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ブーメラン効果(ブーメランこうか、英語: boomerang effect)とは、物事の結果がブーメランの飛行軌道のようにその行為をした者自身に主に負の効果をもたらす現象のこと。また、ブーメランのように、一度離れたはずの出発点に戻ってきてしまう現象のこと[1]。本来ならばブーメランが手元に戻ってくることは利点であるが、この場合は投げた自分が受け損なったブーメランの打撃を受けてしまうという連想から来ている。過去の発言と矛盾した言動をしていることが発覚した人物に対しても使われる[2][3][4][5]。
ここで言うブーメランとは一般的に連想される手元に戻る機能を持ったものを示している。ブーメランの戻る機能は一部の十分条件であり、必須条件ではない。
先進工業国が持つ生産技術などを、市場の拡大や他市場への参入などの目的で発展途上国に移転することがある。生産技術が確立されると生産が拡大され、やがてもともと技術を持っていた先進工業国への輸出が増大して、自国製品と競合することとなる。発展途上国の輸出品は低賃金といった地の利を生かしてシェアを伸ばし、もともと技術を持っていた企業などから見れば「市場を脅かす存在」となってしまう。
篠原三代平が提唱した言葉。実例として、命名のきっかけとなったのが、1972年から1973年の間に起こった日本の繊維製品輸入の急増である。日本企業が、低賃金で収益性の高い東南アジア諸国に技術を供与し、現地企業や合弁会社などを設立して生産を増やした結果、1年間に日本の繊維製品輸入量は3倍以上に激増した。篠原は、アジア中進国の発展が日本に及ぼす輸出拡大効果を「正のブーメラン効果」と呼び、追い上げ脅威論といった「負のブーメラン効果」と比較して勝るとも劣らないと指摘している[8]。
近年でも多数の例が見られる。日本では家電製品や繊維製品などで顕著であり、繊維製品については日本製品のシェアが著しく低下し、輸入品が大半を占めることとなった。
当初、アメリカの社会心理学においては、被説得者の態度変化が説得者に反映して説得者の態度が変化するという意味に用いられていた。今日、世界中の社会心理学においては、説得者がコミュニケーションによってほかの人物を説得しようとするとき、説得をすることによって、説得される側が説得者の説得意図とは逆の方向に意見を変えてしまう現象の意味に用いられている。榊博文の、さまざまに条件を変えた一連の実験的研究、及びドイツという西洋文化における研究においても、コミュニケーション・ディスクレパンシーがほとんどない時、すなわち説得者の態度・意見と被説得者の態度・意見とがほとんど同じ時に、この現象が生じるという。また、社会的問題・現象においても、例えばマスメディアや政治家が大衆を説得する時にも、大衆が考えていることと同じことを主張すると、大衆はブーメラン効果を起こすことがある。榊博文は、説得者が被説得者の態度・意見と同じことを主張した時に、被説得者がブーメラン効果を起こす現象に疑問を持ち、この現象を説明するために「認知の陰陽理論 Yin and Yang Theory of Cognition 」を構築した。また、ブーメラン効果が生じない社会的問題・現象も、この理論で説明している。 また、説得される側が、説得する側を信用していないときにも生じうる。 情報操作においては、国家権力などがブーメラン効果を利用して、国民を操作することも可能である。
この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
故意または過失を構成要件要素とする日本刑法学の通説を前提とする場合に発生するとされる問題。
故意犯が成立しないとなった後に、過失犯の検討に移ることになる現象を意味する[9]。
誤想防衛の場合には、行為者は違法性阻却事由該当事実があると認識しているから、故意が阻却され、故意犯が成立しない(通説)。ここで、誤想したことについて過失がある場合、過失犯を処罰する規定が当該罪に存在するときには、過失犯が成立する(たとえば殺人の故意が阻却されたあとの過失致死)。このとき、一旦構成要件段階で故意(構成要件的故意)があることが認められたはずなのに、行為者の責任を検討する段階で故意(責任故意)が阻却され、次に再び過失行為として構成要件該当性を検討することになってしまう。そのため、そもそも構成要件の段階で故意犯と過失犯を特徴づけてそれぞれ限定すること自体に疑問が呈されることになる。
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