ホームレス中学生
お笑い芸人・田村裕(麒麟)の自叙伝 ウィキペディアから
『ホームレス中学生』(ホームレスちゅうがくせい)は、お笑いコンビ・麒麟の田村裕による自叙伝。2007年8月31日にワニブックスより刊行され、自身の幼少時代から相方の川島明との出会いまでが描かれている。
概要
バラエティ番組『人志松本のすべらない話』(フジテレビ)に田村が出演した際、自身の悲惨な生い立ちを語って爆笑を取ったのを見たワニブックスの編集部が田村に依頼したのが、本作執筆の契機である。しかし、この時は田村が文章を書ける能力があるのか疑わしかったため、相方の川島が代筆する予定であったことを後年になって川島自らが明かしている[1]。しかし、最終的には川島が固辞したため、田村が執筆することとなった[1]。
表紙は、田村が公園で生活していた時期に食べたことのある段ボールをモチーフにしている。2008年10月時点で225万部を売り上げており、ワニブックス史上最高の売り上げを記録した。この人気を受けて急遽メディアミックス化が決定し、漫画・映画・ドラマが制作された。
コミックスは2008年1月17日に発売され、韓国や台湾でも出版されることが決定した。同年4月24日には続刊が発売された。よしもとファンダンゴとウェブドゥジャパンにより、携帯電話向け『麒麟・田村の貧乏脱出超作戦』も配信されている。また、田村の兄である田村研一が著した『ホームレス大学生』がワニブックスより2008年10月10日に発売され、本作もドラマ化されている。
前述の通り、本作は大ベストセラーとなったが、田村は2021年1月に受けた週刊女性PRIME内のインタビューにて「(自身の)芸能生活という点では必要のなかったドーピングだったかなと。コンビでジワジワ頑張っていたところ、『ホームレス中学生』というドーピングによって、一気に実力以上の場所に行ってしまい、その反動で僕は落ちてしまったので。あれがなければ芸人としてまた違った結果になったのかなという気もします。」と皮肉にも本作の大ヒットがその後の芸人人生を大きく変えてしまったとして、現在(2021年時点)では本作の出版を後悔していることを明らかにしている[2]。一方、その間にも文句を言わずに支えてくれた川島に感謝しているとも語った。
2024年7月19日には、田村による新作エピソード「お兄ちゃんの痕跡」「うちの子に迎えよう」、研一との対談「思い出、答え合わせ対談」を追加した『新装版 ホームレス中学生』が、ワニブックスより発売予定。小中学生向けに文字を大きくしてふりがなも増やしたほか、帯コメントを川島が担当している[3]。
3 sources
映画
2008年10月25日に東宝の配給により公開。上映時間116分。興行収入6.2億円。
なお、同日にまったく別の作品である『ホームレスが中学生』(城定秀夫監督)が上映開始された。
製作権は東宝が獲得していて、2008年6月に公開予定だったが、製作スケジュールの都合により急遽10月25日公開に変更された。
キャスト
主題歌
- 天上智喜//CLIFF EDGE -「Here」
スタッフ
- 監督:古厩智之
- 脚本:後藤法子、古厩智之
- 音楽:上田禎
- 撮影:藤石修
- 美術:松宮敏之
- 編集:大重裕二
- 録音:日比和久
- 照明:沢田敏夫
- 整音:久連石由文
- 音響効果:柴崎憲治
- VFXスーパーバイザー:小田一生
- VFX:ナイス・デー
- 現像:東京現像所
- アソシエイトプロデューサー:窪田義弘、梅村安
- エグゼクティブプロデューサー:市川南、清水賢治、岡本昭彦
- 総合プロデューサー:臼井央、種田義彦、片岡秀介
- プロデューサー:富田敏家、前田茂司
- 製作者:島谷能成、亀山千広、水上晴司、横内正昭、島本雄二、中沢敏明、周防郁雄
- 製作:「ホームレス中学生」製作委員会(東宝、フジテレビジョン、よしもとファンダンゴ、よしもとクリエイティブ・エージェンシー、ワニブックス、電通、セディックインターナショナル、バーニングプロダクション)
- 制作協力:東宝映像制作部、楽映舎、東映京都撮影所
- 制作プロダクション:セディックドゥ
- 配給:東宝
テレビドラマ
2008年7月12日に、フジテレビ系列の『土曜プレミアム』内で放送された。放送時間は、21:00 - 23:25(JST)。原作と一部の登場人物の名前や作品の設定が多少異なっている(視聴率:関東地区18.8%・関西地区26.0%・北海道19.1%)。
また2009年4月12日には第2弾が放送された。サイドストーリーである『ホームレス大学生』の事実上の映像化であるが、視聴率は10%を切っている(視聴率:関東地区7.7%)。
キャスト(テレビドラマ)
- 第1弾
- 第2弾
主題歌(テレビドラマ)
- 天上智喜//CLIFF EDGE-『Here』
スタッフ(テレビドラマ)
エピソード
- 印税や版権などの合計で2億円が最終的な金額になるが[4]、税金として1億2千万円が差し引かれ、実際に田村の手元に残るのは8千万円とのことだが、1年で全額使い切ってしまっている[5]。印税の使い道に関しては「父親のために家を購入する」「お世話になった人に恩返しをする」「吹田市の児童養護施設の子どもたちにおもちゃをプレゼントしたり、母校の後輩で心臓病になってしまった子に寄付をする」など、自分のことよりも他人のためにほとんど使い切ってしまったという[6]。また、後に田村が語った所に寄れば、当時は急に大金を手にしたことによってお金に関するトラブルに巻き込まれる[注釈 1]ことが多くなってしまい、それがストレスだったとも振り返っている[6]。
- 志茂田景樹は「日記の域を出ておらず、すべてにおいて底が浅い」「読んでいて納得いかないことが多い」「リアリティに欠ける」とコメントしている[7][要ページ番号]。
- 麻生太郎は「お笑いタレントが書いた本にこれほど泣かされるとは…」と作品を絶賛している。なお、麻生は本書の帯に推薦文を寄せている[1]。
- やなせたかしは本書の帯に「人々にパンを与えたアンパンマン、ハトからパンを奪った田村君。どちらの話も、みんなに生きる勇気を与えてくれる」と推薦文を寄せている[8]。なお、やなせは本書の後に発売された麒麟の単独ライブDVD「ジラフ」のイラストデザインも手掛けている[9]。
6 sources
受賞歴
1 sources
脚注
外部リンク
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