。
遠山と心を通わせた頃の幸せな夢から目覚め、我に返った貞子は、自分が井戸の底におり、今まさに自分が生きたまま暗闇の中に閉じ込められようとしていることに気がつく。貞子の怨嗟の絶叫とともに、映画は幕を下ろす。
昭和43年の設定や製作スケジュール、予算の都合などで苦労したことを、今回初監督の鶴田法男や脚本家の高橋洋がインタビューで語っている。また、遠山博役の田辺誠一は、連続ドラマ『らせん』にも織田恭助(東健一)役で出演している。
この映画のオーディションで合格し、主役に抜擢された仲間由紀恵は、泣くくらいまで鶴田監督に怒られながら撮影していたことを第3回三鷹コミュニティシネマ映画祭で伴大介が語っている。この映画の演技で堤幸彦の目に止まることとなり、ドラマ『TRICK』シリーズの主役に抜擢され、女優として開花していくこととなった。
山村貞子のコントパロディ化は益々増え、全国ジョイポリスを始めとするリングのイベントは、この時期、最盛期を迎えた。店員が貞子に扮した「貞子ヒップホップダンサーズ」や、さらに増加した貞子グッズがそれに当たる。
原作が短編のため、映画『リング』とのつながりも併せて、登場人物の設定が大幅に変更されている。
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