H2O(エイチツーオー)は、日本の音楽デュオ。
1976年に結成され1985年に解散。1999年に再結成したが、その後、解散。代表曲は「想い出がいっぱい」、「ローレライ」など。
- 上田市立第三中学校在学中、同級生であった中沢堅司(現・なかざわけんじ)と赤塩正樹は別々の高校に進学したものの「スプリング・ブリーズ」というバンドを結成。しかし大学進学、上京を機にバンドは解散へと至る[1]。
- 大学在学中に2人で活動をすることを決意。グループ名は「イエロー・ウイングス」も候補に挙がっていたが[1]、H2Oに決定。化学式の表記をグループ名にすることで「化学反応を起こしたい」という意味合いもあったとしている[1]。活動をはじめた2人が作ったデモテープが認められ、ミュージシャンの林立夫の紹介で、大学2年生の時に[1]アミューズに籍を預けることになる。「H2O」はプロデビューへ向けた楽曲制作に取り掛かるも、プロデューサーから幾たびも直しを言い渡され続けたという。
- 1980年6月、薬師丸ひろ子主演映画「翔んだカップル」の挿入歌「ローレライ」でデビュー。その後、TV版「翔んだカップル」の主題歌「僕等のダイアリー」が続けてヒット。
- 1981年に改名の話があった。同じアミューズ所属の桑田佳祐が考案した「太郎山ブラザーズ」(この名前は、地元・上田市の太郎山で二人がバンド練習をしていたという話から。ファーストアルバム「Water Land」のキャッチコピーが「ファースト&ラストアルバム」となっていたのも、この話があったということによる)に改める予定があったが、アミューズ社長の大里洋吉の鶴の一声でこれは取りやめになった[1]。
- 1983年3月25日、5枚目のシングル「想い出がいっぱい/10%の雨予報」をリリース。両A面シングルであり、両楽曲共にフジテレビ系アニメ『みゆき』のエンディング曲(前者)、およびオープニング曲(後者)に起用され、大ヒット。一躍知名度を上げた。この曲のレコーディング前に、事務所から「あと半年で契約を終了しよう」と言われていたとのことで、起死回生と言えるヒットとなった[1]。
- 2人はオリジナル曲での活動を求めていたが、事務所の方針でシングル発表される曲は有名な作詞・作曲家の手によるものが多く、自分たちの楽曲はB面やアルバム収録曲に留まっていた。また『想い出がいっぱい』以降は大きなヒット曲に恵まれなかったことに加え、音楽番組やヒットチャートではアイドルや、後にJ-POPと呼ばれるバンドの楽曲が華を咲かせていたため、フォークデュオの形態で歌う2人はジレンマと焦りを感じていたという。当時アミューズに勤務していた寺内壮が新たにマネージャーに着任し、今後の方針を話し合う席で解散の意思を伝えた。
- 1985年、解散。2人は別々の道を歩むこととなる。
- 1999年に再結成、上田市制80周年のイメージソング「ここにおいでよ」をビクターエンタテインメント(現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)から発売。
- 2003年にはセルフカバーによる「想い出がいっぱい 〜the 21st century〜」を発売。その後、解散。
- なかざわけんじは、解散後、1987年 「Kenji Nakazawa With Fiction Band」発売(テイチクレコード)ソロアーティストとしてデビュー。
ライブ活動をメインとしながらスタジオミュージシャンとして光GENJIのレコーディングに参加。以降のソロ作品としては
- 2008年 シングル「恋ごころ」(Very Records)
- 2010年 アルバム「Happy way」(ポニーキャニオン)
- 2012年シングル「あの時の少女へ」(Very Records)
- 2015年アルバム「35」(Very Records)
- 2019年アルバム「お陽さまが見てる」(Kenji Records)
- 提携楽曲として、2022年6月1日 日向坂46「もうこんなに好きになれない」作曲
「SMAP×SMAP」等、多数テレビ出演。2004年から熊本に移住し全国的な音楽活動中。2010年から、熊本RKKラジオレギュラー番組「なかざわけんじ&すみママの想い出がいっぱい」継続中。
所属事務所 オフィスNAKAZAWA MUTOWN ENTERTAINMENT
- 赤塩正樹は、解散後、1985年に渡米し、ニューヨーク大学教育学大学院を卒業。帰国後はフジパシフィック音楽出版(現:フジパシフィックミュージック)で専属作曲家を経て、現在 A.K.A Planet にてプロデュース、アーティスト、語学コンサルタントをしている。2012年3月8日、ドイツ、ベルリン・フィルハーモニーにて彼の新曲「絆のチカラ」が初演された。
アルバム
スタジオ・アルバム
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タイトル |
規格 |
発売日 |
規格品番 |
Kitty Records |
1st |
WATERLAND
- LPレコードでは、1〜5までがSIDE-A、6〜10までがSIDE-B。
- ローレライ
- 作詞:赤塩正樹 / 作曲:中沢堅司 / 編曲:林立夫・深町純
- 泣かないで Little Bird
- 作詞:森雪之丞 / 作曲:赤塩正樹 / 編曲:佐藤博
- ブルーベリーの頃
- 作詞:山川啓介 / 作曲:中沢堅司・赤塩正樹 / 編曲:杉山トム
- 恋の冒険小説
- 作詞:森雪之丞 / 作曲:赤塩正樹・中沢堅司 / 編曲:林立夫
- 僕等のダイアリー
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:星勝
- TONIGHT
- 作詞:赤塩正樹 / 作曲:中沢堅司 / 編曲:穂口雄右
- MY LADY'S GONE
- 作詞:赤塩正樹 / 作曲:赤塩正樹 / 編曲:穂口雄右
- DOES SHE NEED ME
- 作詞:赤塩正樹 / 作曲:赤塩正樹・中沢堅司 / 編曲:穂口雄右
- SPANISH CLASS
- 作詞:赤塩正樹 / 作曲:中沢堅司 / 編曲:佐藤博
- LORELEI
- 作詞:赤塩正樹 / 作曲:中沢堅司 / 編曲:林立夫・深町純
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LP |
1981年5月21日 |
28MK-0013 |
CD |
1995年5月25日 |
KTCR-1531 |
2nd |
Wait a Second
- LPレコードでは、1〜5までがSIDE-A、6〜10までがSIDE-B。
- 全編曲:星勝
- HELLO VIBRATION
- 作詞:ちあき哲也 / 作曲:星勝
- 一足遅れのロマン
- 作詞:滝御夏子 / 作曲:中沢堅司
- やわらかなさよなら
- 作詞:ちあき哲也 / 作曲:赤塩正樹
- PASSING RAIN
- 作詞:有川正沙子 / 作曲:中沢堅司
- 黄昏のワイン
- 作詞:来生えつこ / 作曲:赤塩正樹
- 見知らぬ人でなく
- 作詞:ちあき哲也 / 作曲:星勝
- LONELY
- 作詞:有川正沙子 / 作曲:赤塩正樹
- 朝もやのシルエット
- 作詞:滝御夏子 / 作曲:中沢堅司
- CHANDELIER
- 作詞:赤塩正樹 / 作曲:赤塩正樹
- 水平線が見えたなら…
- 作詞:ちあき哲也 / 作曲:中沢堅司
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LP |
1982年2月25日 |
28MK-0026 |
CD |
1995年5月25日 |
KTCR-1532 |
3rd |
EMOTION
- LPレコードでは、1〜5までがSIDE-A、6〜10までがSIDE-B。
- YOU & I
- 作詞・作曲:中沢堅司 / 編曲:六川正彦
- 想い出を風に乗せて
- 作詞・作曲:赤塩正樹 / 編曲:林正宏
- 愛は時を超えて
- 作詞・作曲:中沢堅司 / 編曲:六川正彦
- 明日への誓い
- 作詞・作曲:赤塩正樹 / 編曲:林正宏
- 想い出がいっぱい
- 作詞:阿木耀子 / 作曲:鈴木キサブロー / 編曲:萩田光雄
- いつも君と
- 作詞・作曲:中沢堅司 / 編曲:六川正彦
- Lost In The Rain
- 作詞・作曲:赤塩正樹 / 編曲:林正宏
- 10%の雨予報
- 作詞:阿木耀子 / 作曲:鈴木キサブロー / 編曲:萩田光雄
- 守れない約束
- 作詞:竜真知子 / 作曲:中沢堅司・赤塩正樹 / 編曲:林正宏
- 二人の船
- 作詞・作曲:赤塩正樹 / 編曲:林正宏
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LP |
1983年4月25日 |
28MS-0032 |
CD |
1995年5月25日 |
KTCR-1533 |
4th |
NEXT CORNER
- LPレコードでは、1〜5までがSIDE-A、6〜10までがSIDE-B。
- 夏の海図
- 作詞:秋元康 / 作曲:松田良 / 編曲:萩田光雄
- 虹のルージュ
- 作詞:康珍化 / 作曲:財津和夫 / 編曲:星勝
- あの頃はいつもマドンナ
- 作詞:大津あきら / 作曲:和泉常寛 / 編曲:星勝
- 風のロマンス
- 作詞:秋元康 / 作曲:鈴木康博 / 編曲:星勝
- So Long 想 Long
- 作詞:阿久悠 / 作曲:赤塩正樹 / 編曲:星勝
- きみと僕のマザーグース
- 作詞:松尾由起夫 / 作曲:財津和夫 / 編曲:萩田光雄
- Passage
- 作詞:松尾由起夫 / 作曲:鈴木キサブロー / 編曲:萩田光雄
- サマードリーム
- 作詞:秋元康 / 作曲:中沢堅司 / 編曲:星勝
- 5月14日の Suddenly
- 作詞:秋元康 / 作曲:鈴木康博 / 編曲:萩田光雄
- 次のまがり角
- 作詞:秋元康 / 作曲:松田良 / 編曲:星勝
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LP |
1985年2月25日 |
28MS-0071 |
CD |
1995年5月25日 |
KTCR-1534 |
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ベスト・アルバム
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| 発売日 | タイトル | 発売元 | 規格品番 |
Kitty Records |
1st |
1983年10月25日 |
POOL |
Kitty Records |
28MS-0043 |
1989年12月25日 |
H00K-20168 |
2nd |
1995年11月25日 |
Biography |
Kitty Records |
KTCR-1355 |
3rd |
1996年8月25日 |
Splash! |
Kitty Records |
KTCR-1386 |
4th |
1996年11月21日 |
H2O |
Kitty Records |
KTCR-9037 |
キティMME |
5th |
2001年6月21日 |
夏色の雫 〜H2O BEST SELECTION〜 |
キティMME |
UMCK-1036 |
6th |
2001年12月19日 |
スーパー・バリュー |
キティMME |
UMCK-8008 |
ユニバーサルミュージック |
7th |
2003年11月26日 |
想い出がいっぱい 〜the best collection〜 |
ユニバーサルミュージック |
UMCK-1175 |
8th |
2004年9月8日 |
ゴールデン☆ベスト H2O |
ユニバーサルミュージック |
UICZ-6049 |
2012年12月5日 |
UPCY-9293 |
9th |
2005年11月9日 |
H2O Best10 |
ユニバーサルミュージック |
UPCY-9026 |
10th |
2007年12月19日 |
エッセンシャル・ベスト H2O |
ユニバーサルミュージック |
UPCY-9144 |
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タイアップ一覧
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楽曲 |
タイアップ |
ローレライ |
映画『翔んだカップル』挿入歌 |
僕等のダイアリー |
フジテレビ系ドラマ『翔んだカップル』主題歌 |
HELLO VIBRATION |
フジテレビ系アニメ『みゆき』挿入歌 |
想い出がいっぱい |
フジテレビ系アニメ『みゆき』エンディングテーマ セゾン自動車火災保険「おとなの自動車保険」CMソング |
10%の雨予報 |
フジテレビ系アニメ『みゆき』オープニングテーマ |
Good-byeシーズン |
フジテレビ系アニメ『みゆき』エンディングテーマ |
ここにおいでよ |
上田市制80周年イメージソング |
想い出がいっぱい 〜the 21st century〜 |
キヤノン「PIXUS」CMソング |
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- 1980年7月、ギタリスト今剛のファーストソロアルバム『STUDIO CAT』に「THINK ABOUT THE GOOD TIMES」「GO AHEAD」の2曲を提供している。どちらも英語詞であるが、解散後にリリースされたベストアルバム『Splash!』(1996年)に日本語詞による2曲のセルフカバーが未発表曲として収録されている(2曲のうち「THINK ABOUT THE GOOD TIMES」は「REVIEW 1999」に曲名が変更された)。
- 2011年8月、サントリーフーズ 『BOSS 懐かしのヒット曲歌謡祭』6缶パックケース1箱に1枚、8cmCDを貼付して販売する企画シリーズ(全30曲)。H2Oは『想い出がいっぱい』を提供。8月16日の第1弾シリーズ「ゼロの頂点」缶に貼付された[2]。
『昭和40年男』2017年8月号(クレタパブリッシング)p.108 - 111ページ