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イギリスの指揮者、作曲家 ウィキペディアから
ジョン・ランチベリー(John Arthur Lanchbery、1923年5月15日 - 2003年2月27日)は、イギリス・ロンドン出身の作曲家・指揮者である。主にバレエ音楽の分野で活躍し、舞台の指揮やバレエ音楽の編曲で名高い[1][2]。
1923年にロンドンで生まれ、8歳からヴァイオリンのレッスンを始め、作曲を手掛けるようになった。奨学金を受けて王立音楽アカデミーへ進んだが、第二次世界大戦の勃発によって中断せざるを得なくなった。学業に戻った後、アングロ・ソビエト音楽新聞(Anglo Soviet Music Press)という音楽出版社でアルバイトに従事した[3]。
25歳のとき、メトロポリタン・バレエ団[4][5]の音楽監督に就任し、2年間その地位を務めた[1][2][6]。1951年、同年に死去したコンスタント・ランバートの後任としてサドラーズ・ウェルズ・バレエ団の指揮者となり、1960年から1970年まで、ロイヤル・バレエ団の首席指揮者を務めた[1][2][6][7]。1972年から1978年にかけてオーストラリア・バレエ団(en:The Australian Ballet)の音楽監督、1978年にアメリカン・バレエ・シアターに移籍して1980年まで音楽監督を歴任した[1][2][6][7]。その後はフリーランスの立場となって、世界各地でバレエ音楽の編曲家や舞台の指揮者として活動した[6][7]。
ランチベリーは、オペラ作品のバレエ化(ホフマン物語、メリーウィドウ、こうもり)を手掛けた最初の人物だった[3]。1960年代には映画音楽の作曲に関わり、1977年にはハーバート・ロス監督作品『愛と喝采の日々』の音楽を担当した[6]。また、無声映画の伴奏音楽として、D・W・グリフィス監督の『國民の創生』(1915年)、ジョン・フォード監督の『アイアン・ホース』(en:The Iron Horse (film)、1924年)の2作を手掛けている[3]。
ランチベリーはバレエ指揮者として評価が高く、編曲者としても優れていた[1][2][7]。バレエ音楽の録音にも取り組み、ウィーン交響楽団との『白鳥の湖』(ヌレエフ演出版による同名映画のサウンド・トラック盤)やフィルハーモニア管弦楽団との『白鳥の湖』、『眠れる森の美女』、『くるみ割り人形』などを指揮した[2][8][9]。
私生活においては、オーストラリア出身でサドラーズ・ウェルズ・バレエ団のプリンシパルを務めていたバレエダンサー、エレイン・ファイフィールド(Elaine Fifield、1930年10月28日 - 1999年5月11日)と結婚して1女を儲けたが、1960年に離婚した[10][11]。1991年には大英帝国勲章を授与された。その後2002年にオーストラリアの市民権を取得し、メルボルンに定住した。彼はその地で2003年2月27日に死去している[7][12]。
年 | 作品名 | 原作曲者 | 備考 |
---|---|---|---|
1955 | 小鳥の家(House of Birds) | フェデリコ・モンポウ | ケネス・マクミラン振付(ロイヤル・バレエ団)[13] |
1960 | ラ・フィユ・マル・ガルデ | フェルディナン・エロルド他 | フレデリック・アシュトン振付(ロイヤル・バレエ団)[14] |
1964 | ザ・ドリーム | フェリックス・メンデルスゾーン | フレデリック・アシュトン振付(ロイヤル・バレエ団)[15] |
1966 | モノトーンズ | エリック・サティ | フレデリック・アシュトン振付(ロイヤル・バレエ団)[16] |
1966 | ドン・キホーテ | レオン・ミンクス | ルドルフ・ヌレエフ振付(オーストラリア・バレエ団)[6] |
1970 | プロメテウスの創造物 | ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン | フレデリック・アシュトン振付(ロイヤル・バレエ団)[17] |
1971 | The Tales of Beatrix Potter | マイケル・ウィリアム・バルフ、アーサー・サリヴァン | フレデリック・アシュトン振付(バレエ映画)[18][19] |
1972 | ホフマン物語 | ジャック・オッフェンバック | ピーター・ダレル振付(スコティッシュ・バレエ団)[20][21] |
1975 | メリー・ウィドウ | フランツ・レハール | ロナルド・ハインド振付(オーストラリア・バレエ団)[22][23] |
1976 | 田園の出来事(en:A Month in the Country (ballet))[24] | フレデリック・ショパン | フレデリック・アシュトン振付(ロイヤル・バレエ団)[25][26] |
1977 | 愛と喝采の日々(映画音楽) | - | ハーバート・ロス監督 |
1978 | うたかたの恋(マイヤリング) | フランツ・リスト | ケネス・マクミラン振付(ロイヤル・バレエ団)[27] |
1980 | ラ・バヤデール | レオン・ミンクス | ナタリア・マカロワ振付(アメリカン・バレエシアター)[17] |
1988 | ノートルダム・ド・パリ | エクトール・ベルリオーズ | ロナルド・ハインド振付(ヒューストン・バレエ団)[22] |
1991 | ラ・バヤデール | レオン・ミンクス | ルドルフ・ヌレエフ振付(パリ・オペラ座バレエ団)[6] |
1997 | ドラキュラ | フランツ・リスト | ベン・スティーブンソン振付(ヒューストン・バレエ団)[28] |
1998 | 雪娘 | ピョートル・チャイコフスキー | ベン・スティーブンソン振付(ヒューストン・バレエ団とアメリカン・バレエシアター)[29] |
2000 | ラ・バヤデール | レオン・ミンクス | 牧阿佐美振付(新国立劇場バレエ団)[7] |
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