シラノ (映画)
2021年のイギリス・アメリカ合作ロマンティックミュージカル映画 ウィキペディアから
『シラノ』(原題: Cyrano)は、2021年に公開されたアメリカ合衆国・イギリス・カナダの合作によるミュージカル・恋愛・ドラマ映画。1897年のエドモン・ロスタンの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』を原作としたシュミットの2018年の舞台ミュージカルを基としている。監督はジョー・ライト、脚本はエリカ・シュミット。
シラノ | |
---|---|
Cyrano | |
監督 | ジョー・ライト |
脚本 | エリカ・シュミット |
原作 |
エドモン・ロスタン 戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』 |
製作 |
ティム・ビーヴァン エリック・フェルナー ガイ・ヒーリー |
製作総指揮 | ジェイソン・クロース |
出演者 |
ピーター・ディンクレイジ ヘイリー・ベネット ケルヴィン・ハリソン・Jr バシール・サラフディン ベン・メンデルソーン |
音楽 |
アーロン・デスナー ブライス・デスナー |
撮影 | シェイマス・マクガーヴェイ |
編集 | ヴァレリオ・ボネッリ |
製作会社 |
メトロ・ゴールドウィン・メイヤー ブロン・クリエイティブ ワーキング・タイトル・フィルムズ |
配給 |
ユニバーサル・ピクチャーズUK ユナイテッド・アーティスツ・リリーシング 東宝東和 |
公開 |
2021年9月2日(テルライド映画祭) 2021年12月31日 2022年1月14日 2022年1月28日 |
上映時間 | 124分 |
製作国 |
イギリス アメリカ合衆国 カナダ |
言語 | 英語 |
興行収入 | 5300万円[1] |
ワールド・プレミアは2021年9月2日に第48回テルライド映画祭で行われた。アメリカ合衆国では2021年12月17日にロサンゼルスで1週間限定の上映を行い、その後、2022年2月にユナイテッド・アーティスツ・リリーシング配給で公開された。
シラノ・ド・ベルジュラックは実在の剣豪であり作家だが、戯曲は脚色されており、実際の生涯は異っている。
ストーリー
17世紀、フランス。シラノは剣豪で、詩人としても名高い兵士だが、容姿の醜い男だった。幼馴染のロクサーヌに恋をしていたが、打ち明けられないシラノ。ハンサムなクリスチャンに一目惚れしたロクサーヌは、シラノに彼の友達になるよう頼んだ。口下手で野暮なクリスチャンのために恋文を代筆するシラノ。
クリスチャンのふりをして、物陰からロクサーヌに語りかけるシラノ。美しい愛の告白をクリスチャンの言葉と信じ、その夜のうちに結婚式を上げるロクサーヌ。だが、式の直後にシラノとクリスチャンは招集され戦地に向った。
クリスチャンの名で毎日、最前線からロクサーヌに恋文を送るシラノ。シラノの恋心に気づいたクリスチャンは、ロクサーヌに真実を告げろと言い残し、敵の銃弾の前に飛び出した。クリスチャンの死を知って、修道院に引き篭もるロクサーヌ。
真実を告げぬままロクサーヌの元に通い続けるシラノ。3年後、争いで深手を負い死を覚悟したシラノは、それを隠し、ロクサーヌに「クリスチャンの最後の手紙」を見たいと頼んだ。シラノが文字を見ずに内容を暗唱するのを見て、手紙の主がシラノだと知るロクサーヌ。愛していると泣くロクサーヌの腕の中で、シラノはこと切れた。
キャスト
※括弧内は日本語吹替。
- 主人公。フランス軍の兵士でありロクサーヌに思いを寄せる詩人。ロクサーヌ以外の女性にはあまりモテない。
- ヒロイン。シラノが思いを寄せている幼馴染の美女。
- クリスチャン・デ・ヌヴィレット - ケルヴィン・ハリソン・Jr(増元拓也)
- シラノと同じ隊に配属され、ロクサーヌが思いを寄せる新兵の美青年。シラノと異なり、あまり頭が冴えるタイプではない。
- ル・ブレ - バシール・サラフディン[2](伊原正明)
- ド・ギーシュ - ベン・メンデルソーン(内田直哉)
- ロクサーヌに求婚している公爵。シラノを敵視している。
- マリー - モニカ・ドラン(伊沢磨紀)
- ロクサーヌの付き添い。
- ヴァルヴァート - ジョシュア・ジェームズ
- 修道女クレア - アンジャナ・ワサン
- マルト修道院長 - ルース・シーン
- 祭司 - リチャード・マッケイブ
- モンフルーリ - マーク・ベントン
- ラグノー - ピーター・ワイト
- ジョデレット - ティム・マクマラン
- その他の日本語吹替:福西勝也/楠見尚己/横島亘/菊池通武/中村浩太郎/荻野晴朗/山橋正臣/真木駿一/関口雄吾/羽鳥佑/越後屋コースケ/須能千裕/神戸光歩/須川晶紀/金子沙希/アナンド雪/峰晃弘/木村香央里/鳥越まあや
- 日本語版スタッフ:演出:久保宗一郎、翻訳:小西恵、調整:吉田佳代子、録音:大谷征央、制作:東北新社
製作
2020年8月にメトロ・ゴールドウィン・メイヤーが権利獲得を発表したこの映画はエリカ・シュミットが自身の舞台ミュージカル『シラノ』を原作に脚本を書いた。製作はワーキング・タイトル・フィルムズが担当し、ジョー・ライトが監督に就任した。ピーター・ディンクレイジとヘイリー・ベネットは舞台ミュージカルと同じ役を演じ、さらにベン・メンデルソーンとブライアン・タイリー・ヘンリーもキャストに加わった[3]。2020年9月にケルヴィン・ハリソン・Jrもキャストに加わった[4]。その後タイリー・ヘンリーは降板し、代わりにバシール・サラフディンが加わった[5]。この映画の音楽は舞台ミュージカルでも作曲と作詞を手がけたザ・ナショナルのメンバーが手がけた[3]。
主要撮影は2020年10月にCOVID-19パンデミック中のイタリアのシチリアで始まった[6][5]。
公開
2021年9月2日にテルライド映画祭でワールド・プレミアが行われた[7][8]。その後更にハンプトン国際映画祭[9]、ミルバレー映画祭[10]、ローマ国際映画祭[11]、サバンナ芸術工科大学で上映された[12]。
アメリカ合衆国では当初は2021年12月25日に限定的な劇場公開が予定されていたが、後に12月31日に変更された[5]。2021年11月、この映画の公開計画はユナイテッド・アーティスツ・リリーシングによってアカデミー賞レースにより有利な時期に変更された[13]。12月17日にロサンゼルスで1週間上映された後、2022年2月25日に公開された。
また本作は、2022年3月17日にメトロ・ゴールドウィン・メイヤーがAmazonに買収される前に配給した最後の映画となった[14]。
評価
Rotten Tomatoesでは16件のレビューで支持率は88%となっている[15]。Metacriticでは6件のレビューで加重平均値は73/100となっている[16]。
受賞とノミネート
賞 | 発表 | 部門 | 対象 | 結果 | 参照 |
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デトロイト映画批評家協会賞 | 2021年12月6日 | 作品賞 | 『シラノ』 | 受賞 | [17] |
主演男優賞 | ピーター・ディンクレイジ | 受賞 | |||
音楽賞 | 『シラノ』 | ノミネート | |||
ワシントンD.C.映画批評家協会賞 | 2021年12月6日 | 音楽賞 | アーロン・デスナー、ブライス・デスナー | ノミネート | [18] |
サテライト賞 | 2022年1月5日 | ドラマ映画賞 | 『シラノ』 | 未決定 | [19] |
映画主演男優賞 | ピーター・ディンクレイジ | 未決定 | |||
衣裳デザイン賞 | マッシモ・カンティーニ・パリーニ | 未決定 | |||
ハリウッド批評家協会賞 | 2022年1月8日 | コメディ/ミュージカル映画賞 | 『シラノ』 | 未決定 | [20] |
主演男優賞 | ピーター・ディンクレイジ | 未決定 | |||
歌曲賞 | "Every Letter" | 未決定 | |||
参考文献
外部リンク
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