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宮部みゆきの小説 ウィキペディアから
『クロスファイア』は、宮部みゆきのミステリー・ファンタジー小説。光文社から単行本が出版された。
2000年に金子修介監督によって映画化された。
この小説の前日譚が、『鳩笛草 燔祭/朽ちてゆくまで』所収の中編「燔祭」で描かれている。
念力放火能力(パイロキネシス)という超能力を持って生まれた女性、青木淳子(あおき じゅんこ)は、力を「ガス抜き」のために放出しに向かった廃工場で、瀕死の男性を運んできた4人の若者を目撃する。淳子は男性を救うため力を解放して、次々と若者を燃やしていくが、そのうちの1人、「アサバ」を逃してしまう。
瀕死の男性から若者達に恋人の「ナツコ」が連れ去られた事を聞いた淳子は、「ナツコ」を助けるため、わずかな手がかりを元に「アサバ」を探し出す。一方、放火捜査班の石津ちか子刑事はこの事件に、昔起きた不可解な焼殺事件と同じ匂いを感じ、それを起こした犯人が再び現れた事を悟る。
金子修介を監督として、2000年6月10日に東宝系にて公開された。矢田亜希子はこの映画で初主演を務め、長澤まさみはこの映画でデビューする。前日譚にあたる中編「燔祭」(『鳩笛草』収録)も使い、オリジナル・ストーリーも加えた脚色となっている。
プロデューサーの本間英行によれば、当初予定されていた『催眠』(1999年)の映画第2作が急遽中止になったため、本作品の製作が繰り上げられることとなった[1]。
クライマックスで遊園地が炎上するシーンでは、1/5スケールのミニチュアをスタジオで爆破している[2]。
青木淳子(矢田亜希子)は、パイロキネシスを使う能力者の家系であり、母親から「あなたは怒ってはいけない、お友達の側に寄っちゃ駄目、その力を使っては駄目なの」と言われ続けて育った。そのため社会人になってからも他人と関わる事が出来ず、同僚からも陰口を言われる女性となってしまった。そんなとき、同僚の多田一樹(伊藤英明)と出会い、親交を深めていく。
しかし、彼女が得た束の間の幸せは、ゲーム感覚の女子高生轢殺事件を繰り返す不良少年グループに一樹の妹雪江が殺害されてから終わりを迎える。彼らは殺人を犯したにも拘らず、リーダー格の小暮昌樹(徳山秀典)の父親のコネと、証拠不十分だということで無罪放免となっていた。怒れる一樹は包丁を持って小暮を襲うが、淳子が制止し「小暮達は私が殺す」と宣言する。彼女は、面白半分で人を殺し、自らを「時代の英雄」とうそぶく小暮達に対して激しい「怒り」を覚えていたのだ。
やがて、淳子は自らに近づく対犯罪組織「ガーディアン」のメンバー木戸浩一(吉沢悠)の助けによって、犯人グループの少年達に容赦なき制裁を加える。生き残った小暮を追う淳子を、女子高生轢殺事件を捜査していた石津ちか子(桃井かおり)と牧原康明(原田龍二)が追う。少年時代に弟をパイロキネシス能力者の少女に殺された康明は、犯人がパイロキネシス能力の保持者であると見る。やがて「ガーディアン」の暗部が露呈され、事件は意外な結末へと収束していく。
コナミが運営する携帯向けデジタルコミックサイト週刊コナミにおいて漫画化された。アドベンチャーゲームの要素も備えており、「第1部」の途中に現れる選択肢によって物語が「第2部」、「第2部アナザーストーリー」へと分岐する。テーマソング「NΦ CRIME」は3パターンが用意されており、本編以外にも以下の音楽ゲームに収録されている。
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