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RSスパイダー(RS Spyder)は、ポルシェが製作した2座席プロトタイプレーシングカーである。開発コードナンバーは“9R6”。プライベーター(個人参加者)への販売を前提にしているため、ル・マン24時間レースのル・マン・プロトタイプ(LMP)2のマシンレギュレーションに適合しており、アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)や、ル・マン・シリーズ、そしてル・マン24時間レースのLMP2カテゴリーなどに参戦し、大きな成功をおさめた。
RSスパイダー | |
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ペンスキー・レーシングのポルシェ・RSスパイダー | |
ボディ | |
ボディタイプ | LMP2 |
駆動方式 | MR |
パワートレイン | |
エンジン | 3.4L V8 DOHC |
最高出力 | PFI 476hp DFI 503PS |
最大トルク | PFI 370Nm DFI 385Nm |
変速機 | 6速MT シーケンシャル |
前 | 前/後:ダブルウィッシュボーン |
後 | 前/後:ダブルウィッシュボーン |
車両寸法 | |
全長 | 4,650mm |
全幅 | 2,000mm |
全高 | 1,068mm |
車両重量 | 775kg |
系譜 | |
先代 | ポルシェ・911 GT1 |
後継 |
ポルシェ・919ハイブリッド ポルシェ・963 |
ポルシェは1998年にポルシェ・911 GT1で16回目のル・マン24時間レース制覇を達成した。この後プロトタイプレーシングカーによるレースはクローズドコックピットの「GT」からオープンコックピットの「LMP (ルマンプロトタイプ)」に変化したが、ポルシェはこの流れに乗らずにプロトタイプレーシングカーのレースから姿を消した。
2005年に「オープンコックピットマシンをALMSで走らせる」と発表。「GT1よりも洗練されたマシンを、911育ちのプライベーター達に提供したい」ということでLMP2レギュレーションに適合したマシンを開発した。このマシンは全てポルシェで設計・製造された。2005年のALMS最終戦にペンスキー・レーシングから参戦し、総合4位/クラス優勝を果たした。
翌2006年もALMSにペンスキー・レーシングから2台参戦し、第3戦のミッドオハイオで総合優勝を獲得し、計7回のクラス優勝でLMP2クラスタイトルも獲得した。
2007年は、ALMSにペンスキー・レーシングとダイソン・レーシングから各2台ずつ参加。格上クラスのLMP1のアウディ・R10を下し、第3 - 10戦で8連勝(全12戦)で総合優勝、3回のクラス優勝を飾り、LMP2クラスタイトルを獲得。2007年シーズンには、2006年シーズンの結果を受けてエンジン・トランスミッション・シャーシ・ラジエーターのエアインレットとアウトレット形状変更等の空力特性の一新と、ブレーキ・ギアボックス・トランスミッションの信頼性の向上を実施した第二世代に進化した。
2008年はALMSの他、ル・マン24時間レースやル・マン・シリーズへと参加は拡大されていった。ル・マン・シリーズでは、ヴァン・メルクシュタイン・モータースポーツ(以下VMM)、チーム・エセックス(以下TE)、ホラグ・レーシングなどといったプライベートチームにも供給され、VMMがLMP2クラスタイトルを獲得した。ル・マン24時間でも、VMMがLMP2クラス優勝を果たした。ALMSでは、アキュラが投入したARX-01bに苦戦する側面もあったが、ポルシェにとって20年ぶりにセブリング12時間レースで総合優勝を飾り、最終的にはペンスキー・レーシングがLMP2クラスタイトルを獲得している。
2009年のル・マン24時間レースは、TEがLMP2クラス優勝を飾った。なおこのレースには、日本のNAVI TEAM GOHによるオペレートで、ドライバーに荒聖治、国本京祐といった日本人ドライバーを起用し、日本色の強い体制で参戦したが、完走することはできなかった。
エンジン排気量は、LMP2規定でのリミットであるNAの3,397cc 90度V型8気筒DOHC4バルブ。規定で吸入空気量を制限するリストリクターが1個エアインレット部に装着している。燃料供給は、DFIと呼ばれる、各シリンダーへのダイレクト・インジェクションシステムを採用して効率的に高出力と高燃費を獲得した。リストリクター径の規定により変化するが公称出力は約500馬力(ポルシェは503馬力としている)。
モノコックとギアボックスケーシングにカーボンファイバーを使用している。カーボンファイバー製部品は全てポルシェ製。モノコックにエンジンをダイレクトマウントしている。ポルシェの方針として、プライベーターへの負担低減のため、高価で非現実的な素材の使用が意図的に抑えられている。
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