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緑色植物亜界 (りょくしょくしょくぶつあかい) (学名:Viridiplantae[注 2]) は、植物界を構成する亜界の1つであり、陸上植物と緑藻からなる大きな系統群のことである。一般名としては緑色植物 (英:green plants) とよばれる[7]。ただし、この系統群に対して、植物界やクロロプラスチダ、クロロビオンタなど緑色植物亜界以外の分類群名や系統群名を充てることもある (右分類表のシノニム欄参照)。
緑色植物亜界 | ||||||||||||
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分類 | ||||||||||||
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学名 | ||||||||||||
Viridiplantae Cavalier-Smith, 1981 | ||||||||||||
シノニム | ||||||||||||
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和名 | ||||||||||||
緑色植物 | ||||||||||||
英名 | ||||||||||||
green plants | ||||||||||||
下位分類 | ||||||||||||
緑色植物は、2枚の包膜で包まれた、クロロフィル a とクロロフィル b を含む葉緑体 (色素体) をもち、デンプンを色素体内に貯蔵する。鞭毛の基部に、星状構造とよばれる特異な構造をもつ。緑藻の中には単細胞から多核嚢状までさまざまな体制のものがおり、また陸上植物は複雑な多細胞体を形成する。緑藻は主に水界に生育し、陸上植物は陸上生態系を支える存在である。
緑色植物は緑藻植物 (緑藻の多くを含む) とストレプト植物 (緑藻の一部と陸上植物を含む) からなる。以前は緑藻植物門 (学名:Chlorophyta) は緑色植物門とよばれたことがあり (その当時はふつう全ての緑藻が Chlorophyta に分類されていた)[8][9]。そのため、単に「緑色植物」という場合は緑藻植物門を指すこともあった。
緑色植物に見られる体制 (体のつくり) は極めて多様であり、単細胞、群体、多細胞、多核嚢状などがある[8][9][10][11][12] (下図)。陸上植物は組織・器官分化を伴う複雑な多細胞体をもつ[13][14]。陸上植物の他に、アオサ藻綱や緑藻綱の一部、シャジクモ類などは細胞間の連絡構造である原形質連絡をもつ[11][12]。単細胞性の種の中には直径 1 µm 以下のものがおり[15]、陸上植物の中には高さ 100 m 以上に達する多細胞体を形成するものもいる。
緑色植物の細胞は、ふつう細胞壁で囲まれている[9][11][12][16]。細胞壁はセルロースを含むことが多いが、マンナンやキシランなど他の多糖を主とするもの (例:ハネモ) や、糖タンパク質からなるもの (例:クラミドモナス類) もある[11][12]。細胞膜中のセルロース合成酵素複合体は、緑藻植物では線状、ストレプト植物ではロゼット状である[12]。また緑色植物の中には、明瞭な細胞外被を欠く裸のもの (例:ドナリエラ属) もいる。プラシノ藻と総称される緑藻では、細胞が糖タンパク質を主とする有機質の鱗片で覆われていることが多く、この特徴が緑色植物における祖先形質であると考えられている[9][12][17][18]。
緑色植物の中には、栄養体 (通常の状態の体) が鞭毛をもつものもいるが (例:クラミドモナス類)、多くの場合、生活環の一時期にのみ遊走子 (鞭毛をもつ胞子) や配偶子として鞭毛細胞を形成する[11][12]。また多くの種子植物のように、鞭毛細胞をもたないものもいる[13][14]。
鞭毛細胞はふつう等長・等運動性の複数の鞭毛をもつ (等鞭毛性 isokont)[8][9][11][12] (右図)。鞭毛の数は2本や4本のものが多いが、数千本の鞭毛をもつもの (例:イチョウ)[14] や、鞭毛が1本だけのもの (例:ペディノ藻綱) もいる。またプラシノ藻の中には、長さや運動様式が異なる複数の鞭毛 (anisokont) をもつ種も多い (例:ネフロセルミス藻綱)[9][17]。
緑色植物の基底小体 (鞭毛基部) と鞭毛の移行部には、星状構造 (stellate structure) とよばれる構造が存在する[19][20] (右図)。この構造は緑色植物に特有であり、横断面が星形を示すためこの名がある。星状構造の構成要素としては、カルシウム結合タンパク質であるセントリンが存在することが知られている[21]。
緑色植物の鞭毛装置は、基底小体と微小管性鞭毛根、繊維構造からなる[9][12][22][23]。基本的に1個の基底小体から2個の微小管性鞭毛根が伸びているが、そのうちの1つ (s root; R2 または R4) において1本の微小管が他の微小管からなる列の下を通って配置変化する特異な配行を示す[24]。緑色植物のうち、緑藻植物の鞭毛装置は回転対称の交叉型であることが多いが、ストレプト植物の多くでは非回転対称で1個の微小管性鞭毛根が多層構造体 (multilayered structure, MLS) となって発達している側方型である[8][9][10][11][12]。
緑色植物の細胞は単核性 (核が1個) または多核性 (核が多数)。さらに肉眼で見える大きさの体全体が1個の巨大な多核細胞からなるもの (多核嚢状性) もいる[8][9][11][12]。核分裂は、ほとんどの緑藻植物では閉鎖型 (核膜が維持される)、ストレプト植物では開放型 (核膜が消失する)[8][9][11][12]。中間紡錘体が残存性のものでは核分裂終期まで2個の娘核が離されたままでいるが (アオサ藻綱、ストレプト植物など)、紡錘体が早い時期に崩壊するもの (早期崩壊性) では娘核が接近する (緑藻綱、トレボウクシア藻綱など)[8][9][11][12]。
緑色植物における細胞質分裂様式は極めて多様であり、以下のようなものが見られる[8][9][10][11][12]。この特徴は、重要な分類形質とされる。
葉緑体の形はカップ状、盤状、帯状、網状、星状など多様であり、1細胞あたりの数も1個のものから多数のものまである[8][9][11][12]。ふつう側膜性 (細胞膜に沿って存在) であるが、星状の葉緑体が細胞中央に位置する中軸性のものもいる (例:カワノリ)。葉緑体 (色素体) は2枚の包膜で包まれている (右図)。チラコイドは複数枚が重なってラメラを形成しており (右図)、特に陸上植物などでは盤状のチラコイドが多数積み重なったグラナを形成し、グラナ間がストロマチラコイドでつながっている[8][9][11][12]。葉緑体内には、ルビスコなどのタンパク質の塊であるピレノイドが存在することがある (右図)。色素体DNAはふつう色素体中に散在している[25]。
緑色植物は、貯蔵多糖であるデンプン (アミロースとアミロペクチン) を色素体内に蓄積する点で特異である[8][9][11][12] (右図)。他の真核光合成生物では、貯蔵多糖 (デンプンまたは β-グルカン) は細胞質基質、小胞中または色素体周縁区画[注 3]に貯蔵される。
緑色植物は基本的に葉緑体をもち、光合成を行う。葉緑体は例外なくクロロフィル a と b をもつ[8][9][11][12]。カロテノイドとしてはルテイン、ゼアキサンチン、ビオラキサンチン、ネオキサンチン、β-カロテンが存在することが多い。またロロキサンチンやα-カロテンをもつものもおり、さらに一部の種はプラシノキサンチンやシフォナキサンチンなど特異なカロテノイドをもつ (プラシノ藻やアオサ藻の一部など)[26]。多細胞体における一部の細胞や (根など)、非光合成種 (全寄生植物など) は光合成能を欠き、葉緑体は白色体になっている[27]。
光呼吸などに関わるグリコール酸代謝は、緑藻植物ではミトコンドリアに局在するグリコール酸脱水素酵素が、ストレプト植物ではペルオキシソームに局在するグリコール酸酸化酵素が働く[8][9][11][12]。
緑色植物における配偶子合体様式はさまざまであり、同形配偶 (isogamy; 形態的に同一の配偶子の合体)、異形配偶 (anisogamy; 大小の配偶子の合体) および卵生殖 (oogamy; 異形配偶の一型であり、大型で不動性の卵と小型の精子の合体) が知られる[8][9][11][12][13]。このような多様性は緑色植物内のさまざまな系統で見られ、卵生殖への進化が独立に何回も起こったものと考えられている[11][28]。また特殊な配偶子合体様式として、通常の状態 (栄養体) である不動細胞が対合し、細胞質が融合する現象 (接合 conjugation) が接合藻で見られる。栄養細胞が直接配偶子を形成するものもあるが、陸上植物は基本的に多細胞性の複雑な配偶子嚢 (造卵器と造精器) を形成する (種子植物では退化的)[13][14]。
生活環における減数分裂の時期にも多様があり、以下のようなタイプが見られる[8][9][12][13]。
緑色植物では、無性生殖は極めて一般的であり、二分裂、出芽、胞子 (遊走子、不動胞子、自生胞子など) 形成、栄養体の分断化、むかご (珠芽) などさまざまな様式が見られる[9][11][12]。
緑色植物は、海、淡水、陸上環境に広く生育している (右図)。特に陸上植物は陸上生態系の主要な生産者であり、地球上の一次生産の約半分を担っていると推定されている[29]。陸上植物の中には、二次的に淡水や海に進出したものもいる (水草、海草)[13]。一方で、緑藻は海から淡水の水域に多く、プランクトンまたは底生生物として生きている[11][12]。また緑藻の中には、岩上、樹皮上、土壌など陸上域に生育する種も少なくない[12][30]。特殊な環境として塩湖や氷雪中に生育する緑藻もいる[12]。
緑藻の中には、他の生物に共生しているものもいる[12][31][32]。特に地衣類の共生藻の多くは緑藻である。その他にも、繊毛虫、アメーバ類、太陽虫、海綿、ヒドラ、イソギンチャク、ナマケモノなどさまざまな生物に緑藻が細胞内または細胞外共生する例が知られている。
ほとんどの緑色植物は光合成を行い、光独立栄養生物であるが、光合成を行うとともに外部から取り込んだ有機物を炭素源・エネルギー源として利用可能な混合栄養生物もいる (例:クロレラ、クラミドモナス)[33]。また緑色植物の中には、二次的に光合成能を失った従属栄養生物も存在する (例:プロトテカ属、全寄生植物、菌従属栄養植物)[34]。これらの従属栄養性緑色植物は、吸収によって有機物を得る吸収栄養生物 (osmotroph) であり、捕食 (食作用) によって生きるものは知られていない。ただしプラシノ藻の一部 (光合成種) では、食作用の存在が示唆されている[35][36]。
緑色植物の一群である陸上植物 (特に被子植物) は、ヒトにとって最も重要な食物である。ヒトの主食はふつうイネやコムギ、トウモロコシ、ジャガイモなどであり、またさまざまな陸上植物が野菜や果物として利用されている (右図)。ウシなどの家畜の飼育には、陸上植物が飼料に用いられる。陸上植物は、他にも嗜好品、薬品、材料、観賞用と極めて広範囲にヒトに利用されている。一方、緑藻が直接利用されることは多くないが、ヒトエグサ、アオノリ、クビレヅタ (海ぶどう)、クロレラなどは食品や健康食品に利用される[37]。また従属栄養性緑藻であるプロトテカは、ヒトに寄生してプロトテカ症を引き起こすことがある[38]。
緑色植物の共通祖先は、藍藻 (シアノバクテリア) が細胞内共生 (一次共生 primary endosymbiosis) することによって葉緑体を獲得したと考えられている[9][10][12][39]。灰色植物と紅色植物 (紅藻) も一次共生によって葉緑体を獲得したと考えられており、緑色植物を合わせてこの3群は一次植物 (primary plants) ともよばれる[10]。これら3群の起源となった一次共生は共通の現象であったと考えられており、つまりこの3群は共通祖先を有する。一般的に、この3群は真核生物の中で単系統群を形成していると考えられており、合わせてアーケプラスチダ (古色素体類, Archaeplastida) にまとめられ[40][注 4]、また正式な分類群名としては、植物界 (学名:Plantae) が充てられることがある[41][42]。
アーケプラスチダを構成する一次植物3群の中で、緑色植物と紅色植物は、葉緑体 (色素体) にペプチドグリカンからなる壁をもたないこと、集光性クロロフィルタンパク質複合体 (LHC) をもつこと、などの派生的な特徴を共有しており、色素体の分子系統としても緑色植物と紅色植物の近縁性が示唆されることが多い[43][44]。しかし核タンパク質などに基づく系統解析からは、一次植物3群の系統関係については、はっきりした結果は得られていない (2019年現在)。いずれにせよ、アーケプラスチダの中で、緑色植物はクロロフィル b をもつこと、フィコビリンを欠くこと、チラコイドが重なってラメラを形成すること、などの点で特異であり、このような変化が緑色植物の共通祖先で起こったと考えられている。
ただし分子系統解析からは、このアーケプラスチダの中に一次植物3群以外の真核生物が含まれる可能性も示唆されている (2019年現在)。そのような真核生物として、クリプチスタ、ピコゾア、ロデルフィス属 (Rhodelphis) がある[45][46][47]。これらの生物からは一次共生由来の色素体が見つかっていないが (ロデルフィス属はこれをもつ可能性がある)、一次共生由来の色素体を二次的に失ったのかもしれない。
なお、緑色植物以外でクロロフィル a と b をもつ真核生物に、ユーグレナ藻やクロララクニオン藻、渦鞭毛藻の一部がある[9][10][12]。これらの生物は、緑色植物 (緑藻) が細胞内共生 (二次共生) することによってクロロフィル a と b を含む葉緑体を獲得した生物 (二次植物) であり、その本体 (宿主) は緑色植物とは全く別の系統に属する[9][10][12]。
また原核緑藻とよばれる一部の藍藻も、クロロフィル a と b (または類似色素) をもつ。古くは、原核緑藻が一次共生することによって緑色植物はクロロフィル a と b をもつ葉緑体を獲得したと考えられたこともあった[48][49]。しかし前述のように、緑色植物、灰色植物、紅色植物の葉緑体の起源となった一次共生は共通の現象であったと考えられており、その際の共生者がクロロフィル a と b をもっていたとは考えにくい。分子系統解析などからも、原核緑藻と緑色植物の葉緑体をつなぐ証拠は見つかっていない。唯一、原核緑藻 (の一部) がもつクロロフィル b 合成酵素が、緑色植物のそれと相同性が高いものであることが示されている[50]。この遺伝子の水平伝播によって原核緑藻 (または緑色植物) がクロロフィル b 合成能を獲得した可能性がある[51]。
光合成色素組成や貯蔵多糖、鞭毛細胞の共通性から、陸上植物と緑藻が近縁であることは古くから認識されていた[52][53]。ただしその体制の違いなどから、陸上植物と緑藻は別々に分類されていた。
やがて系統関係を直接分類体系に反映させる考えが受け入れられるようになり、陸上植物と緑藻をまとめた系統群に対する分類群名として、植物界 (Plantae)[5] を充てることや、クロロビオタ (Chlorobiota)[4][注 5] やクロロビオンタ (Chlorobionta)[2][3]、クロロプラスチダ (Chloroplastida)[1][注 1]、緑色植物亜界 (Viridiplantae)[41][42] などが提唱されている。
古くは、緑藻は栄養体の体制 (大まかな体のつくり) に基づいて分類され、それに沿った進化が想定されていた[52][54][55]。そのような系統仮説においては、フリッチエラ属 (Fritschiella) のような陸生の分枝糸状性緑藻から陸上植物の祖先が進化したと考えられることが多かった (現在ではフリッチエラ属は陸上植物に近縁であるとは考えられていない)。
しかし1970年代以降、微細構造 (鞭毛装置、細胞分裂様式など) や生化学的特徴 (光呼吸に働く酵素など) の研究から、緑藻の中には、体制とは対応しない2つの大きな系統群が存在し、その一方に陸上植物が含まれることが示唆されるようになった[9][56][57]。やがて、この仮説は分子系統学的研究からも支持され、広く受け入れられるようになった[53][58]。このようにして明らかとなった緑色植物を構成する2つの大きな系統群は、緑藻植物およびストレプト植物とよばれている[12][53][58]。緑藻植物とストレプト植物の特徴の比較を下表に記す。
特徴 | 緑藻植物 | ストレプト植物 |
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鞭毛細胞 | 鞭毛は細胞頂端から対向して生じる[注 6] | 鞭毛は細胞側面から平行に生じる |
鞭毛装置 | 回転対称の交叉型[注 6] | 非対称の側方型[注 7] |
鞭毛細胞の眼点 | あり[注 8] | なし[注 7] |
核分裂 | 閉鎖型[注 8] | 開放型 |
中間紡錘体 | 残存性 or 早期崩壊性 | 残存性 |
細胞質分裂 | 環状収縮 or 細胞板、ときにファイコプラストあり | 環状収縮 or 細胞板、ときにフラグモプラストあり |
セルロース合成酵素複合体 | 線状 | ロゼット状 |
光呼吸 (グリコール酸代謝) | ミトコンドリア中のグリコール酸脱水素酵素 | ペルオキシソーム中のグリコール酸酸化酵素 |
銅/亜鉛型スーパーオキシドディスムターゼ | なし | あり |
イソプレン生合成 | 色素体内の非メバロン酸経路 | 色素体内の非メバロン酸経路および細胞質基質のメバロン酸経路 |
代表例 | クロレラ、クラミドモナス、クンショウモ、アオサ、マリモ | ミカヅキモ、アオミドロ、シャジクモ、コケ植物、維管束植物 |
これら2つの系統群 (緑藻植物、ストレプト植物) は、分類学的に門や下界のレベルで分けられることがある[60][61][62]。
緑藻植物に含まれる緑藻のほとんどはアオサ藻綱、トレボウクシア藻綱、緑藻綱のいずれかに属し、この3綱は互いに近縁である (UTC系統群ともよばれる)[63][64]。これにクロロデンドロン藻綱とペディノ藻綱を合わせた系統群の単系統性は強く支持されることが多く、"コア緑藻植物" (core chlorophytes, core Chlorophyta) とよばれる[65]。またプラシノ藻とよばれる緑藻の多くは、緑藻植物の中で多数の系統群に分かれている。
ストレプト植物には、陸上植物とともに、陸上植物に近縁な緑藻 (接合藻、シャジクモ類など) が含まれる。これらの緑藻は、以前は広義の車軸藻綱 (Charophyceae sensu lato) としてまとめられていたが[57]、このまとまりは明らかに単系統群ではない。そのため、2019年現在ではこれらの緑藻はふつう複数の綱 (または門) に分けられることが多い[62][61][66]。2019年現在、このような緑藻の総称としては、ストレプト藻 (streptophyte algae) が用いられることがある。ストレプト藻の中で接合藻、コレオケーテ類、シャジクモ類は、陸上植物とともに単系統群を形成することが強く支持されている。これらの生物群は細胞質分裂時にフラグモプラスト (隔膜形成体) が生じるという共通点をもつため[67][注 9]、この単系統群はフラグモプラスト植物 (Phragmoplastophyta) とよばれる[40]。
以上のような緑色植物内の系統仮説について、1例を以下に示す。
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緑色植物内の系統仮説の1例[58][68][69][70][71][72]. 一番下の陸上植物以外は緑藻と総称される. |
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