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面的に着脱できるファスナー ウィキペディアから
面ファスナー(めんファスナー)は、面的に着脱できるファスナーである。布に特殊な加工をし、主に衣類用に、再び脱着可能な状態で結合したい場合に用いられる。よく知られる商標として、マジックテープ[1](Magic Tape)、ベルクロ[2](Velcro)がある。発明者は、スイス人・エンジニアのジョルジュ・デ・メストラル。
面ファスナーは、スイスのジョルジュ・デ・メストラル(George de Mestral)が1941年にアルプスを登山したとき、自分の服や愛犬に貼り付いた野生ゴボウの実にヒントを得て[3]、1948年に研究を開始した。1951年に特許出願し、1955年に認定された[4]。1952年にはスイスにVelcro S.A.が設立され、面ファスナーを生産する一方で、各国企業にライセンスしたり現地法人を設立したりしてベルクロの名で生産させた。
日本では、日本ベルクロ(現:クラレ)が「マジックテープ」の商標で1960年から製造・販売し[5]、現在はその子会社であるクラレファスニング(旧:マジックテープ)が製造・販売している[6]。
アメリカで一般的に用いられるベルクロ(Velcro)も商標である。ベルクロはフランス語のvelour(ビロード)+crochet(鉤)の合成語である。商標権者は、1952年にスイスでVelcro S.A.として設立され、現在はアメリカ合衆国ニューハンプシャー州マンチェスターを根拠地とする、ベルクロUSA(Velcro USA)である。
商標でない名称としては、面ファスナー以外にも「パイルアンドフック」があり、軍事関係で用いられている。英語ではhook-and-loop fastenerとも呼ぶが、あまり一般的な名称とはされていない。
一般的な面ファスナーは、フック状に起毛された側とループ状に密集して起毛された側とを押し付けるとそれだけで貼り付くようになっており、貼り付けたり剥がしたりすることが自在にできる。それ以外にも、フックとループ両方が植え込まれており、フック面とループ面との区別のないタイプ(フック面とループ面との取り付け間違いが起きない)やマッシュルーム状に起毛されていて結合力が強いクリックタイプ、鋸歯状のシャークバイト(鮫歯)タイプなどのバリエーションがある[7]。
面ファスナーの表面は糸くずなどが付着しやすく、付着物により吸着力を減ずることがあり、常時小まめにそれらを取り除いておく必要がある。長期間使用しているとループ部がフックによって損傷、劣化し、吸着力が落ちていくので適度にループ、フック共に交換するのが望ましい。また材質的に熱に弱く、アイロンを当てる時に変形して吸着しなくなる危険性がある。
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