緑藻
緑色植物のうち陸上植物を除いたものに対する一般名 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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緑藻 (りょくそう、英: green algae) とは、緑色植物のうち、陸上植物 (コケ植物と維管束植物) を除いたものに対する一般名である。クロレラやイカダモ、ミカヅキモのような微細藻から、アオサやマリモ、カサノリのような大型藻まで含まれる。系統的には単系統群ではなく、一部の緑藻 (アオミドロなど) は、他の緑藻に対してよりも陸上植物に近縁である (→系統樹参照)。そのため現在では、この意味での緑藻を分類群として扱うことはない。ただし緑藻の多くが緑藻植物門 (学名: Chlorophyta) に、さらにその一部が緑藻綱 (学名: Chlorophyceae) に分類される。日本語では、これら分類群の名前 (緑藻植物門、緑藻綱) と、一般名としての緑藻が混同されることがあり、それを避けるために一般名としての緑藻 (本項で扱っている意味での緑藻) に対して「緑色藻 (りょくしょくそう)」の名が使われることもある[1][2]。
緑藻の中には、単細胞のものから、群体、多細胞、多核嚢状のものまで多様な種が含まれる (右図) (→#体制)。ただし多細胞であっても、陸上植物にみられるほどの複雑な組織・器官分化はみられない。古くは、緑藻はこのような体制の違いに基づいて分類されていた (→#古典的な分類)。緑藻はクロロフィルaとbを含む2重膜に囲まれた色素体 (葉緑体) をもち、デンプンを色素体内に貯蔵する (→#細胞構造)。有性生殖様式は多様であるが、胚 (母体中に保持された、接合子から発生した多細胞の幼体) をもつことはない (→#生殖)。海から淡水まで水域に分布するものが多いが、土壌や岩上など陸上域に生育するものもいる (→#生態)。また塩湖や氷雪など特殊環境に生育する種も知られている。地衣類や繊毛虫、ヒドラなどに共生している種もいる。緑藻の中には、アオノリやクロレラなど食用や健康食品として利用されている例がある (→#人間との関わり)。