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女神転生シリーズの第1作 ウィキペディアから
『デジタル・デビル物語 女神転生』(デジタル・デビル・ストーリー めがみてんせい)は、1987年9月11日にナムコから発売されたファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲーム[2]。「ナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズ」第29弾。
ファミリーコンピュータ版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」にて、シルバー殿堂入りを獲得している(#評価を参照)。
西谷史の伝奇SF小説シリーズ『デジタル・デビル・ストーリー』(1986年 - 1993年)の初作である『女神転生』を原作としたOVAと連動したメディアミックスゲーム作品として作られた(OVAの詳細は別項を参照)。登場人物と一部設定を借りている点以外は、ほぼゲーム独自の内容となっている(原作小説やOVAの続編という形をとっている。#原作小説との違いも参照)。
本作は設立から幾ばくも経っていない時期の アトラスが開発を担当した(リリース当時、開発社名は公表されていなかった[注釈 1]が、後にアトラス社による制作だと明かされている[注釈 2])。音楽は増子司、美術(パッケージイラストなど)は原典小説の挿絵およびOVAのスタッフでもあったアニメーター・北爪宏幸が担当している。説明書のイラストは江崎稔が担当。
ジャンル的には主観視点の3DダンジョンRPG。プレイヤーは主人公の中島とパートナーの白鷺を通して(操作し)、6つのエリアで構成された「飛鳥の大魔宮」(ダンジョン)を探索しながら各エリアを支配する「魔王」を倒していく。最終目的は女神「イザナミ」を囚え人の世を支配しようとする闇の大魔王「ルシファー」を倒すことである(#ストーリーも参照)。
迷宮内部においてプレイヤーは自分自身でも戦うが、クリアのためには中島朱実が作ったコンピュータソフト「悪魔召喚プログラム」を使い、「悪魔」を呼び出して徒党(パーティー)を組み共に戦うことが必須となる。悪魔は最初は迷宮の中で敵として襲ってくるが、プレイヤーは悪魔に対して様々な手法を使い(#システム参照)、仲間ならぬ「仲魔」に引き込むことで初めて操作することが可能となる。仲魔は一定数内でなら複数保有出来、さらに仲魔同士は「合体」が可能である。一定の法則に従って合体すると、より強い仲魔を生み出すことができ、パーティー強化に役立つ(「仲魔システム」・「悪魔合体」も参照)。
当時のRPGは、『ウィザードリィ』(1981年)や『ドラゴンクエスト』(1986年)など中世ファンタジーものが多かった中、(当時の)現代を舞台としている点や、「学生(高校生)の男女が迷宮に挑む」というシチュエーション、そして先述の「仲魔システム」・「悪魔合体システム」などが敵と戦うだけでは無い多様性と奥深さを与え、斬新という評を得た[3]。また、当時のファミコンRPGには珍しく、悪魔のグラフィックの一部がアニメーションで描かれている。さらに広大な3Dマップで形成された魔宮には様々な強敵・謎・トラップが用意されており、ファミコン用ゲームとしては屈指の高難易度としても知られるようになった[2]。
本作の約3年後(1990年)、同じくファミリーコンピュータ用ソフトとしてシステムを継承・改良した続編的作品『デジタル・デビル物語 女神転生II』が発売され、こちらも人気作となったが、ナムコにおける作品展開は、ここで一区切りとなる。
任天堂の据え置きゲーム機が次世代であるスーパーファミコンに移った1992年、本作と『II』を開発したアトラスが『真・女神転生』とタイトルを改め、システム面の幾つかの要素を引き継いだ新作ゲームを自社販売した。以降、アトラスはタイトルやゲームジャンルが異なるものも含めた様々な作品を現在に至るまでリリースし続けており、それらは「(真・)女神転生シリーズ」または「(真)メガテンシリーズ」と総称されているが、本作は当該シリーズの原点として公式サイトにて紹介されている[4]。
なお、アトラスは1995年にスーパーファミコン用ソフトとして『旧約・女神転生』と題し、本作と『II』をそれぞれリメイクしカップリングした作品をリリースしている。『旧約』は後にWii版(バーチャルコンソール用ソフト)としてもリリースされた(Wii版は2019年で配信・販売終了)。
詳細は#他機種版を参照。
他の家庭用ゲーム機へ(オリジナルの状態のままで)の移植は長らく行われなかった。なおデジタルデバイスまで対象を拡大すると、携帯電話用アプリゲームとして移植された事は何度かある(2004年にはiアプリ、Vアプリ、2005年にはEZアプリ用として配信)。
2020年8月20日、バンダイナムコエンターテインメントより発売されたNintendo Switch用ソフト『ナムコットコレクション』の追加DLCとして販売された。
1980年代後半。天才的なプログラミング技術を持つ高校生・中島朱実は、ひそかに「悪魔召喚プログラム」制作に没頭していた。自らプログラムを組みながらも、悪魔を召喚する目的が見つからない中島は稼動実験を躊躇していたのだが、いわれのない逆恨みで自分に危害を加えた生徒達に復讐するためプログラムを稼動、人間界に悪魔(デジタル・デビル)を召喚してしまう。しかし、それによって実体化した魔王ロキやセトは、中島の命令を無視して周囲の人間達を襲うようになってしまった。召喚者である中島自身にも危機が迫った時、彼を救ったのが転校生の白鷺弓子だった。彼女は日本創造の女神・イザナミ神の転生した姿だった。そして中島はその夫、イザナギ神の転生した姿であるという。前世からの深い因縁と絆によって結ばれていた二人は、熾烈な闘いの末に悪魔たちを撃退した。
一方、ロキやセトが倒されたことにより力の均衡が崩れた魔界では、大魔王ルシファーが人間界征服を目論み、その足掛かりとして飛鳥にあるイザナミ神の墳墓・白鷺塚の真上に大魔宮を建造し始めた。そして、一度は中島たちによって撃退されたロキとセトを復活させた上、イザナミ神をその玄室ごと魔宮に幽閉してしまった。
事態を知った中島と弓子は、囚われてしまったイザナミ神を救うため、そして復活してしまったロキとセト、大魔王ルシファー自身を倒すため、飛鳥の大魔宮に足を踏み入れる。
大魔王ルシファーが飛鳥・白鷺塚の真上に建造した広大な迷宮。大きく6つのエリアに分かれている。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 旧約・女神転生 | 1995年3月31日 |
スーパーファミコン | オペラハウス | アトラス | 16Mbロムカセット | SHVC-AKMJ-JPN | リメイク作品 |
2 | デジタルデビル物語 女神転生 | 2004年2月26日[5] |
FOMA900iシリーズ (iアプリ) |
アトラス | ビービーエムエフ | ダウンロード (メガテンα) |
- | |
3 | デジタルデビル物語 女神転生 | 2004年12月1日[6] |
ボーダフォンライブ! (Vアプリ) |
アトラス | ビービーエムエフ | ダウンロード (アトラスV-net) |
- | |
4 | デジタルデビル物語 女神転生 | 2005年9月29日[7][8] |
BREW対応端末 (EZアプリ) |
アトラス | ビービーエムエフ | ダウンロード (アトラスweb-EZ) |
- | |
5 | 旧約・女神転生 | 2012年7月3日 |
Wii | ※ Wii版へ移植した企業は非公開 | アトラス | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | スーパーファミコン版の移植。2019年1月31日 配信・販売終了 |
6 | デジタル・デビル物語 女神転生 | 2020年8月20日 |
Nintendo Switch | [注釈 4] | バンダイナムコエンターテインメント | ダウンロード | - | ファミコン版の移植。 『ナムコットコレクション』のDLCとしてのリリース |
『女神転生』はアトラスモバイルコンテンツとして2004年2月26日からNTTの携帯電話用のiアプリとしても配信が開始され、その後、ボーダフォン(現ソフトバンクのS!アプリ)やauのEZアプリ(BREW)にも移植されている。基本的にはファミコン版の要素を生かした「完全移植版」とのことだが、携帯電話版は主に以下の点がファミコン版と異なっている。
基本的にオリジナル版そのままだが、『ナムコットコレクション』自体の機能として、ゲーム中いつでも「セーブ」(ステートセーブ)が可能(最大で4ヶ所)。
増子司が作曲・編曲し、Project SATANが演奏した[9] 本作のBGMはロックを基調としている。当時の家庭用ハードで発売のRPGタイトル群ではクラシック調のBGMが最も多く使われていたが、その中で本作は珍しい存在であった[3]。
以下の曲名は本作サウンドトラック(後述)に「召喚盤」(原曲ベースの収録、詳細は後述)の曲名として記載された表記に倣ったもの。
曲名 | 使用場面 | 備考 |
---|---|---|
Step Up | ステータス画面 | |
MICOM | ミコンの街 | サントラ32曲目。3曲目の「MICOM(D.B.)」は『II』でのもの。 |
DAEDALUS | ダイダロスの塔 | サントラ33曲目。5曲目の「DAEDALUS(D.B.)」は『II』でのもの。 |
Battlefield | 通常戦闘 | サントラ34曲目。6曲目の「Battlefield(D.B.)」は『II』でのもの。 |
VIEN | ビエンの街 | |
窓明り | 辺境の店 | サントラ36曲目。4曲目の「窓明り(D.B.)」は『II』でのもの。 |
Spirit Of Fountain | 回復の泉 | |
VALHALLA | ヴァルハラの回廊 | |
Power Attack | 対ボス戦闘 | |
MARSLUKA | マズルカの回廊 | |
祈り | 邪教の館 | |
Hellfire | 炎の腐海 | |
IZANAMI | イザナミの玄室 | |
三つの珠 | イザナミ救出 | |
ANFINI | アンフィニ宮殿 | |
Last Battle | 最終ボス | |
IZANAMI II | エピローグ | |
Recollections | クロージングクレジット | |
1991年12月16日、次作である『デジタル・デビル物語 女神転生II』のBGMとカップリング収録したサウンドトラック『女神転生I・II 召喚盤・合体盤』が、ビクター音楽産業より発売された(品番VICL-40029・30)。
「召喚盤」は前述のとおりゲーム本編で流れた原曲=オリジナルをベースとして収録したもの。8台のファミコン実機を同時接続して一音源ずつレコーディングする手法が採用されており、厳密にはゲーム曲そのものとは異なるが、実機で鳴る曲よりも音色が豪華になっている。「合体盤」は米光亮が編曲を担当したアレンジ曲集[9]で、曲名が「原曲名 〜 新規和名」(例:「MICOM 〜 出発」、「Battlefield 〜 戦場」など)のような文体になっている点で異なる。今日では合体盤の曲名で原曲(召喚盤)を言い表している誤用・混同も見られる。[要出典]
ライナーノーツには、開発者である金子一魔(現・金子一馬)やゲームライター・成沢大輔らの対談やゲーム業界人のメッセージ、『真・女神転生』のコミカライズ版を描いた御祗島千明による漫画なども掲載された。
ゲーム雑誌『Beep』1987年11月号付録のソノシートにて、「Hellfire」「Bloody Sabbath」「Recollection(回想)」3曲のアレンジが収録された。このうち「Hellfire」は、ナムコ提供の深夜ラジオ番組『ラジオはアメリカン』にて、本作CMのBGMにも使われた。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.30 | 4.04 | 3.88 | 4.27 | 4.00 | 3.91 | 24.40 |
クリア後、数分待つと、「しかし…」と表示される。この状態で電源ボタンを切らずにリセットボタンを押してゲームを始めると、敵悪魔が強化されたり、店やアイテムの場所が変更されている状態になっている。
『さんまの名探偵』(1987年)から始まった吉本興業の芸人を起用したナムコのシリーズCM6本のうちの1本[14]。ナムコのコールセンター係員である西川のりおが『デジタル・デビル物語 女神転生』の(ゲーム中のヒント等の質問)電話に怯え、同僚の島田紳助がそれをなだめるコント形式の内容。同じくナムコから2ヶ月前に発売されていた『ドラゴンスレイヤーIV』(1987年)のCMが、ゲーム自体の難易度が高いためにヒント等を求め次々にかかってくる質問電話に答え、全員がパニック状態に陥るという内容だったことを受けての続編である。最後は一斉に電話が鳴って、紳助らが逃げ出すというオチになっている。当時の吉本興業の人気芸人数人を起用(明石家さんまは『さんまの名探偵』の開発、発売の経緯から出演を拒否)したため、出演費が高騰し「抱き合わせ」として本作と『ドラゴンスレイヤーIV』等のCMを企画、撮影、放送に至った経緯があった。
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