コケ植物
陸上植物の分類の一つ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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この項目では、非維管束で胞子散布を行うなどの特徴を持つ陸上植物について説明しています。その中の分類群である苔類(たいるい)については「苔類」を、自然言語の概念としての苔類(こけるい)については「苔」をご覧ください。 |
コケ植物(コケしょくぶつ、英: bryophyte)とは、維管束を持たず、胞子散布を行う、単相(n)で有性の配偶体世代が優先する陸上植物の一群である[4][5]。コケ類[4](コケるい)や蘚苔類[4](せんたいるい)、蘚苔植物[6](せんたいしょくぶつ)などともいう。日本では1665種程度[6]、世界中でおよそ2万種ほどが記録されている[7]。植物体(配偶体の本体)は、その形態により、葉と茎の区別がはっきりとした茎葉体および、区別が曖昧な葉状体に分けられる[8]。
コケ植物 | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Bryobiotina Doweld (2001)[2] | ||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||
門 | ||||||||||||||||||
コケ植物は蘚類・苔類・ツノゴケ類の3群に大別される[5]。初期の形態形質や化学成分を利用した古典的研究では単系統群であると考えられており[9]、コケ植物門と門の階級に置かれた[10]。その後分岐学的解析が進み、分岐順は諸説あったものの、維管束植物 Tracheophyta(または多胞子嚢植物 Polysporangiomorpha[注釈 1])の側系統群と考えられることが一般的になったため[9]、3群が独立した門に置かれることが多くなった[11]。初期の分子系統解析においてもその結果が支持されてきたが[9][12]、陸上植物は分類群ごとにGCの割合が偏っていることが分かっており、間違った推定がなされていたと考えられている[12]。データセットを増やした解析では、3群が再び単系統群としてまとまり、残りの現生陸上植物(維管束植物)と姉妹群をなすことが明らかになった[13][14]。そのため、再びコケ植物をコケ植物門として扱う考えも提唱されている[3]。
なお、「コケ」という日本語は元来、花を咲かさない小さな植物の総称であり、地衣類や藻類、藍藻類など(葉状植物 thallophyte[15])、時にはシダ植物や被子植物に対しても用いられる[6]。文化的側面については苔を参照。