Remove ads
スターオーシャンシリーズの第1作 ウィキペディアから
『スターオーシャン』(STAR OCEAN)は、1996年7月19日にエニックス(現スクウェア・エニックス)が発売したスーパーファミコン用ゲームソフト。
本作は『スターオーシャンシリーズ』の第1作であり、エニックスから発売されたスーパーファミコン用ソフトとしては最後のオリジナル作品[注 1]となった。
略称ではシリーズ全体として「SO」、後に出た同シリーズの作品と区別するために「SO1」と表記することがある[注 2]。
オーソドックスな中世ファンタジーにスペースオペラ的なSFを融合させた特徴的な世界観を持つ。しかし当時はSF一辺倒のストーリーは受け手には馴染みにくい風潮があり、間口を広めるべくファンタジー要素を強めているため、SFは薄くファンタジーの色濃い作風となっている[2]。
スーパーファミコン用ソフトとしては最大級の容量である48メガビットROMを採用し、キャラをフィールド内で自由に動かせる戦闘システムやSFをテーマとしたストーリーが話題を集めた。サウンドにおいてもクオリティが高く、サンプリング音を利用することでハードの制約である同時発音数である8音を上回ることに成功している他、サンプリングボイスの同時発音にも成功している[注 3][3]。技術的に優れた要素を見せる反面、「洞窟の中の開かずの扉」、「入れない場所」、「本作で登場していないアイテム」、「使用されていないサウンド」、「押しても意味の無いスイッチ」など、本来使用を前提としたであろう痕跡がゲーム中にいくつか残されており、容量不足と開発期間の短さによる制約は否めない。また、デバッグ不足からテキストデータの誤字や脱字、ゲームがフリーズし続行不可能になる致命的バグも多数見受けられた[3]。
開発はトライエースが行っており、同社初の開発ゲームでもある[3]。本作にはナムコの『テイルズ オブ ファンタジア』を手掛けたスタッフが参加しており、ゲーム・デザインは則本真樹、シナリオおよびプログラムは五反田義治、音楽は桜庭統が担当した。
キャラクターデザインは漫画家のMEIMUが担当。『月刊少年ガンガン』では1998年に『スターオーシャン そして時の彼方へ』の名前でかぢばあたるによって漫画版が連載された。この漫画では過去の世界のキャラが誰一人として仲間に加わらず、終始現代世界のキャラ4人で行動する(過去に行く時に離れ離れにならない)などのゲームとは若干異なっている点もある。
2007年12月27日には本作のリメイク作品であるPlayStation Portable用ソフト『スターオーシャン1 First Departure』が発売された[4]。2019年5月には同リメイク作品に様々な要素を追加したHD移植版『STAR OCEAN First Departure R』がPlayStation 4 / Nintendo Switch用ソフトとして発表され[5]、2019年12月5日にダウンロード専用で発売された。
リアルタイムで行なわれる戦闘は本作の特徴の一つとなっている。敵味方が同一の戦闘フィールドに配置されており、自由に移動しながら攻撃や呪紋の詠唱などの行動をとることになる。ただし、自由に移動できるといっても後続のシリーズ作品とは異なり、ボタン1つで簡単に移動できるわけではない。
エンカウント方式はランダムエンカウントを採用している。戦闘の参加メンバーはラティを含めて4人まで。基本的にプレイヤーはラティを操作し、他の仲間は事前に設定した「作戦」に基づいたオート行動をとる。戦闘中操作キャラを変更することは可能だが、その際にラティは待機状態となる。ラティ以外の仲間は戦闘に参加していない控えのメンバーと交代が可能である。
攻撃はAボタンを押したあとターゲットを選択し、その決定にAボタンを押せば通常攻撃、戦士の場合LまたはRボタンを押せば事前にセットした必殺技で攻撃する。必殺技はLボタン、Rボタンそれぞれにショートレンジとロングレンジに1つずつの計4つセットすることができる。レンジは操作キャラと敵との距離によって変化し、押したボタンのレンジにセットされている必殺技が実行される。戦闘スキル「リンクコンボ」を習得していればスキルレベルに応じて必殺技を繋げることができ、戦闘中ボタン1つで最大4つまでの必殺技を連続して使用することができる。リンクコンボは複数のキャラクターを操作しようとする際には必須のスキルといえる。
攻撃を伴わない移動はYボタンで移動先のカーソルを出し、任意の地点を決定することで行なう。このように手間がかかり、方向ではなく地点への移動のため相手の攻撃を緊急に回避するために移動を利用するということは難しい。
キャラクターのレベル以外の育成システムに「スキル」システムを採用している。町にあるスキルショップでスキルの情報を購入し、「スキルポイント(SP)」を振り分けることで「スキルレベル(SLV)」を上げることになる。スキルは大きく「通常スキル」、「戦闘スキル」、「流派スキル」、「奥義スキル」の4つに分かれる。スキルショップでは通常スキルと戦闘スキルの情報を購入でき、一度スキルの情報を買うとその後加わるキャラクターを含めてパーティ全員がそのスキルを習得する
『SO2』と異なり、最初から各キャラクターが特定のスキルを習得しているということはなく、スキルショップで購入しない限りSPは流派スキルにしか割り振ることはできない。スキルは何種類かまとめたスキルセットの形で売られていて、スキルショップ毎に3つのスキルセットを扱っている。通常スキルはスキルショップでは「知識」、「感覚」、「技術」の3つの系統に分かれ、「戦闘」とあわせて4系統のスキルがさらに3段階に分かれて「知識1」、「戦闘3」のような形で売られている。
スキルのうち最も種類が多いのが「通常スキル」で「包丁」や「生物学」など全部で28種類ある。いくつかのスキルにはSLVを上げることでステータス上昇が設定されているものがある。また1つから3つ程度のスキルのレベルを上げることで「特技」を習得し、さらにその特技レベルを上げることができる。例えば「包丁」「レシピ」「目利き」を習得すると「料理」を覚え、「危険感知」のスキルを習得すると「スカウト」が使用可能になる。
戦闘スキルは一定確率で攻撃を必ず命中させる「フェイント」や同じく一定確率で敵の防御力を無視してダメージを与える「衝撃波」、必殺技を繋げることのできる「リンクコンボ」など、いずれも戦闘時に特殊な効果を発動するものとなっている。戦士系のキャラクターのみが習得できる7種類と術師系のキャラクターのみが習得できる「早口」の全部で8種類がある。『SO2』のようなON/OFFの機能はなく、覚えたスキルは自動的に発動する。
流派スキルはスキルショップで購入するものではなく、ドーンを除く戦士系のキャラクター全員がはじめから1種類ずつ習得している。これは戦闘における各キャラクターの戦い方、「流派」を表しており、SLVを上昇させることで必殺技の使用MPを減少させることができる。また、SLVが高ければ後述する奥義を閃く確率も上昇する。
奥義スキルは他のスキルと異なりSPを振り分けてSLVを上げるという必要はない。種類は全部で7種類あり、戦士系のキャラクターはそれぞれ習得可能な奥義スキルが決まっており、アイテムやイベントなどで習得することになる。術師系のキャラクターは習得できない。奥義スキルを習得した状態で戦闘中特定の必殺技を使用すると、一定の確率で強力な超必殺技(奥義)を閃くことがある。この確率は流派スキルのSLVに比例する。SLVを上げる際に用いるSPはレベルアップの際に増加する。この他、一部のイベントやタレントの開花の際にも増加、最終的には余るケースのほうが多くなる。
特定のスキルを習得することで「特技」を覚えることができる。特技のなかにはアイテムクリエーション(IC)と呼ばれる別のアイテムを生みだす特技があり、これはシリーズを通してゲームの魅力となっている。本作での特技は全体で15種類、そのうちICは12種類ある。
特技にはそれぞれ特技レベルが設定されており、特技を覚えるために必要なスキルの平均レベルがその特技のレベルとなる。基本的には特技レベルが高くなるほど特技の成功率やより大きな結果が望めるようになる。
特技の成功率については特技レベル以外にも「タレント」が大きく影響する。タレントはそのキャラクターの持つ才能のことで、パーティ加入時に所持するタレントが決定される。「執筆」に対して「文才」のように特技に対応するタレントを所持していればその特技の成功率は高くなり、逆に所持していなければ成功率はかなり低くなる。最初から所持していないタレントでも対応する特技を繰り返し行なえばそのタレントが開花することがある。各キャラクター毎に最初から所持する可能性のあるタレント、開花する可能性のあるタレントが決まっており、可能性を持たないタレントは何度繰り返しても開花することはない。
ゲーム中の音響の調節を行うことができたり、ゲーム中で聞いたBGMや効果音の再生を行える。このうち効果音には戦闘中に喋るキャラクターの音声も含まれており、後続作品のコレクション要素「ボイスコレクション」の前身といえる。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
西暦2432年(宇宙暦346年)。地球は高度な発達を遂げ、宇宙へと進出していた。
物語の始まりは、自然豊かである未開惑星ロークの田舎町クラトス。ラティクス・ファーレンス、ミリー・キリート、ドーン・マルトーの三人が自警団としてクラトスで活動していた。自警団のリーダーであり物語の主人公であるラティは、何も起こらない平凡な日常に幸せを感じつつも、変わらない日常に暇を持て余していた。
ある日、クラトスの隣町クールから一通の手紙が届く。体が石化するという正体不明の奇病に襲われているのだった。クラトス一番の法術師であり、ミリーの父、マルトスがクールに向かった。数日後、マルトスから伝書鳩が届く。クールを襲っている奇病は患者の肌に触れただけで感染してしまい、発病すると数日で石化の始まる強力な伝染病で、法術では治せないものだった。
慌ててクールに向かうラティ達。しかし、すでにマルトスは処置の施しようのない状態で、感染を防ぐためにミリーを自ら拒絶した。父親に何もしてあげられないミリーは万に一つの望みをかけてクラトスから北にあるメトークス山にあるという万病に効く薬草を一人で取りに行くことを決意した。夜、クラトスを出ようとするミリーをドーンが待ち受けていた。ドーンは密かにミリーへと想いを寄せていたのでミリーの行動を先読みすることができたのだった。
結局、ラティも加わり、ミリー、ドーンと共に薬草を求めメトークス山を目指した。頂上へ向かう途中でドーンは突然倒れる。手紙を運んできた伝書鳩を直接触ったドーンはすでに石化の奇病に感染してしまったのだった。薬草があれば治ると信じ、頂上に辿り着いた時、眩しい光と共に見慣れない服を着た男女2人が現れた。2人は語る。「君達を助けに来た」と。
声はSFC版 / PSP版(PS4・Switch版共通)のキャスト。1つしか記載されていないものは特記ない限りPSP版および共通のキャストとする。
名称はいずれもデフォルト名であり、変更可能
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | スターオーシャン1 First Departure | 2007年12月27日 2008年10月21日 PAL 2008年10月24日 |
PlayStation Portable | トーセ | スクウェア・エニックス | UMD | ULJM-05290 ULUS-10374 |
リメイク版 | [7][8] |
2 | スターオーシャン1 -First Departure R- | INT 2019年12月5日 |
Nintendo Switch PlayStation 4 |
スクウェア・エニックス トーセ |
スクウェア・エニックス | ダウンロード | - | [9][10][11] |
『スターオーシャン1 First Departure』(スターオーシャン ファーストディパーチャー、STAR OCEAN: FIRST DEPARTURE)はスーパーファミコンで1996年に発売され、リメイクの要望が多かった[12]『スターオーシャン』をPlayStation Portable用にフルリメイクを行った作品。声優がほぼ総入れ替えされ、フルボイスになってグラフィック一新や新システムなどが追加された。オリジナルのSFC版にはなかった「ファーストディパーチャー」という「最初の旅立ち」を意味するサブタイトルが追加されている。タイトルロゴは第3作である『スターオーシャン Till the End of Time』と同様のデザインになっている。
追加アニメーションはProduction I.Gが担当。Production I.Gは同時にキャラクターのリデザインも行っている。冒険の舞台となる背景マップは、全て奥行きを感じられる3Dグラフィックで描き直されている。プロデューサーの山岸功典は「アニメーションやフルボイスになったことにより、臨場感溢れる作品になる」と発言した。なお、開発は原作を担当したトライエースではない。
発売日には新型PSP本体と特製ポーチを同梱した『スターオーシャン1 First Departure -Eternal edition-』も同時発売された。こちらはフェリシアブルーのPSP-2000にスターオーシャンの紋章をデザインしたオリジナルのPSP本体とメタリックシルバーの特製ポーチが同梱されている。また、ソフトのジャケットイラストは登場キャラクターが描かれた専用のものになっている。
2007年5月12日に行われた「SQUARE ENIX PARTY 2007」内の「スターオーシャン スペシャルステージ」では『スターオーシャン セカンドストーリー』の移植版である『スターオーシャン2 Second Evolution』も同時に発表された。
2009年12月3日にはアルティメットヒッツとして廉価版が発売された。
『スターオーシャン1 -First Departure R-』(スターオーシャン ファーストディパーチャー アール、STAR OCEAN: FIRST DEPARTURE R)は2019年12月5日にPlayStation 4 / Nintendo Switch用のダウンロードソフトとして同時発売された。様々な要素が追加されている。
PSP版をベースにしているが、以下の変更点がある[13] 。
評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.7 | 4.4 | 4.2 | 4.1 | 4.4 | 4.4 | 26.2 |
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.