1960年代には、「アンテルナシオナル・シチュアシオニスト」を率い、1968年の五月革命の勃興に影響を与えた。1970年代には、シチュアシオニスト運動を解散し、映画界の大物であり出版人のジェラール・ルボヴィッシ (Gerard Lebovici) による資金援助のもと映画製作を再開した。2本の作品がこの時期に生み出されている。『スペクタクルの社会』(Society of the Spectacle, 1973年)と『われわれは夜に彷徨い歩こう、そしてすべてが火で焼き尽くされんことを』(In girum imus nocte et consumimur igni, 1978年)である。「アンテルナシオナル・シチュアシオニスト」解散後、ドゥボールは関係を隔離して、読書、ときには書き物をして時間を過ごしていたが、政治その他の雑誌とやりとりはつづけた。とくにルボヴィッシとイタリアのシチュアシオニストジャンフランコ・サンギネッティ (Gianfranco Sanguinetti) とは関係がつづいた[1]。彼の生涯を通じてのアルコール消費は、彼の健康を蝕み始めた。あきらかに多発性神経炎の症状から苦しみを止めるために、過剰な飲酒となり、自殺を企て、1994年11月30日にベルヴュ=ラ=モンターニュの彼のコテージでみずからの心臓を拳銃で撃ち抜いた。
ギー・ドゥボールがもっとも知られているのは、理論書『スペクタクルの社会』(Society of the Spectacle) と『スペクタクルの社会についての注解』(Comments on the Society of the Spectacle) によるものである。これにつけくわえるに、『Mémoires』(回想録)、『Panégyrique』(称讃辞)、『Cette Mauvaise Réputation...』(この悪しき評判...)、『Considérations sur l'assassinat de Gérard Lebovici』(ジェラール・ルボヴィッシ暗殺に関する考察)などのたくさんの自伝的書物がある。ほかにも多数の論文・記事を、ときには無署名で『ポトラッチ』(Potlatch) 誌、『裸の唇』(Les Lèvres Nues) 誌、『猫たちは緑色である』(Les Chats Sont Verts) 誌、そして『アンテルナシオナル・シチュアシオニスト』(Internationale Situationniste) 誌に書いている。
映画『スペクタクルの社会』に関してこれまでになされた毀誉褒貶相半ばする全評価に対する反駁 Réfutation de tous les jugements, tant élogieux qu'hostiles, qui ont été jusqu'ici portés sur le film 'La société du spectacle' 短編 (1975年) 監督・脚本・編集・ナレーション
われわれは夜に彷徨い歩こう、そしてすべてが火で焼き尽くされんことを In girum imus nocte et consumimur igni (1978年) 監督・脚本
ギー・ドゥボール、彼の芸術と彼の時代 Guy Debord, son art et son temps テレビ映画 (1995年) 脚本・出演
"The Proletariat as Subject and as Representation"
関連書籍
Internationale situationniste, Paris, 1958 - 1969, 増補再編集版 Van Gennep、Amsterdam 1972年、Champ Libre 1975年、Fayard 1997年ISBN 2-213-59912-2, 完全独語訳 Situationistische Internationale, Gesammelte Ausgabe des Organs der Situationistischen Internationale, Hamburg: MaD Verlag 1976年 - 1977年, ISBN 3-921523-10-9、スペイン語版 Internacional situacionista: textos completos en castellano de la revista Internationale situationniste (1958-1969), Madrid: Literatura Gris 1999年 - 2001年ISBN 84-605-9961-2.
Situationist International Anthology, 編集Ken Knabb, Bureau of Public Secrets 1981年ISBN 0-939682-00-1.
Guy Debord and the Situationist International, 編集Tom McDonough, MIT Press 2002年ISBN 0-262-13404-7.
"The Beautiful Language of my Century": Reinventing the Language of Contestation in Postwar France, 1945-1968, Tom McDonough, MIT Press 2007年ISBN 0-262-13477-2.