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日本のライトノベルシリーズ ウィキペディアから
『ブギーポップシリーズ』は、上遠野浩平による日本のライトノベルシリーズ。第1作『ブギーポップは笑わない』は第4回電撃ゲーム小説大賞受賞作品で[4]、著者のデビュー作でもある。イラストは緒方剛志が担当。電撃文庫(KADOKAWA)より1998年2月から刊行されている。2018年12月時点でシリーズ累計発行部数は480万部を突破している[5]。
ブギーポップシリーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ジャンル | 学園[1]、セカイ系[2]、SF[1]、群像劇[3] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
小説 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
著者 | 上遠野浩平 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イラスト | 緒方剛志 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出版社 | メディアワークス →アスキー・メディアワークス →KADOKAWA | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | 電撃文庫 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
刊行期間 | 1998年2月10日 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
巻数 | 既刊25巻(2024年6月現在) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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映画:ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
監督 | 金田龍 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
制作 | メディアワークス、博報堂 東映ビデオ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
封切日 | 2000年3月11日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
上映時間 | 109分 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
テンプレート - ノート | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロジェクト | ライトノベル・漫画 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ポータル | 文学・漫画 |
“世界の敵”と戦うために一人の少女の中から浮かび上がってくるブギーポップと名乗る人格と、様々な夢や、希望や、あきらめや、悩みや、いろいろな思いを持っている少年少女達の物語。「ブギーポップ(不気味な泡)」とは、周囲に異変を察知した時に自動的に人格が浮かび上がってくることを由来とする、同名のキャラクターの自称を指す。作者自身は一作目で『笑わない』は完結しており、その後のシリーズ作品は『笑わない』の姉妹作に当たると説明している[6]。
この作品記事はあらすじの作成が望まれています。 |
記事の体系性を保持するため、 |
下記のいくつかは他の上遠野作品にも多く登場しており、そういった用語は説明を補足して表記する。
眉村卓などのジュブナイルSF小説に菊地秀行や荒木飛呂彦などの作品要素を加え、現代的にアップデートした本作のヒットは、『ブラックロッド』(古橋秀之著)によって源流が作られた、先行レーベル以上にゲーム的なSFファンタジー小説という電撃文庫の個性を強めると同時に、ライトノベルレーベルとしての電撃文庫の立ち位置を明確にした[要出典]。
また、ライトノベル業界全体にも大きな影響を与え[8]、「ブギーポップ以降・ブギーポップ以前」という言葉を生み出した[9]。
そのため、ライトノベル作家を中心に、1990年代から2000年代にデビューした多くの後進作家に影響を与えている。西尾維新は本作ひいては上遠野浩平の作品が、執筆業を志した決定打であったと度々インタビューで答えている。上遠野との対談の際には、自身のデビュー作である『戯言シリーズ』が本シリーズのオマージュ、『人間シリーズ』が『ビートのディシプリンシリーズ』のオマージュであることを明かしていた[6]。時雨沢恵一は本作を読み、「電撃ゲーム小説大賞」への投稿を決めたと語っているほか、奈須きのこは武内崇とその実兄にある日突然「これがお前のやりたいことだ!」と、本作を見せられて宣言されたと述べている[6]。また、佐藤友哉も強い影響を受けたことが明かされている[6]。
評論家の大森望は、それまでのストーリーやキャラクターをわかりやすく面白く伝えるための文体が主流だったライトノベルにて、時系列をばらした叙述スタイルの特徴を持った本作が、昔ならそんなわかりにくい書き方はやめて最初から順番に書くべきだと言われそうなところだったが、電撃文庫ではそのスタイルがかっこよさとして売りになったのだと評価している[10]。
作家の新城カズマは、本作をライトノベルの最初に押さえたい名作のひとつとしてあげ、「スレイヤーズ!」「無責任艦長タイラー」の両シリーズの人気が作品の陽性によるものだとすれば、こちらはライトノベルにおける「陰性」「抒情性」の可能性を引き出して成功したシリーズであると紹介している。また、イラストについてもCG系のイラストレーターとして緒方剛志が大きな影響を与えたと述べている[11]。
評論家の榎本秋によると、80年代末のファンタジーブームの影響下にあったライトノベルに、うって変わって「現代もの」がメインになるきっかけとなった特筆すべき存在で、超常的な能力によるアクションを題材にとった「現代ファンタジー」や「学園異能」などと呼ばれるジャンルとして目新しく映るものだった。現代社会問題とともにキャラクター設定やストーリーを絡めて読者の感情移入をより強く誘えることもでき、それまでの(狭義の)ファンタジー色が強めだったライトノベルの中のジャンル勢力図が本作のヒット後、現代ものに傾いたと紹介されている[12]。
児童文学研究者の井上乃武によるライトノベルと児童文学の違いに対する考察で、新城カズマの「ゼロ・ジャンル」や東浩紀の「ゲーム的リアリズムの誕生」のような「文学性」によって(ライトノベルが)一般文芸や児童文学との共通の基盤を持ちつつあるという仮説が、東の「いまネットでは、上遠野浩平のデビューに切断を見出し、ライトノベルの中心をセカイ系や一般文芸との境界的な作品に定め、『スレイヤーズ!』や『ロードス島戦記』から切り離して考える言説が現れ始めている。」[13]という見方や、評論「小径から見る青空」の見解により裏付けられるものだといっていいように思われると、しかし置き去りにされている事象もあるという批判の余地の意見とともに取り上げている[14]。
言語学者の泉子・K・メイナードは『ブギーポップは笑わない』について、複数の登場人物の語りで物語構成が展開されることは本作特有のものではないが、本作では物語の中に5人の重要人物が登場し、時にはあらすじ全体が把握しにくくなるほど交錯していると述べた上で、過去のライトノベルとは異なった作風を生み出した作品として重要な地位を占めていると考察している[15]
ライターの前島賢は、2018年1月26日に朝日新聞に寄せた記事の中で、『ブギーポップは笑わない』について、「…本書が描いた等身大の『脇役』たちの悩みや、あるいはそれを通じて語られる小さな希望には、時代を超えた普遍性が宿っていると思いたい。」と評価している[16]。
巻 | タイトル | 初版発行日 | 発売日 | ISBN | 備考 |
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1 | ブギーポップは笑わない | 1998年2月25日 | 1998年2月10日[17] | 4-8402-0804-2 | |
2019年1月10日[18] | 978-4-04-912271-8 | 電撃の新文芸から発売。上記の電撃文庫版の新装版。 | |||
2 | ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター PART 1 | 1998年8月25日 | 1998年8月10日[19] | 4-8402-0943-X | 3巻との同時販売。 |
2019年1月10日[20] | 978-4-04-912272-5 | 電撃の新文芸から発売。上記の電撃文庫版の新装版。 | |||
3 | ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター PART 2 | 1998年8月25日 | 1998年8月10日[21] | 4-8402-0944-8 | |
2019年1月10日[22] | 978-4-04-912273-2 | 電撃の新文芸から発売。上記の電撃文庫版の新装版。 | |||
4 | ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ | 1998年12月25日 | 1998年12月10日[23] | 4-8402-1035-7 | |
5 | ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王 | 1999年2月25日 | 1999年2月10日[24] | 4-8402-1088-8 | |
2019年3月9日[25] | 978-4-04-912275-6 | 電撃の新文芸から発売。上記の電撃文庫版の新装版。4巻より先に発売。 | |||
6 | 夜明けのブギーポップ | 1999年5月25日 | 1999年5月10日[26] | 4-8402-1197-3 | |
2019年2月9日[27] | 978-4-04-912274-9 | 電撃の新文芸から発売。上記の電撃文庫版の新装版。4巻・5巻より先に発売。 | |||
7 | ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師 | 1999年8月25日 | 1999年8月10日[28] | 4-8402-1250-3 | |
8 | ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕 | 1999年12月25日 | 1999年12月10日[29] | 4-8402-1358-5 | |
9 | ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生 | 2000年2月25日 | 2000年2月10日[30] | 4-8402-1414-X | |
10 | ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド | 2001年2月25日 | 2001年2月10日[31] | 4-8402-1736-X | |
11 | ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト | 2001年9月25日 | 2001年9月10日[32] | 4-8402-1896-X | |
12 | ブギーポップ・スタッカート ジンクス・ショップへようこそ | 2003年3月25日 | 2003年3月10日[33] | 4-8402-2293-2 | |
13 | ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス | 2005年4月25日 | 2005年4月10日[34] | 4-8402-3018-8 | |
14 | ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟 | 2006年4月25日 | 2006年4月10日[35] | 4-8402-3384-5 | |
15 | ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド | 2008年1月25日 | 2008年1月10日[36] | 978-4-8402-4141-0 | |
16 | ブギーポップ・ダークリー 化け猫とめまいのスキャット | 2009年12月10日[37] | 978-4-04-868197-1 | ||
17 | ブギーポップ・アンノウン 壊れかけのムーンライト | 2011年1月10日[38] | 978-4-04-870122-8 | ||
18 | ブギーポップ・ウィズイン さびまみれのバビロン | 2013年9月10日[39] | 978-4-04-891870-1 | ||
19 | ブギーポップ・チェンジリング 溶暗のデカダント・ブラック | 2014年11月8日[40] | 978-4-04-869047-8 | ||
20 | ブギーポップ・アンチテーゼ オルタナティヴ・エゴの乱逆 | 2016年3月10日[41] | 978-4-04-865831-7 | ||
21 | ブギーポップ・ダウトフル 不可抗力のラビット・ラン | 2017年7月7日[42] | 978-4-04-893233-2 | ||
22 | ブギーポップ・ビューティフル パニックキュート帝王学 | 2018年4月10日[43] | 978-4-04-893800-6 | ||
23 | ブギーポップ・オールマイティ ディジーがリジーを想うとき | 2019年5月10日[44] | 978-4-04-912323-4 | ||
24 | ブギーポップは呪われる | 2023年9月8日[45] | 978-4-04-915264-7 | ||
25 | ブギーポップ・パズルド 最強は堕落と矛盾を嘲笑う | 2024年6月7日[46] | 978-4-04-915695-9 |
タイトル | 掲載号 |
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メタル・グゥルー | メディアワークス『電撃hp』3号 |
ロンドン・コーリング | メディアワークス『電撃hp』4号 |
死神を待ちながら | メディアワークス『電撃hp』5号 |
チャリオット・チューグル | メディアワークス『電撃hp』6号 |
ブギートーク・ポップライフ | CD『ニュルンベルクのマイスタージンガー第1幕への前奏曲ブギーポップ・ヴァージョン』に掲載 |
1度目のテレビアニメが『ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom』のタイトルで2000年1月から3月まで放送された[57]。
2度目のテレビアニメが『ブギーポップは笑わない』のタイトルで2019年1月から3月まで放送された[58]。
『ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others』。2000年3月11日公開[59]。第1作の映画化。
主演の吉野紗香がメディアワークス主宰のラジオ番組『電撃大賞』の第6期パーソナリティに起用された。
上遠野浩平がエキストラ(階段で本を読む男性)として登場している。
上遠野作品は全ての作品がどこかでリンクし、繋がっている。以下に、ブギーポップシリーズと直接リンクしている作品を挙げる。
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