八ツ房スギ
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スギは名前の由来を真直ぐの木「直木」や、上へ進み上る「
樹種別に見た国の天然記念物に指定された植物のうち、スギは最も多い48物件を数え東北地方から九州地方まで広い範囲に指定物件が存在するが、近畿地方に所在する国の天然記念物に指定されたスギは本樹のみである[† 1]。
八ツ房スギは奈良県中東部の宇陀市
この場所は2006年(平成18年)に周辺町村と合併し宇陀市となるまでは宇陀郡菟田野町佐倉であった場所で、地理的には淀川水系木津川支流の最上流部の淀川6次支流、佐倉川の源流部付近にあたる。佐倉地区は旧菟田野町の最南端、南側に隣接する吉野郡東吉野村との境界にある佐倉峠の北側、国道166号を西側へ500メートルほど入った標高450メートル付近に八ツ房スギは生育している[11]。
八房とは8本の幹から成るという意味であるが[12]、実際には大小6株のスギの幹の根元が互いに癒着したものと考えられている[1][13]。これらの巨幹は屈曲した臥龍状をなす複雑な樹形をしており[14]、幹の上部が曲がったもの、斜め上方へ伸びるもの、逆に斜面に沿って下方へ伸びるもの、水平に伸びた先で上方に立ち上がるもの、また樹皮の一部が赤褐色を帯びており通常のスギの樹肌とは異なっている[1][7]。
天然記念物の指定に先立つ現地調査は1931年(昭和6年)11月10日に植物学者の三好学によって行われ、各株の樹形や大きさが測定された。1つの株が分岐したように見える八ツ房のスギは三好によって大小6株が密生癒着したものと推定された[15]。この調査時の各株の諸元は次のとおり。なお、三好により1号から6号まで番号が割り振られている。
以上6株の全周囲は約13.5メートルに達しており、樹高は約20メートルである[1][6]。これらの幹のうち中央の幹は1979年(昭和54年)の台風により倒伏したものの樹勢は旺盛である[1]。
八ツ房スギのある桜実神社は地元の菟田野佐倉に住む約50世帯ほどの氏子により守られており、神社の改修や維持費などは氏子らが負担して出し合っているが、八ツ房スギは老樹であることに加え大きな枝が垂れ下がり始めているため、これを支えるためのワイヤーや鉄柱が設置されている。このワイヤーはコンクリート製のアンカーブロックにアンカーボルトを打ち込んで固定された本格的なもので、宇陀市教育委員会によれば国の天然記念物であるため、国から50パーセント、奈良県から15パーセント、宇陀市から15パーセント以内の補助金があるものの、残りの20パーセントは桜実神社、すなわち佐倉地区在住の氏子が負担しているという。ただ近年は人口減少により氏子の人数も減少しており、多額の工事費、改修費が必要なワイヤー工事は氏子らに大きな負担がかかり始めている[18]。
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