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『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(原題: Scott Pilgrim vs. the World)は、2010年の カナダ、アメリカ合衆国・日本・イギリス合作による映画。原作はブライアン・リー・オマリーによるカナダのコミック作品『スコット・ピルグリム』 (Scott Pilgrim) である。
スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団 | |
---|---|
Scott Pilgrim vs. the World | |
監督 | エドガー・ライト |
脚本 |
マイケル・バコール エドガー・ライト |
原作 | ブライアン・リー・オマリー |
製作 |
マーク・プラット エリック・ギター ナイラ・パーク エドガー・ライト |
製作総指揮 |
ロナルド・ヴァスコンセロス J・マイルズ・デイル ジャレッド・ルポフ アダム・シーゲル ジェフ・カースチェンバウム スコット・ステューバー |
出演者 |
マイケル・セラ メアリー・エリザベス・ウィンステッド |
音楽 | ナイジェル・ゴッドリッチ |
撮影 | ビル・ポープ |
編集 |
ジョナサン・エイモス ポール・マクリス |
製作会社 |
ビッグ・トーク・フィルムズ レラティビティ・メディア |
配給 |
ユニバーサル・ピクチャーズ アステア/パルコ |
公開 |
2010年7月27日 (ファンタジア映画祭) 2010年8月13日 2011年2月24日 (ゆうばり国際ファンタスティック映画祭) 2011年4月29日 |
上映時間 | 112分 |
製作国 |
アメリカ合衆国 イギリス 日本 カナダ |
言語 | 英語 |
製作費 | $60,000,000[1] |
興行収入 |
$31,524,275[1] $47,664,559[1] |
映画版キャストが続投するアニメシリーズ『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』が2023年よりNetflixで配信されている。
カナダのトロントで売れないバンド”セックス・ボブオム”のベーシストである22歳のスコット・ピルグリムは、中国系の女子高校生ナイブスと付き合いはじめた。しかし、ある日ニューヨークから引っ越してきたラモーナという女の子にひと目ぼれし、彼女とも付き合うことになる。その後、地元のバンド大会に出場したスコットは、空から降りてきたラモーナの邪悪な元カレ、マシュー・パテルと突然戦うことになる。パテルを倒したスコットはラモーナから、「自分と付き合うためには7人の邪悪な元カレ軍団と戦わなければならない」と告げられる。
括弧内はBD・DVDの日本語吹き替えキャスト
原作者のブライアン・リー・オマリーが原作第1期を完了させた後、出版社のオニ・プレスとプロデューサーのマーク・プラットによる映画化企画が始まった[2]。ユニバーサル・スタジオは『ショーン・オブ・ザ・デッド』を完成させた直後のエドガー・ライト監督と契約した[2][3]。2005年5月には、脚本家のマイケル・バコールが雇われた[3]。2009年1月までにはキャスティングを終え、映画のタイトルをScott Pilgrim vs. the Worldに正式決定した[4]。
コミックの完結編の発表よりも早く脚本が書き上がり、撮影が始まったため、原作とは異なる結末となる[5]。
撮影は2009年3月にカナダのトロントで始まり[6][7]、8月に完了した[8]。
ベック、メトリック、ブロークン・ソーシャル・シーン、ブルートーンズ、コーネリアスらがサウンドトラックとして楽曲を提供し、レディオヘッドのプロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチが音楽監督を勤める[9][10]。また、他に『ゼルダの伝説』の音楽がBGMとして使われている。エドガー・ライトは、音楽の使用許可を得るために任天堂に映画のクリップを送り 、「彼の世代の童謡」と評した手紙を書いた[11]。
サウンドトラック盤『Scott Pilgrim vs. the World: Original Motion Picture Soundtrack』が、2010年8月10日にアメリカでアブコ・レコードより、CDとレコードで発売された[12][13][14]。また、同年9月7日にデラックス版が発売された[12]。
# | タイトル | 作詞・作曲 | アーティスト | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「ウィ・アー・セックス・ボブオム We Are SEX BOB-OMB」 | ベック | Sex Bob-omb | |
2. | 「スコット・ピルグリム Scott Pilgrim」 | Plumtree | ||
3. | 「アイ・ハード・ラモーナ・シング I Heard Ramona Sing」 | Frank Black | ||
4. | 「バイ・ユア・サイド By Your Side」 | Beachwood Sparks | ||
5. | 「オー・カトリーナ! O Katrina!」 | Black Lips | ||
6. | 「アイム・ソー・サッド、ソー・ヴェリー、ヴェリー、サッド I'm So Sad, So Very, Very Sad」 | ブロークン・ソーシャル・シーン | Crash and the Boys | |
7. | 「ウィ・ヘイト・ユー・プリーズ・ダイ We Hate You Please Die」 | ブロークン・ソーシャル・シーン | Crash and the Boys | |
8. | 「ガービッジ・トラック Garbage Truck」 | ベック | Sex Bob-omb | |
9. | 「ティーンエイジ・ドリーム Teenage Dream」 | マーク・ボラン[15] | T・レックス | |
10. | 「スリージー・ベッド・トラック Sleazy Bed Track」 | ブルートーンズ | ||
11. | 「イッツ・ゲッティング・ボーリング・バイ・ザ・シー It's Getting Boring by the Sea」 | ブラッド・レッド・シューズ | ||
12. | 「ブラック・シープ Black Sheep」 | Metric | ||
13. | 「スレッショウルド Threshold」 | ベック | Sex Bob-omb | |
14. | 「アンセムス・フォー・ア・セヴンティーン・イヤー・オールド・ガール Anthems for a Seventeen-Year-Old Girl」 | ブロークン・ソーシャル・シーン | ||
15. | 「アンダー・マイ・サム Under My Thumb」 | ローリング・ストーンズ | ||
16. | 「ラモーナ (アコースティック・ヴァージョン) Ramona (acoustic)」 | ベック | ||
17. | 「ラモーナ Ramona」 | ベック | ||
18. | 「サマータイム Summertime」 | ベック | Sex Bob-omb | |
19. | 「スレッショウルド (8ビット) Threshold 8 Bit」 | Brian LeBarton |
2010年7月22日のコミコン・インターナショナルでパネルが展示され、エドガー・ライトが選ばれた観客たちを映画のスクリーニングに招待した[16]。また、7月27日のモントリオールのファンタジア映画祭や8月15日のロンドンのムービー・コンIIIでも上映された[17][18]。
2010年3月25日にティーザー予告が公開された[19]。5月31日には第2弾が公開され、ザ・ティン・ティンズ、LCDサウンドシステム、ビー・ユア・オウン・ペット、CORNELIUS、ブラッド・レッド・シューズ、プロディジーの音楽が使われた[20]。
MTVムービー・アワード2010ではスコット・ピルグリムとルーカス・リーが対峙し、戦い始める場面のクリップが公開された[21]。
映画版に基づいたコンピュータゲーム『スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド: ザ・ゲーム』が発売された。ユービーアイソフト・モントリオールが製作し[22]、アナマナグチによる音楽とポール・ロバートソンによる2Dが使われている[23]。
2010年8月15日、日本公開が決定したと報じられた[26]が、その後北米での興行失敗のために危うくなり、同年9月より映画ライターのわたなべりんたろうによる署名活動が開始された[27]。翌2011年、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で先行上映された後、一般劇場で公開されることが発表された[28]。配給・宣伝をするアステアによると、シネマライズが本作を上映したがっていたこと、署名活動が行われていたこと、『キック・アス』の日本興行が成功したことが上映決定の背景にある[29]。
2010年8月13日に北米2818館で公開がスタートした[1][30]。公開初週末3日間で約1050万ドルを稼ぎ、初登場5位の成績となり[1][31]、2週目には10位となった[32]。
イギリスでは408館で公開され、公開初週末3日間で約160万ポンドを稼いで初登場2位となった[33]。
IGNでは本作を「ファニーでオフビート」と評され、「任天堂とMTVで育った我々ワイヤードな世代の人間にはベストだ」として10点満点で8点を与えた[34]。
Rotten Tomatoesでは、81%(229名中185名)の評論家が本作に肯定的な評価を下し、また平均点は10点満点で7.5点となった[35]。
Metacriticでの平均スコアは38のレビューで100点満点中69点となった[36]。
オースティン映画批評家協会の年間トップ10では第10位だった。
映画賞 | 部門 | 候補 | 結果 |
---|---|---|---|
サテライト賞 | ミュージカル・コメディ映画賞 | 受賞 | |
主演男優賞 (ミュージカル・コメディ映画) | マイケル・セラ | 受賞 | |
脚色賞 | マイケル・バコール、エドガー・ライト | ノミネート | |
美術賞 | ダンテ・フェレッティ、マックス・ビスコー、 ロバート・グエラ、クリスティーナ・ウィルソン |
ノミネート | |
サンディエゴ映画批評家協会賞 | 脚色賞 | マイケル・バコール、エドガー・ライト | ノミネート |
編集 | ジョン・エイモス、ポール・マクリス | 受賞 | |
オンライン映画批評家協会賞 | 脚色賞 | マイケル・バコール、エドガー・ライト | ノミネート |
編集 | ジョン・エイモス、ポール・マクリス | ノミネート | |
アメリカ映画編集者協会賞 | ミュージカル・コメディ映画編集賞 | ジョン・エイモス、ポール・マクリス | ノミネート |
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