クラウンセダン (CROWN SEDAN )は、かつてトヨタ自動車 が生産・販売していた高級セダン 型乗用車 、セダン型商用車 である。ここでは2023年 より生産・販売している富裕層 向け高級セダン型乗用車の16代目クラウンのセダンタイプについても記述する。
トヨタ・クラウン はデビュー当初から窓枠を備えた4ドアのセダン型乗用車/商用車であった。他にワゴン、2ドアハードトップ、貨物車のライトバン、ピックアップなどの派生車種はあったが、4ドアセダンがクラウンの基本の車型であり販売の中心だったため、カタログには「クラウンセダン」と明記されていなかった[1] [2] [3] [4] 。
1974年、クラウンでサッシュレスドアを備えた4ドアタイプのハードトップ (以下「HT」と表記)が初めて登場した5代目のS80・100系 以降のモデルではマーケティング上、個人ユーザー向けはサッシュレスの2ドア/4ドアのHT、法人ユーザー向けは窓枠付きの4ドアセダンという棲み分けになった。4ドアHTと窓枠付きの4ドアセダンを区別する必要が生じたため、この代から窓枠付きの4ドアが「クラウンセダン 」と呼ばれるようになり、カタログにもそう明記されるようになった[5] 。
5代目クラウンのカタログの3ページ目には、4ドアHTについて「セダンとも、ハードトップとも違う第3のスタイリング。新しい高級車となるかたち、4ドアピラードハードトップ[注釈 1] <パーソナルセダン>がニュークラウンに新しく加わりました。」と書かれており、4ドアハードトップが個人ユーザー向けの商品であることが明示されている[5] 。
クラウンの2ドアHTは110系 を以って廃止されたため[注釈 2] 、トヨタの日本国内市場のマーケティング上、個人ユーザー向けのクラウンは10代目までサッシュレスの4ドアHTが担うことになり、窓枠付きのセダンとの棲み分けがなされた。
逆に、海外仕様のクラウンは、150系の移行に伴いクラウンの海外販売が中止されるまで、窓枠付きのセダンタイプのまま輸出が継続された。クラウンの4ドアHTは日本国内専用車に近く、7~8代目が中東などの一部地域に若干数輸出されたに過ぎない。
10代目クラウンの150系までは、窓枠付きのタイプはクラウン のセダン 型という位置づけであり、ロイヤルサルーンやパトカー 仕様、タクシー 仕様、教習車 仕様などが存在した。正式な車種名は「クラウンセダン型(セダン系)」であった。
クラウンセダンは主として公用車・社用車 、ハイヤー 、個人・法人タクシー 、パトカー 、教習車 といったビジネスユース向けのモデルであったが、いずれの代のクラウンセダンも、一般ユーザーが購入可能であった。
2001年に登場した10系(XS・BS10系) クラウンセダンからは車種の性格が、X80型マークII セダンをベースとしたクラウンコンフォート の装備および内外装を充実させたモデルという位置づけに大きく変更された。そのため、XS10系は本来のクラウン[注釈 3] との設計上の結びつきはほとんど存在せず、市場でも150系までのクラウンセダンと、XS10系の違いは認識されている。3ナンバー車の設定があることや、アルミホイール を装備するオプションがあることが、クラウンセダンとクラウンコンフォートの主な相違点である。ただし、トヨタが公表している車両系統図上は、150系クラウンセダンの後継がXS10系クラウンセダンとなっている[6] 。
本流のクラウンは1999年にモデルチェンジした11代目で、従来のサッシュレスのHTから窓枠を備えたセダンに変更されたが、こちらは「クラウンセダン」とは呼ばれなかった[7] 。トヨタの公式な車両系統図では、11代目クラウンは10代目クラウンHTの後継という位置づけになっている[8] 。
よって、本項でもトヨタの公式な考え方に従い、11代目から16代目までのクラウンは「クラウンセダン」として取り扱わない。
パトカーは150系までクラウンセダンを採用していたが、XS10系クラウンセダンは採用されず、11代目以降の窓枠付きとなったクラウンが採用されることになった[注釈 4] 。
日本国内の需要減少および北米向けトヨタ・アバロン を統合することにより、16代目ではクラウン(クロスオーバー) 、クラウン(スポーツ) 、クラウン(エステート) 、そして従来通りFRベースのセダンタイプとなるクラウンの4タイプで構成されることとなった。16代目クラウンのセダンタイプは他タイプとの区別のため、外部メディアでは「クラウンセダン」と呼称されることが多い。
80系クラウンセダン 2000スーパーサルーン(1974年10月発売型)
80系クラウンセダン(輸出仕様)
1974年 10月に登場。日本国内向けの4ドアHTの発売に伴い、「クラウンセダン」という名称で登場する[5] [9] 。前モデルのスピンドルシェイプから直線基調のスタイルに一転した。セダンは最上級グレードに「ロイヤルサルーン」が追加される。グレードはスタンダード/デラックス-A(従来のオーナーデラックス)/デラックス/スーパーデラックス/スーパーサルーン/ロイヤルサルーンの6種類[5] 。エンジンはM型6気筒2,000ccを中心に4M型2,600cc6気筒とタクシー用LPG仕様の5R型4気筒。LPG仕様には6気筒M型エンジン車の設定もあり、型式はMS80(M型)RS80(5R型)MS85(4M型)であった。スタンダードは総輪ドラムブレーキ とタクシー専用のインパネを採用し、計器盤を改造することなくタコグラフと料金メーター・無線機の取り付けに対応していた。冷房装置は吊り下げ式クーラー。
1976年 5月 - 2000EFIのみ51年排ガス規制適合。型式はセダン/ハードトップ共通のC-MS100型。
1976年11月 - マイナーチェンジ/内装色を同系色で統一(STDとDX-A除く)/AT車に足踏み式パーキングブレーキの採用。
1977年 10月 - L型 2,200ccディーゼルエンジン 搭載車追加。
1978年 2月 - 再度のマイナーチェンジでテールランプにはフォードサンダーバード風にクラウンの王冠のマークが入る。フロントのクリヤーランプもサイドまで回りこむデザインに。
1978年9月 - ディーゼルエンジン搭載車に4速オートマチックを追加(ただし寒冷地仕様 車には設定無)。
110系クラウンセダン
1979年 9月に登場。タクシースタンダード・スタンダードは丸目4灯シールドビーム と総輪ドラムブレーキ、デラックス以上は角目4灯ライト(ただしスーパーサルーン以上はハロゲンビーム化)と前輪ディスクブレーキ(ロイヤルサルーン系は更に後輪もディスクブレーキ化)だった。グレードはタクシーSTD/STD/DX-A/DX/スーパーDX/スーパーサルーン/ロイヤルサルーンの7種類。エンジンは2,600cc車は排気量アップされた2,800ccの5M-EU型と既存の6気筒2,000ccM型と5R型4気筒LPG・L型4気筒ディーゼル。タクシースタンダード仕様はタクシー専用グレードで計器盤もタクシー専用・冷房装置も吊り下げ式クーラーとなっている。
1980年 1月 - M型6気筒LPG仕様を追加。
1980年11月 - 6気筒2000ターボ車を追加。タコメーターが装備される。既存グレードは一部変更でパワーウインドにロック機構を追加/DX-A以上の2,000cc車はバンパーモールが大型化される。
1981年 8月 - マイナーチェンジで異形2灯に変更された(但しタクシースタンダード・スタンダードは丸型4灯シールドビーム)。スーパーデラックス以上はヘッドランプ一体型フォグランプを装備。2000EFIは軽量・コンパクトの1G-EU に変更されAT車は2ウェイODつきで燃費を大幅に向上した。2,800cc車にはDOHC 車も追加された。6気筒LPG車にはフロアAT車を追加。
1982年 8月 - ディーゼル車のモア・パワーの声にこたえてターボディーゼル車を追加。L型2200ディーゼルの排気量をアップした2,446ccの2L-T型を搭載し96馬力までパワーアップした。
120系クラウンセダン(2800ロイヤルサルーン 1983年9月発売型)
120系クラウンセダン 3000ロイヤルサルーンG(1985年型)
1983年 9月に登場。スタンダードのみ丸目シールドビーム4灯ヘッドランプと総輪ドラムブレーキを採用しており、ロイヤルサルーンGが追加される。パトカー仕様は当初2,800ccエンジンでスタンダードボディにワイドバンパーというデザインだったが途中で角目2灯ライトに変更されている。タクシー仕様の4気筒車は5R-PU から3Y-PU に変更された。またLPG仕様車のインパネは全車タクシー専用計器盤となった。
エンジンはLPG仕様が2,000ccの3Y-PU型4気筒OHV・M-P型6気筒SOHCが、ガソリン車が2,000ccの 1G-EU 型SOHC6気筒・1G-GEU型6気筒DOHC・M-TEU型6気筒SOHCターボ、2,800ccの5M-GEU型DOHC6気筒(MS123型)、ディーゼル車が2,400ccの2L型とターボ付2L-Tの計8種類が設定。2,000ccキャブレターのM-U型SOHC6気筒車は廃止された。ロイヤルサルーン系にはペガサスと呼ばれる伝統のペリメーター型フルフレーム に4輪独立懸架 サスペンション が組み合わせられた。
ロイヤルサルーンG、ロイヤルサルーン、スーパーデラックス(ターボディーゼル)にタコメーターが装備された(スーパーサルーンエクストラ<ターボ車>はS110型から設定済)。
1984年 8月 - 2,800cc・5M-GEU型エンジンを3,000cc・6M-GEU型に換装した(MS125型)。ドアミラーを可倒式に変更。ターボディーゼル・AT車に2L-THE型が追加される。
1985年 9月 - マイナーチェンジで2,000ccのロイヤルサルーンに1G-GZEU型スーパーチャージャー が追加される。これと引き換えにM-TEU型の2000ターボは廃止され、バンバー内のフォグランプがフロントグリルに移動した。
130系クラウンセダン(前期型)
1987年 9月登場。スタンダードとデラックスの設定、および総輪ドラムブレーキの設定(スタンダードのみ)はこの代で最後となる。スタンダードのみ通り丸目シールドビーム4灯ヘッドランプと総輪ドラムブレーキ、スタンダードとデラックスでメッキスチールバンパーを採用した。ドアモールはスーパーデラックスから装備。フェンダーエンブレムは130系の前期型まで装備された。ドアミラーを電動格納式に変更した。
ハードトップは3ナンバー車が専用設計されていたのに対し、セダンの3ナンバーは5ナンバーにワイドバンパーと太めのプロテクトモールを装着したのみなので、ハードトップとは全幅が異なる、このモデルが歴代最後のフレームシャーシとなる。
すでに年式が古くなったものの、一部カスタマイズの人気が根強く、セダン/ワゴン/バンの純正コラムシフト車は販売台数が少ないためやや高価で取引されており、スタンダードとバンに装着された丸目4灯ライト&メッキバンパーへの改造、およびセパレートシートのフロア車をベンチシートのコラム車への改造もある。
1988年 9月一部改良。1G-GZEをハイオクガソリン化で170PSへ、1G-GEを140psから150psにパワーアップ、1G-Eを1G-FEに換装した。またAT車全車にシフトロック装置を装備。
1989年 8月 - マイナーチェンジ。4.0LのV8仕様がセダンにも設定された。2.4Lディーゼルエンジンをパワーアップ(2L-THE 94ps→100ps、2L-T 85ps→94ps、2L 73ps→85ps)。6気筒LPGエンジンがM-Pから1G-GP(82ps→110ps)に変更。4気筒LPGエンジンが3Y-P から電子制御キャブレターの3Y-PE(79ps→82ps)に変更される。
1990年 9月 2.5Lの1JZ-GEを搭載した2500ロイヤルサルーンを追加。セダンからは5ナンバー登録(1G-GZE、1G-GE)のロイヤルサルーンは廃止。
1991年 11月にハードトップは140系にモデルチェンジされたが、セダンは外装・内装の各種意匠変更を中心とした大規模なマイナーチェンジを実施して継続生産された(ただし、自動車型式認定制度上では車両型式そのものは同一であっても、外装・内装の意匠が大幅に異なっているため事実上、フルモデルチェンジ扱い となる)。営業車6気筒LPGエンジン車にロイヤルサルーンが追加された。このマイナーチェンジに伴い、これまでのM型 エンジンから140系ハードトップにも搭載されたJZエンジン に変更(3.0Lが対象、2.5Lは1990年の改良で搭載済み)された。また、このマイナーチェンジでセダン・バン に関わらずスタンダードにもようやくフロントディスクブレーキ(ベンチレーテッドタイプ)とパワーステアリング(エンジン回転数感応油圧式)が標準装備された。テールランプはデラックス系列とロイヤルシリーズでそれぞれ異なりロイヤルシリーズでは80系マークII(ハードトップ)風のものが採用された。ハードトップ MTは130系までであるが(S140系以降はATのみ)セダンは 150系前期型まで設定されていた、(一般向けは2.0L車のみの設定、パトカー用には3.0LのMT仕様が製造されていた)2L-T、2Lエンジン廃止。ディーゼルエンジン搭載車はATのみとなった。営業車はLPGエンジンのみとなる。2500スーパーサルーンエクストラを追加。2000・3ナンバー車スーパーサルーンエクストラにタコメーター装着。
1992年 10月 - セダンの5ナンバー車に2000スーパーサルーンエクストラが復活。タコメーターを標準装備。
1993年 8月 - 一部変更。3ナンバー車はフロントグリルに4本のタテ線が入る。その他エアコンの代替フロン 化、セダンのスタンダードは4気筒LPG車のみとなりフロアシフトのAT車が追加された。2400EFIターボディーゼルエンジンを2L-THEから2L-TEに換装した。
パトカー仕様はほとんどが廃車 となっているがサスペンスドラマなどでは劇用車 としてよく使用されている。
1995年 11月[10] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
1995年 12月 - 5代目にバトンタッチして販売終了。
概要 トヨタ・クラウンセダン(5代目) GS151(H)/JZS15#/LS151(H)型, 概要 ...
トヨタ・クラウンセダン(5代目)GS151(H)/JZS15#/LS151(H)型
150系前期型 スーパーサルーンエクストラ 前部
150系後期型 スーパーデラックス
150系前期型 スーパーサルーンエクストラ 後部
概要 販売期間
1995年12月 - 2001年8月 ボディ 乗車定員
5名 ボディタイプ
4ドアセダン 駆動方式
四輪駆動 / 後輪駆動 パワートレイン エンジン
2JZ-GE 型 3.0 L DOHC 1JZ-GE型 2.5 L DOHC 1G-FE型 2.0 L 直6 DOHC 1G-GPE型 LPG 2.0 L 直6 DOHC(営業車) 2L-TE型 ディーゼル 2.4 L 直4 ターボ(1999年発売型まで) 変速機
4速AT 5速MT(1999年発売型まで) 前
4輪ダブルウイッシュボーン 後
4輪ダブルウイッシュボーン 車両寸法 ホイールベース
2,780 mm 全長
4,695 - 4,820 mm 全幅
1,695 - 1,760 mm 全高
1,450 - 1,460 mm 車両重量
1,550 kg その他 ブレーキ
4輪ディスク データモデル
1999年発売型 3.0 ロイヤルサルーンG テンプレートを表示
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主なグレードは、以下のように4種類あった。特徴と共に記述する。
ロイヤルサルーンG - 運転席・助手席にもパワーシートを装備。2JZ-GE 3.0L(2,997cc)搭載。JZS155型。クルーズコントロール 機能付き本革巻きステアリングを装備。
ロイヤルサルーン - アルミホイールを装備する。後輪にもディスクブレーキを装備。内装も充実している。2JZ-GE, JZS155型。1JZ-GE 2.5L(2,491cc), JZS151, JZS153型(4WD,"i-Four")。2L-TE, LS151H型(1999年発売型まで)。キーレスエントリーの装備が可能。
スーパーサルーンE(エクストラ) - 外見的にロイヤルサルーンに類似するが、5ナンバーサイズ、4WDも存在した。1JZ-GE、または、1G-FE 2.0L(1,988cc)を搭載。JZS151,JZS153,GS151(H)型。1G-FE車には、アルミホイールやジャカードモケット・シート表皮(ロイヤルサルーンと共通)、キーレスエントリーを装備するオーナードライバー向けの「ロイヤルSパッケージ[注 1] 」も設定された。
スーパーデラックス - 1G-FE, GS151型。2L-TE, LS151型(1999年発売型まで)。5ナンバー。
1995年 12月 - 150系にフルモデルチェンジ。全グレード、SRSエアバッグ [注 2] ・ABS を標準装備する。スタンダードやデラックスなどの法人タクシー仕様はクラウンコンフォートに移行され廃止される。コラムシフト車も廃止。但し個人タクシー ・ハイヤー向けの6気筒LPGエンジン車は継続設定され(スーパーデラックス、同Qパッケージ、ロイヤルサルーンの3種)、電子制御キャブレターの1G-GPEに換装された。ガソリン車は4WDも設定された。マークIIセダンが廃止されたことに伴いパトカーに2.0Lが追加された[注 3] 。また、企業や官公庁 向けに特化した従来のデラックス相当のスーパーデラックスDパッケージ(パワーウィンドウ=フロントのみ、プロテクトモール=装着せず、他)も存在していたが非常に数が少ない。ワゴン・バンは1999年 の170系エステート登場まで130系が継続生産される。この代のみトヨタテクノクラフト の特装車扱いでCNG車 が設定された。
1996年 9月 - 1JZ-GEをVVT-i 化(180ps→200ps)。
1997年 7月 - マイナーチェンジ。1G-FE車のATをECT化と同時に出力を135ps→140psに向上。ロイヤルサルーン/Gでは、メータがオプティトロン 化される。
1998年 8月 - 1G-FEもVVT-i化(140ps→160ps)と同時にECTをECT-iE化。ガソリン車は、排ガス記号が、GF-に変化。
1999年9月 - マイナーチェンジ。ディーゼルエンジン廃止と3.0Lのパトカー仕様を除きMT車廃止。Cピラーエンブレムには王冠マークの下にSEDANの表記が追加され、フロント両端のウインカー が前面はバンパー内から車幅灯内へ、側面は車幅灯一体からフェンダー後部へ移動。
2001年 7月[11] -生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
2001年 8月 - 車種整理により3ナンバー仕様車はセダン化された170系ロイヤルシリーズに合流。5ナンバー仕様はクラウンコンフォートの兄弟車にフルモデルチェンジされる。
全グレード4輪独立懸架・4輪ディスクブレーキ標準装備。
この代まで中国・中近東向け左ハンドル仕様が輸出されていた。
この代からモノコックボディ が採用された。
MT車もAT車もフロアシフトのみである(150系以外のモデルにはコラムシフトの設定があった)。
MT車の総生産数が400台弱と非常に少ない。
概要 トヨタ・クラウンセダン(6代目) XS/BS10系, 概要 ...
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2001年 (平成13年)8月 - 登場。ベースがX80型マークII のシャーシを流用したクラウンコンフォート に変わり、X90型マークII とシャーシを共有していた先代の150系クラウンセダンと比べて、ベースの設計が古くなるという逆転現象が発生した。エンジンは2.0Lのみとなる。
タクシー用途向けは、主にハイグレードタクシー として事業者に採用された。パトカー仕様は170系ロイヤルに移行された。
発売当初のグレードはスーパーデラックスと木目調センターコンソールやシート地に起毛タイプのジャガードモケットなどを採用するスーパーデラックスGパッケージで、エンジンは6気筒ガソリンの1G-FEと4気筒LPGの3Y-PE を設定。
型式は、1TR-FPE搭載車はTSS10、1G-FE搭載車はGXS12、ハイブリッドはGBS12、3Y-PE搭載車はYXS10。コンフォートシリーズとの相違点は横桟グリルとテールライトの大型化、サッシの黒枠化、フットリリース足踏み式パーキングブレーキ(クラウンコンフォートは、フロアシフト車がセンターレバー式、コラムシフト車がステッキ式)などである。同時に、内装も大半の部品が150クラウンセダンと同等の仕様となった[注 4] 。
カタログはガソリン車とLPG車で共通化された。
2001年(平成13年)10月 - 6気筒LPGエンジンの1G-GPE搭載車を追加[12] 。
2002年 (平成14年)1月 - TECS 特装車扱いとなる、1G-GPEエンジン搭載で3ナンパー仕様車のロイヤルサルーンを設定[13] 。
2002年(平成14年)10月 - スーパーデラックス・マイルドハイブリッド 追加。内装はGパッケージ相当のものが標準装備された[注釈 5] 。LPGエンジンは3Y-PEに一本化され、1G-GPE搭載のロイヤルサルーンは廃止となり、代替としてスーパーデラックス・Gパッケージをベースに、バンパーとサイドモールディングを大型化し、全長/全幅を4,830mm/1,710mmとしたスーパーサルーンが追加設定された[14] 。
2004年 (平成16年)6月 - 平成17年排出ガス規制に適合し、排ガス記号がTA-からABA-に変更される(ガソリン車は適合せず)。また、法規に対応すべくベースのクラウンコンフォート同様にヘッドライトマニュアルレベリング機構とフェンダーのターンランプ が標準装備され(初代bB のものを流用)、ハイマウントストップランプがLED式となった。標準仕様におけるブレーキランプとテールランプの点灯バルブ数が、寒冷地仕様 と同様の数に減らされている(ブレーキランプは4個から外側2個、テールランプは6個から4個)。
2007年 (平成19年)8月 排出ガス規制に適合しない1G-FE搭載車が廃止された(マイルドハイブリッド仕様は17年規制をクリアしていたため継続)。さらに3Y-PE搭載車に設定されていたコラムシフト車も廃止した。
2008年 (平成20年)4月 - マイルドハイブリッドの生産を終了。ガソリン仕様が廃止された。
2008年(平成20年)8月21日 LPGエンジンをこれまでのOHV・電子制御キャブレター エンジンの3Y-PE型から、ダイナ やトヨエース にも搭載される液体噴射仕様のDOHC・VVT-i エンジンの1TR-FPE型に変更されたことで出力は従来の79PSから116PSにまで向上している[15] 。型式もTSS10に編入され、全車にトヨタ・ストップ&スタートシステムとリヤシートの自立式シートベルト バックルを標準装備とした。また、フロントエンブレムはS170系クラウンと共通の立体仕様からクラウンコンフォートで採用されていた金メッキに変更され[注釈 6] 、前席と後席の灰皿は今回からメーカーオプションとなり、スーパーデラックス系に装着されるホイールカバーはデザインこそ従来型と同一だが、光沢 仕様(ハイラスター塗装仕上げ)となっている。
2010年 (平成22年)11月 - 一部改良。LPG燃料冷却装置を設定。1TR-FPE型エンジンの最高出力が116PSから113PSにダウンし、シガーライターが電源ソケットに変更され、ドアサッシュのブラックアウト処理が塗装からテープに変更された。
2012年 (平成24年)7月2日 - 一部改良。全車にプラズマクラスター を採用し(入れ替わりに空気清浄器を廃止)、新衝突安全基準に対処すべく、リア中央席に3点式シートベルトを、リア左右席にISOFIX 対応チャイルドシート固定専用バーなどを標準装備した。また、全席のヘッドレストが大型化されると同時に「スーパーサルーン」と「スーパーデラックス・Gパッケージ」に装着されていた助手席側ヘッドレストの中折れ機能、ならびに後席ヘッドレストの前後調整機能は廃止された(上下調整機能は継続採用)[16] 。
2013年 (平成25年)10月28日 - 一部改良。新たにVSC&TRCを標準装備して安全性能を強化し、スピードメーター &タコメーター にメーター照度コントロール機能を追加した[17] 。
2017年 (平成29年)6月8日 - 受注受付終了。同時にホームページへの掲載を終了した。受注した分は2018年1月まで生産しその翌月を以って販売終了[18] 、クラウンセダン名義としての歴史に一旦、幕を下ろすこととなった。
概要 トヨタ・クラウン(16代目・セダンタイプ) AZSH32/KZSM30型, 概要 ...
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中国仕様
2022年7月15日 - オンラインで開催されたワールドプレミアでクラウン(クロスオーバー) 、およびクラウン(スポーツ) 、2代目クラウン(エステート) と共に発表された[19] 。この時は2023年 以降を目途に投入される予定とアナウンスされた。
2023年4月12日 - スポーツ・エステートと共に発表時期と写真を公開。駆動方式が、先行して登場したクラウンクロスオーバーとは異なる後輪駆動(FR)であることが公表された[注釈 8] 。発売時期が2023年秋予定とアナウンスされる[20] 。
2023年11月2日 - 公式発表(同日より注文受付開始、11月13日発売開始)[21] 。
グレード体系はクラウンスポーツ同様に「Z」のみとなる。パワートレインは2.5 Lダイナミックフォースエンジン であるA25A-FXS型 をベースに、モーターと有段ギアを組み合わせたトヨタ車初となるマルチステージハイブリッドシステムを採用したハイブリッドモデル (HEV)と、2代目MIRAI と同じシステムを用い、高圧水素 タンク3本と燃料電池 を搭載したクラウンで初となる燃料電池車 (FCEV)の2種類が設定される。ハイブリッド車はクラウンスポーツ同様にリア右下に「HEV」エンブレムを装着。燃料電池車は「HEV」エンブレムに準じたデザインの「FCEV」エンブレムがリア右下に加えてサイドにも装着される。
ホイールベースは6代目セダンに比べて215mm、15代目クラウンに比べて80mmそれぞれ長い3,000 mm(3 m)となり、後席空間の拡大に充てられている。フロントフェイスは「ハンマーヘッド」と「アンダープライオリティ」と呼ばれる大型台形グリルで構成されたフロントフェイスとなり、リアはLEDコンビネーションランプが横一文字となり、その真下中央に「C R O W N」のバラ文字ロゴを配したデザインとなった。
「Toyota Safety Sense 」はプロアクティブドライビングアシスト(PDA)の追加などを行った改良型で搭載されており、パーキングサポートブレーキは前後方静止物・後方接近車両・周囲静止物・後方歩行者に対応。高度運転支援機能の「トヨタ チームメイト」も導入され、駐車をサポートする「アドバンストパーク」と高速道路 ・自動車専用道路走行時での運転負荷を軽減させる「アドバンスト ドライブ(渋滞 時支援)」で構成される。
ボディカラーはクロスオーバー・スポーツとの共通色となるプレシャスホワイトパールとプレシャスブロンズ、クロスオーバーとの共通色であるプレシャスシルバーとプレシャスメタルに加え、黒系はセダン専用のプレシャスブラックパールとなり、セダン専用色としてマッシブグレーを設定。マッシブグレー以外のカラーはすべてメーカーオプションとなる。
注釈
クラウンの4ドアハードトップがセンターピラー (Bピラー)の存在と安全性を強調しているのは、競合車の日産・セドリック /日産・グロリア の4ドアハードトップが、センターピラーのないピラーレスハードトップであったことに対抗するためである。Bピラーのないピラーレス4ドアハードトップは窓を開けたときの開放感があるメリットがあるものの、車体強度はBピラー付きに劣り、車体剛性を確保するための補強も必要になる。クラウンハードトップは最終型の150系まで一貫してピラードハードトップであった。ただし、トヨタ自身も1980年代から1990年代にかけてトヨタ・カリーナED 、トヨタ・カローラセレス などの4ドアピラーレスハードトップを製造していた。これらの4ドアピラーレスハードトップは強化された衝突安全基準に適合しなくなったため、1990年代末までに姿を消した。詳細はハードトップ#日本車のハードトップ 、ピラー#ハードトップとピラー の項目を参照。
1981年に発売された2ドアクーペのトヨタ・ソアラ との社内競合が生じたため。
車両型式名が'S'で「クラウン」を名称とするものの、現在のクラウンロイヤル/アスリートシリーズ、クラウンマジェスタ が該当する。
各地の県警が県費でコンフォートを含むXS10系をパトカーに改造した事例は、ごく少数存在する。
ただし、アルミホイールが標準装備され、助手席オットマンシートがオプションとなる。
当改良のタイミングでクラウンコンフォートは銀メッキに変更された。
トヨタ自動車公式サイトでは単に「クラウン」のみの表記だが、メディアによっては他タイプ(クロスオーバー、スポーツ、エステート)との区別のために「クラウンセダン」と表記されることがある。スポーツ公式発表まではクロスオーバーが単に「クラウン」と称されていた。
クラウンクロスオーバーは前輪駆動(FF)ベースの四輪駆動。
リアのグレードエンブレムは「SuperSaloon E」ではなく「Royal S」となる。
ガソリン、ディーゼル車は運転席・助手席でLPG車、パトカーは運転席。LPG車はレスオプションもある。
スーパーデラックスにはタコメーターがなかったがパトカーには装備されておりMT車で装備されるのはパトカー仕様のみである。また、パトカー仕様の2.0Lには新たにAT車が設定された。
キーレスエントリーはセダンの場合、ロイヤルサルーン(ガソリン車)以上でないと標準装備されなかったため、この型にはディーラーオプションとして設定された。