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『良人の貞操』(おっとのていそう)は、吉屋信子の長篇小説。これを原作とした1937年公開の同名の映画、1962年、1965年、1975年に放送された同名のテレビドラマがある。また、千葉早智子の歌った映画の同名の主題歌もある。
1936年(昭和11年)10月から翌1937年(昭和12年)4月にかけて、「東京日日新聞」と「大阪毎日新聞」に188回にわたって連載された。主人公が、その女学校時代の同級生と夫との関係に苦しむ話である。同年、新潮社から単行本が発売された。
2006年(平成18年)、それまで所在のわからなかった本作の直筆生原稿が発見されたことが話題になった。400字詰め原稿用紙820枚で、連載188回分の完全なものである。神奈川県横浜市にある同県立神奈川近代文学館の調査により、徳富蘇峰の関係者が保管していたことが分かった。この原稿は、同文学館で同年に開かれた「生誕110年 吉屋信子展」で展示された[1]。
「前篇 春来れば」、「後篇 秋ふたたび」の2篇から成り、前篇は1937年4月1日、後篇は同年4月21日に公開された。製作はP.C.L.映画製作所、配給は東宝映画である。山本嘉次郎の弟子として知られる本多猪四郎と黒澤明がそれぞれセカンド助監督・サード助監督として本作についている。過去にキネマ倶楽部でVHSビデオが発売されていた。
レコードの盤面には両面とも「流行歌」、「P.C.L.映画『良人の貞操』主題歌」とクレジットされている。加代の入江たか子の代わりに江戸川蘭子、邦子を演じた千葉早智子がレコーディングしている。
フジテレビのライオン奥様劇場枠にて、いわゆる「昼メロ」と呼ばれるメロドラマの系列に分類されるべき昼ドラマとして製作・放映された。
CS放送では1975年版が1998年にファミリー劇場で放送された。
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