稲佐山
長崎市の山 ウィキペディアから
稲佐山(いなさやま)は、長崎県長崎市にある標高333メートルの山。稲佐山公園が整備されており、遊具広場や草スキー場、野外ステージなどがある[1]。
稲佐山公園及び長崎ロープウェイについては、アトラクト稲佐山共同事業体(株式会社大和総業・長崎ロープウェイ事業共同体)が指定管理者として長崎市の委託を受けて管理・運営を行っている[2]。
概要

長崎市市街地の西方に位置し、裾野にも多くの建造物が建ち並ぶ。山頂には展望台や放送局の送信設備が設置されている。展望台からは市内全域を一望できるようになっているほか、夜景の名所でもあり函館の函館山、神戸の摩耶山と共に一般社団法人 夜景観光コンベンション・ビューローの定める日本三大夜景として位置づけられる。また、稲佐山からの夜景は「1000万ドルの夜景」と称される[3]。稲佐山の山頂自体も夜景スポットとなっており、夜間には電波塔のライトアップが行われるようになっている[4]。
稲佐山公園

稲佐山公園には遊具広場、草スキー場、野外ステージなどが整備されている[1]。
- 野外ステージ
- 園内には1万5000人が観覧できる芝生席の野外ステージが設置されている。'90長崎旅博覧会の際に建設され、地元長崎出身のさだまさしの無料野外ライブ「夏 長崎から さだまさし」(1987年 - 2006年)をきっかけに環境の整備が行われた。同じく地元出身の福山雅治(2000年、2009年、2015年)のほか、平井堅、MISIAなど数多くのアーティストがコンサートを行い、「Sky Jamboree」など九州における野外コンサートの主要会場となっている。また、福山は自身の曲「約束の丘」を稲佐山公式ソングとしている。
- 猿舎及び鹿放牧場
- 1990年(平成2年)に「猿舎」と「鹿放牧場」が整備された[6]。
- シカ舎の脇にはエサ用の自動販売機が設置されており、シカせんべいが200円、鹿の角が300円、シカのエサ用の野菜スティックが300円で買うことができる。
- 2004年(平成16年)、地域住民や有識者で構成する「動物ひろば検討協議会」は、飼育している動物の種類が少なく場所も分かりにくいとして長崎市に廃止を提言した[6]。長崎市では飼育数を減らしていき廃止する方向性であるが、2024年2月末の時点でシカ72匹、サル21匹となっており同月の市議会定例会で廃止時期を見通せていないと報告された[6]。
登山道および連絡通路
登山道がいくつか整備されており、自然の中を歩きながら山を登ることが出来る。登山道付近は火砕岩地質で土壌が悪く、ナガサキマンネングサなど他の土地では見られない植物が生育している[7]。
- 連絡通路を照らすLED。通常は青色である。
- 連絡通路を照らすLED。3分毎にレインボーカラーとなる。
交通
ロープウェイ
稲佐山へは、長崎ロープウェイを使うことで直接山頂まで登る事ができる。営業キロは1.110 kmで、三線交走式で運行される[8]。
また、2012年10月4日より、稲佐山展望台と稲佐岳駅を結ぶ通路の天井に約6,000個の発光ダイオード(LED)が埋め込まれた「光のトンネル」の運用が開始されている。通常は青点灯であるが、季節ごとに色が変わり、30分毎に龍の模様が浮かぶようになっている[9]。
→詳細は「長崎ロープウェイ」を参照
スロープカー
スカイウェイの廃止後、中腹駐車場から山頂展望台まではバスによる輸送が行われていたが、観光シーズンの輸送が不便であったため[10]、長崎市が2016年から2020年にかけてスロープカーを設置するに至った[11]。デザインは奥山清行[10]、開発と製作は嘉穂製作所が手掛けており、勾配が変わっても車両が常に水平を保つように設計されている[12]。
スカイウェイ
かつて稲佐山で運行されていた中腹と山頂を結ぶゴンドラリフトである。1990年に民間事業者が開業し、赤字経営を理由に1998年から長崎市が運行を行なっていた[13]。方式は単線自動循環式で営業キロは430 m[8]。
開業時は年間30万人が利用したが、年々利用者が減少して行った上、老朽化や塩害による腐食が進行し、運行に危険が伴うことから2008年(平成20年)3月をもって廃止された[14]。
テレビ・FM放送所等の通信施設
要約
視点

長崎県のテレビジョン放送・FMラジオ放送の親局が山頂に設けられている。長崎県内は山地が多く平野が少ない。このため、長崎市内にも多くの中継局が設けられている。なお、本項では2016年6月30日に閉局[15](2013年3月21日に開局)したジャパン・モバイルキャスティングの長崎中継局についても、あわせて記述する。
地上デジタルテレビジョン放送送信設備
ID | 放送局名 | コール サイン | 物理 チャンネル | 空中線 電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域 内世帯数 |
Gガイド 局名表記 (×はマルチ 放送の番号) | ワンセグ 局名表記 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | NHK 長崎総合 | JOAG-DTV | 15 | 1 kW | 8.3 kW | 長崎県 | 241,981世帯 | NHK総合×・長崎 | NHK携帯G・長崎 |
2 | NHK 長崎教育 | JOAC-DTV | 13 | 8.1 kW | 全国放送 | NHKEテレ×長崎 | NHK携帯2 | ||
3 | NBC 長崎放送 | JOUR-DTV | 14 | 6.3 kW | 長崎県 | NBC長崎放送× | NBC長崎放送携帯 | ||
4 | NIB 長崎国際テレビ | JOXH-DTV | 18 | 長崎国際テレビ× | 長崎国際テレビ1セグ | ||||
5 | NCC 長崎文化放送 | JOXI-DTV | 19 | NCC長崎文化放送× | NCC長崎文化携帯 | ||||
8 | KTN テレビ長崎 | JOWH-DTV | 20 | テレビ長崎× | KTNテレビ長崎携帯 |
地上アナログテレビジョン放送送信設備
チャンネル | 放送局名 | コールサイン | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域 内世帯数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | NHK 長崎教育 | JOAC-TV | 映像 1 kW/音声 250 W | 映像 5.1 kW/音声 1.3 kW | 全国放送 | 不明 |
3 | NHK 長崎総合 | JOAG-TV | 映像 3.7 kW/音声 930 W | 長崎県 | ||
5 | NBC 長崎放送 | JOUR-TV | 映像 5.6 kW/音声 1.4 kW | |||
25 | NIB 長崎国際テレビ | JOXH-TV | 映像 10 kW/音声 2.5 kW | 映像 100 kW/音声 25 kW | ||
27 | NCC 長崎文化放送 | JOXI-TV | 映像 87 kW/音声 22 kW | |||
37 | KTN テレビ長崎 | JOWH-TV | 映像 100 kW/音声 26 kW |
- 送信設備はNBC・KTNは単独で、NCC・NIBは共同で設置(アナログテレビ放送終了後は、民放テレビ4社共同のデジタルテレビ送信所となっている)。
- NHKはテレビジョン放送・FMラジオ放送とも同じ場所から送信。
- 全局共に2011年7月24日正午に放送終了。その後、翌日の7月25日0時までに停波している。
- アナログテレビ放送終了後、旧NBCの施設は鉄塔や放送機器等は全て撤去され建物のみ残っており、2015年10月開始[18]の同局ラジオFM補完中継局はデジタル用の施設を利用している。旧KTNの施設はFM Nagasakiの単独使用となっていたが、モバキャスの長崎中継局開設時はFM Nagasakiとモバキャスの共同使用となっていた。
FMラジオ放送送信設備
- FM Nagasakiは、旧KTNアナログテレビの施設を間借りしていたが、アナログテレビ放送終了後はFM Nagasaki単独の施設となった(施設の看板がアナログテレビ放送終了後、「KTN」から「FM Nagasaki」に取り替えられている)。その後NOTTVの長崎中継局開設中は、モバキャスとの共同使用となっていた。
- NHK長崎放送局は、テレビジョン放送・FMラジオ放送共同じ場所から送信。また同局は、スピルオーバー防止のため出力が抑えられている。
- NBCのFM補完中継局は、2015年6月30日付で予備免許が付与され[19]、同年10月1日に開局[20]。なお、送信所は地上デジタルテレビ用の送信所と同じ鉄塔に設置されている。
マルチメディア放送送信設備
その他
- 長崎県防災行政無線[27]、警察庁の中継施設が設置されている。
参考資料
関連項目
外部リンク
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