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『チョコレート・アンダーグラウンド』は、イギリスの人気作家アレックス・シアラー著の少年、少女向けのファンタジー小説、冒険小説。それを原作としたアニメ、コミック。
元々は、イギリスのBBCの子供向け連続テレビドラマとして創作されたが、評判となり小説化された。原題は、「Bootleg」(密造、密売という意味)で、日本で出版される際に、作家の許諾を得て出版元の求龍堂編集部が題名を変えてだしたところヒット作品となった。その後、ミューズ・インター社が博報堂の支援を受けてアニメ映画化を進め、この過程で集英社からコミック化も実現した。
舞台は、ヨーロッパのどこかの国。国民が、義務であるべき投票に行かなかったせいで、選挙で勝利をおさめた健全健康党(原語では「Good for You」で「GFY」と呼ばれる)がチョコレート禁止法を発令。チョコレートをはじめとするお菓子や飲み物を健康に悪いという理由だけで禁止した。こんなおかしな法律に従えるか!と、子供たちが立ち上がってレジスタンスを起こし、チョコレートの密造・密売を始める。
2004年5月に、求龍堂から金原瑞人により翻訳され出版された。
別冊マーガレット2008年2月号から2008年7月号にて山川あいじによって連載された。原作小説ではなく映画をベースとしている。全国書誌番号:00021631。
『チョコレート・アンダーグラウンド~ぼくらのチョコレート戦争~』としてアニメ化された。小説を原作としているが、シアラーの許諾を得たうえで、主人公に少女を加え、ストーリーも脚色されたオリジナルアニメになっている。2009年1月31日に、バレンタインキャンペーン用のガーナチョコ版が劇場公開された。これに先立ち、ソフトバンクモバイルとYahoo!動画で2008年6月より無料配信を行った。オリジナルアニメを劇場公開前に、携帯とネットでフルストーリーを配信するのは、世界初の試みであった。劇場版は配信版に約20分の新規映像を追加した完全版となっている[1]。
舞台設定は原作同様、ヨーロッパのどこかの国で健全健康党によるチョコレート禁止令が発令されている。人々はチョコレートを始めとするあらゆるお菓子の飲食・所持を禁じられ、健全健康党が推奨する不味い健康食のみを食べる事を強いられていた。チョコレートを隠し持とうものなら、チョコレート探知ロボット「カカオ」やチョコレート警察による暴力や家屋の破壊も辞さない過激な取り締まりによって逮捕され、強制収容所に入れられてしまう。
パン屋の息子であるスマッジャーと親友のハントリーはそんな世の中への不満を隠さず、健全健康党に忠誠を誓うクラス委員長のフランキーに目の敵にされていた。ある日の放課後、二人はいつものように好意を抱くルイーズの菓子店に行くと、ルイーズがこぼした「次のバレンタインこそ手作りチョコレートを送ろうと思ってたのに」という言葉に「誰にあげるのか」と飛びつき、ルイーズは苦し紛れにある噂に話を逸らす。それは街はずれの廃坑で密売人がチョコレートの取引をしているというものだった。
ただの噂と思いつつも、ルイーズにチョコレートをプレゼントしたい一心で二人は廃坑に向かう。そこで二人はチョコレートの包み紙と謎の文字を発見する。ハントリーはこれを暗号と考えて解読し、それに従って廃坑の奥に進むと「アンダーグラウンドチョコレートパーティ」という地下バーに辿り着く。噂の通り、そこではチョコレートの密売人による自作のチョコレートが振る舞われていた。暗号を解いた者として歓迎を受けた二人は、久しぶりのチョコレートの味に舞い上がるも直後、チョコレート警察が廃坑に踏み込んできた。なんとか逃げ切った二人は、逃走に使ったトロッコに大量のチョコレートの原料が積まれている事に気付く。
翌日、スマッジャーはバーの主催者らが逮捕された事をニュースで知る。そしてバーの客だったクラスメイトのデイブも関係者として捕まった。ただチョコレートを食べただけで犯罪者扱いされる体制の異常さに改めて憤るスマッジャーとハントリーは、手に入れた原料を使って自分達が新たなチョコレートバーを作る事を決意。しかしチョコレートの作り方など分からず、今やインターネットでもチョコレートの情報は調べられない。そこでルイーズは政府の検閲の届かない古本屋を紹介する。そこの店主ブレイズは地下バーで会った青年で、あの暗号を作った本人だった。彼の協力を得てチョコレートの作成に成功したスマッジャー達は自由とチョコレートを取り戻すべく密造・密売を始める。
ルイーズの店では合言葉でチョコレートを売り、信頼を得た客のみがブレイズの店の地下室に作られた新たなバーに招待されるようになった。噂はあっと言う間に広まり、客も増えていったが、彼らの行動を怪しんだフランキーはチョコレート警察に密告する。スマッジャーらはブレイズの店の構造を活かし、それを上手く躱したものの、ハントリーは情報が漏れた事を訝しみ、営業を一旦控えるように提案する。それに対し、スマッジャーは「ここで諦めたらせっかく灯した火が消えてしまう」と反対し、営業を続ける。しかしそれから間もなくチョコレート警察は執拗な調査によってブレイズの店の秘密を突き止め、とうとうバーが襲撃されてしまう。スマッジャーは仲間や客を逃がすために奮戦するも逮捕され、バーも壊滅してしまった。
フランキーはスマッジャーの逮捕を受けて罪悪感に苛まれ、彼が密告者であると気付いたハントリーは決闘を挑む。そこでハントリーは、ジャーナリストであるフランキーの兄のジョーがチョコレート警察に逮捕されている事と、彼の行為は全て兄の罪を軽減するためであったと知る。ハントリーとの殴り合いを経て、自分が何をするべきか悟ったフランキーは立ち上がる事を決意。ルイーズも消沈するブレイズを鼓舞していた。
健全健康党の結党を祝う「ヘルシー記念祭」の当日、収容所に入れられたスマッジャーはデイブと再会し、脱獄を図る。フランキーは公の場で健全健康党党首のヘルシーに辞職要求を突きつけ、周囲の子供らと共にレジスタンス「チョコレート・アンダーグラウンド」を名乗り、健全健康党に宣戦布告する。同時刻、ハントリー、ルイーズ、ブレイズはチョコレートを使って警備のカカオ部隊の攪乱を行い、スマッジャーも解放した囚人と共に暴動を起こして収容所を壊滅させていた。スマッジャーはハントリーらと合流し、特別棟に収容されていたジョーを救出。取り戻したチョコレートをばら撒きながらテレビ局を目指し、電波ジャックで健全健康党の真実を暴露しようとする。しかし彼らの前に対策本部長の乗る巨大兵器ネオ・カカオが立ちはだかり、トラックを壊されてブレイズは負傷し、ルイーズも捕まってしまう。しかし暴れたルイーズの足がネオ・カカオのコントローラーのコードに引っ掛かり、対策本部長はコントローラーを落としてしまう。それによってネオ・カカオは撲滅モードに入り、対策本部長の静止を聞かず暴れ出した。スマッジャーはネオ・カカオの標的として追い回されるも、チョコレートを使った作戦でネオ・カカオを自滅に追い込み、落下したルイーズもハントリーに助けられた。
式典会場には脱獄した囚人らが駆けつけ、健全健康党の目的が国民の健康ではなくこの国を牛耳る事だという真実がジョーから暴露される。その時、テレビからハントリーとスマッジャーの声が響き渡った。テレビ局のスタジオから、二人はチョコレートへのありったけの思いを国中に語る。その二人に対策本部長が銃を向けるが、外では大勢の人々がチョコレートのシュプレヒコールを上げていた。対策本部長は観念し、往生際の悪いヘルシーもフランキーの策略で完全に失脚する。人々は自由とチョコレートを勝ち取ったハントリーとスマッジャーに喝采を送り、ルイーズは「最高よ!あなた達!」と言って二人の頬にキスをするのだった。
ヘキサゴン、SMEレコーズ、博報堂、ミューズインター、ウォーターマーク、OCC[要曖昧さ回避]、セルシス、映画専門大学院大学、C.U.G.投資組合(ジェイビック・ベンチャーキャピタル)
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