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アメリカの日刊紙 ウィキペディアから
ウォール・ストリート・ジャーナル(英語: The Wall Street Journal)は日刊経済新聞。ニューズ・コープの子会社たるダウ・ジョーンズ社が発行。アメリカ版・ヨーロッパ版(英語)および日本語版や中国語版のオンライン版が発行されている。
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1889年7月8日の創刊以来発行され続けており、経済新聞としてはアメリカ最大の発行部数を誇り、世界や全米各地の経済活動、金融に関するニュース記事を主に掲載している。新聞の名前は、ニューヨーク市にある経済活動の中心地「ウォール街」(ウォール・ストリート)に由来する。「ジャーナル(Journal)」の通称で呼ばれる。
1940年代までは経済及び金融関連の分析記事基調の記事のみを扱ってきたが、1950年代以降は一般的な経済ニュースも網羅する内容へと変化させ、飛躍的に購読者数を伸ばした。2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件では世界貿易センタービルに隣接する本社が大きな被害を受け、多数の社員が死亡する事態になったが、休刊することなく発行を続けた。
長年にわたりアメリカ合衆国内での発行部数第1位を占めており、近年ではUSAトゥデイ(211万部)に次ぐ第2位(208万部)であった[1][注 1]。しかし、昨今の新聞不況によりUSAトゥデイが部数を減らしたため、2009年ウォール・ストリート・ジャーナルが再び首位に返り咲いた[2]。2018年の発行部数は、電子版も含めて247万部であった[3]。また「The Index of Economic Freedom」という年次報告書が、「ウォール・ストリート・ジャーナル」及び遺産財団の手により発刊されている。
アメリカのみならず世界を代表する経済紙の一つとされており、国際的に大きな影響力を持つとされる。経済、金融に関するニュースの中でも、証券市場とビジネスの動向についての分析に強いという定評がある。
世界80カ国以上、100都市以上に支局を構え、創立以来、経済史のみならず世界史に名を残すようなスクープ記事を度々載せているが、日本の新聞とは違い記事は全て署名記事であり、さらにニュース・ソースは一般的に信頼度が高いとされており、経済に対する影響力の大きさから、匿名の情報源は原則的に扱わない方針をとっている。創立以来ピューリッツァー賞を30回以上受賞している。
社説や特集ページは典型的な保守派、及び共和党寄りの立場をとっていると言われ、経済的には、典型的な市場原理主義・新自由主義志向であると言われているが、創業者による編集不干渉の方針が1世紀以上貫かれており、前記者のアル・ハントは、編集部とは多少なりとも対立的な視点に立った各週コラムを書いていた上に、時にはアーサー・シュレジンガーやクリストファー・ヒッチェンズといった、よりリベラルな書き手の記事が掲載されることもある。
ニューズ・コープが所有するメディアの例に漏れず、ウォール・ストリート・ジャーナルは気候変動に対して懐疑的な記事を「意見記事」として掲載している[4][5][6]。ビョルン・ロンボルグやスティーブン・E・クーニンなどの懐疑論者が書いた記事は、気候科学者により定期的にファクトチェックされている[7][8]。
1996年には経済紙としては最も早くデジタル化を果たしており、その後有料化し、デジタル版の有料化に成功した新聞の1つとして評価されている。現在は英語や日本語、 中国語などのオンライン版も発行されている。
一時は発行されていた韓国語やインドネシア語、ドイツ語のオンライン版は、経費削減を受けて2014年から2015年にかけて次々に廃刊され、それらの国の記者や営業担当などが解雇された。
また日本を含む各国で現地記者などの解雇が進められ、アジア版の発行の中心である香港支局は250人から100人以下に減らされた。またこのような現状に嫌気をさした大量の社員が2016年以降次々と会社を後にした。
さらに2017年には、香港で発行され日本やシンガポール、フィリピンを含むアジア各国で発売されていた印刷版の「アジア版」の発行が廃止され、以降アジアではアメリカ版のみが発売されており、その後も経費削減を目的にした統廃合が進んでいる。
ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局が、東京都千代田区のダウ・ジョーンズ日本支社内に置かれている。東京支局長はピーター・ランダース、ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版の編集長は西山誠慈である。
2009年12月15日に、アメリカ版やアジア版の記事を日本語に翻訳した記事と、日本語版独自の記事からなる有料の日本語ウェブサイト『ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版』が開設された[9]。2016年現在約20万部の購読者を持つ。
初代編集長には、2003年からウォール・ストリート・ジャーナル日本支局長を務めていた小野由美子が就任した[10]。2014年12月より、ロイターにて金融市場、経済政策、政治、外交などを担当していた西山誠慈が2代目の編集長に就任した。
『ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版』の有料購読者は、日本語版と併せてアメリカ版、アジア版、ヨーロッパ各版(英語)、スペイン語版や中国語版のみならず、「Barron's」や「Marketwatch」(英語版)の抜粋版なども追加料金なしで購読することができる。また、別料金で印刷版(アジア版)を定期購読することも可能である。
ウェブ版、印刷版ともにウェブサイトやモバイルサイト、iPad、iPhone、Androidなど各アプリ経由で購読の契約ができ、学生向け割引などもある。また、公式Facebook、Twitter、LINEなどを通じて、無料記事を読むこともできる。
日本では当初、読売新聞と印刷、配達、販売に関して提携していたが、2014年からは毎日新聞に提携先を変更し、香港支局に併設されたアジア太平洋地域本部で発行されるアジア版を販売していた。2016年で約1万5000部の購読者を持っていた。
しかし2017年10月6日以降にアジア版の発行を取りやめることを受けて、これ以降はアメリカ版を販売していたが[11]2021年には日本での発行も取りやめている。
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