2022年ウクライナ難民危機
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2022年ウクライナ難民危機(2022ねんウクライナなんみんきき)とは、2022年2月に開始されたロシアによるウクライナ侵攻に伴い発生した難民問題である。750万人以上の難民がウクライナを離れ[1]、5月3日までに推定800万人が国内で避難生活を送っている[2][3][4][5]。3月20日までに同国の総人口の約4分の1がウクライナの自宅を離れた[6]。ウクライナ難民の9割が女性と子供である[7]。3月24日までにウクライナの全児童の半数以上が家を離れ、そのうち4分の1が国を離れた[8][9]。この侵攻は第二次世界大戦以来ヨーロッパ最大の難民危機を引き起こした[10]。ヨーロッパでは1990年代のユーゴスラビア紛争以来のことであり[11][12]、21世紀最大の難民危機となった[13][14]。
難民の大半は、ウクライナの西側にある近隣諸国に直接入国した。ポーランドはウクライナから390万人の難民を受け入れている。ウクライナに隣接する他の国々は、ルーマニア、モルドバ、ハンガリー、スロバキアである[15]。その後、一部の難民はさらに西のヨーロッパ諸国へ移動し、少数ではあるが他の地域へ移動した人々もいた[16]。しかしながら厳しい労働市場、都市の受け入れ態勢、既存のディアスポラの有無などの要因から、西ヨーロッパよりはポーランドや中央ヨーロッパ諸国を選択しそこにとどまるであろうと指摘されている[16]。
ウクライナと国境を接する欧州連合(EU)諸国はすべてのウクライナ人難民の入国を許可しており[17]、EUはウクライナ人に欧州連合加盟国での滞在、労働、学習の権利を最初の1年間与える一時的保護指令を発動した[18]。 一部の非ヨーロッパ人やロマからは国境での民族差別が報告されている。